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讃歌 みんなのレビュー

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紙の本

そう、のだめで久しぶりに湧いているクラッシク界、でもね、そこにだって薄汚い嫉妬や意味もない権威てえものが大手を振って歩いているんですよ、しかもマスコミまでが無節操に・・・

2006/08/06 09:44

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

篠田節子『讃歌』(朝日新聞社2006)
夫は朝日新聞が嫌いです。利口でもないのに、ぶっているところ、エラソーにしているところが役人みたいでガマンできないといいます。その報道の無責任さにも耐えられないそうです。むしろ、自分はバカ、と割り切って軽薄化している読売新聞のほうが可愛いそうです。ま、その右翼ぶりも産経新聞まで行くと、噴飯を通り越してムカツク。だから、朝日新聞社で出す本の情報というのが、入りにくい。
そういう理由だけではないでしょうが、この本の存在自体を全く知りませんでした。書店やwebの出版情報はかなり丹念にチェックしているのですが、この半年、気付かなかった。これが妊娠だったら、そんなに長い間気付かないなんて、バカカ、オマエ、と周囲から言われてもおかしくないほどです。ん?何か変かな・・・
ま、装丁も地味なんですね。上品とはいわない。これはただ目立たないというデザイン。版画なんでしょうが、これまた地味な装画は門坂流、装幀は二人の関係が気になる坂川栄治+田中久子(坂川事務所)です。全体は七章構成で、各章にタイトルはありません。初出は2004.9.16〜2005.4.16の期間、朝日新聞に連載。単行本化にあたって加筆訂正がされています。
主人公はテレビ制作会社 東洋映像でディレクターをしている小野です。年齢ははっきりしませんが、別れた娘さんが幼いので40前後というところでしょうか。で、その彼を感動させているのがヴィオラ奏者である柳原園子の演奏、特にシューベルトのアルペジオーネソナタです。そして、普段、クラシックなど聞かない彼に、園子の演奏会を紹介したのが、クラシック専門のレーベル、ミカエルレコードの社長、熊谷です。
柳原園子ですが、彼女はもともとはヴァイオリンの奏者で、14歳のときに日本の音楽コンクールで優勝、その後、ベルンで開かれた国際コンクールで第二位をとり、天才少女出現とマスコミで騒がれたことがあります。そして念願の海外留学を果たしますが、それが結果として自殺未遂につながり、20歳のとき、帰国、以降、後遺症で殆ど寝たきりで25年を過ごします。
そして5年前、彼女は老いた父を見て感じるとことがあり、再び弓を取ることになります。ひっそりと公民館などで公演をしている彼女の演奏に目をとめたのが日本の音楽界の重鎮で90間近の 佐藤清一郎でした。彼は、園子にヴィオラ奏者になることを勧めます。前途が開かれたかに見えた彼女の音楽家人生は、しかし佐藤の死で再び閉ざされます。
その後、彼女は地味な演奏活動を続けていきます。小野が聴いたのは、そうした演奏会の一つでした。心動かされた彼は、園子の人生の紆余曲折を知り、一層、彼女の演奏の虜になっていくとともに、なんとか彼女をテレビの番組で扱いたいと思うのです。それが様々な波紋を呼び、現在の日本のマスコミ、特にテレビを取り巻く情勢が浮かび上がってくる、そういう話です。
プレゼンをして、アイデアが採用されたら、納期までに困難を乗り越えて、企画を成功させる、そういう話では、藤原伊織に『シリウスの道』があります。でも、どちらかというと藤原の作品は、男らしい「競争」を中心に書かれていますが、篠田のものは、その陰の部分を描いている、という感があります。
読んだあとの高揚感は、藤原に軍配をあげますし、登場人物の魅力でも『シリウスの道』のほうが上でしょう。ただし、人間の卑小さを描くという点では、篠田が一歩リード。ま、音楽家の悲劇という点では、藤原にも短篇集『雪が降る』に、暴力に頼る卑劣な男を描く「台風」があり、絶望の深さでは、読んでいるこちらが怒りで興奮するほどですから、それには敵わない。ということで★四つ。

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2007/09/04 15:16

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