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愛知県近隣における高校の国語教師の学生指導の履歴である。
高校生活が受験勉強で終わるのではなく、知的な進展を促す努力が記されている。
「今日の学問を形成した幾多の偉大な文人・科学者・芸術家たちの崇高な生涯とその精神」
が「感動」と「楽しさ」を与えることを記している。
直接大野先生に教えてもらったことはないが、1年間、同じ校舎で高校生活を過ごした際に、「主観的な熱血教師」という印象があった。
自分がその当時の大野先生の年齢を超えてみると、大野先生ほどに若者に影響力を与えれるような人物になったかどうか疑問に思う。
当時の大野先生の旭丘高校の離任式での講話は、当時の放送部が記録したものが、本人の了解を得てWEBで公開されている。
本書を読みながら聞くと、本書の内容がより理解できるかもしれない。
「大野健二 離任式」で検索すると、そのサイトに容易にたどり着くことができる。
講和では3つの「青春の挫折」として、
明治20年に書かれた重要な文学作品
二葉亭四迷の「浮雲」
明治23年の
森鴎外の「舞姫」
明治39年の
島崎藤村の「破壊」
を紹介している点は国語教師らしさが出ている。