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かつて殺人の罪を犯し、仮釈放された主人公を取り巻く人々。罪を犯した者にとって、本当の罰が始まるのは、刑期後なのかもしれない。更正の意思がある人とは向き合いたいけれど、世の中に溢れる再犯の数々を思えば、本書の中の主人公に厳しい言葉をぶつける人の気持ちがわからんでもない。というか、やっぱり自分もそう思ってしまう。一気読み。
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NHK土曜ドラマで放映中。
加害者のその後を追う。
出所したって、明日が普通に生きれるわけじゃない。
被害者の加害者に対する憎しみは消えないのです。
被害者ではなく、加害者の苦しみを綴った、
もどかしい生活を描いてる。
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事故からの殺人、しかし不条理な判決から納得のいかない主人公。それでも現実に時は流れる。刑務所で刑務を終え仮出所なるも、殺人者としての現実を送ることに。
(まだ途中までしか読んでないので書評は書けないけど考えさせられる作品。読み終わるのが楽しみ。)
先も見えず惰性で生きていた。しかしそんな中、追い詰められた主人公はナイフを手に人を殺してしまう。裁判の証言台では証人に嘘の証言をされ殺人罪に、少年刑務所で6年の刑務をし仮釈放となる。そこから物語りは進む、罪の意識と周囲の無理解、陥れなどに憤り戸惑いを感じつつも、殺人者というレッテルを背負い底辺を生きようとする努力は報われず次々と降りかかる災いにもどかしさも感じる。一時の過ち、突発的な行動が人生を狂わしてしまう怖さ。犯罪を犯したものと被害者は、分かり合えることが訪れるのであろうか。
読了して犯罪を犯した主人公の気持ち心理状況が痛いほどよくわかる作品。どうしてこうも社会は無理解で理不尽なのかと嘆きたくなった。被害者側からも許せない怒りなども良くわかる。一度外れてしまった歯車は、再び絡み合い時を刻む事はできるのだろうか。2006/4/13読了
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今年の春(06年)にドラマ化もされました。 この小説が、どんな風に映像化されたのか見てみたかったです。 「心の底から罪を償う」というのはどういうことなのか。痛いくらいに考えさせられる本です。
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些細なことがきかっけで殺人をおかしてしまった主人公が刑務所から出てからの生活。被害者の家族の気持ちも分かるような気がするし、加害者の家族の気持ちもすごくわかる。でも主人公がせっかくがんばろうとしてるんだから邪魔してほしくないな〜と思ったり。でも周りが良い人達ばかりでかなり恵まれている。
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不良少年相手の喧嘩の弾みで殺人者になってしまった主人公。自分だけが悪者にされた不公平(?)な裁判も甘んじて受け入れた。刑期終了間際でようやく仮釈放になった主人公が、謂れのない悪意の中傷ビラで、更正の道を阻まれる。ずっしりヘビー級。読むのがハラハラ・イライラ・・・辛くなるお話でした。
確かに被害者の家族の無念は計り知れないものがあるとは思います。しかし、天災や交通事故で、ある日突然死んでしまうことだってあり得るのだから、それが「殺人」という理不尽だからといって、残された人間が一生それを引きずるというのは、どんなものかと思います。
2006/6/22
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2006/09
犯罪加害者・加害者家族・被害者家族・まわりの人たち。考えさせられた。「奇跡の人」と似ていたけど結末は違って、明るさが見えて、よかった。
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事務所の方より。「手紙」が受刑者の身内なら、コチラは受刑者本人の話。作者は違えども、小生としてはコチラの方が好きである。
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この話は、主人公が19歳の時に人を殺めてしまい、刑務所で刑期を終えて仮出所したところよりはじまる。
彼はボロボロのアパートを借り小さな工場で働きだすが、「この男は人殺しです」と書かれたビラがあちこちで配られ、それにより彼や家族が再び傷つく・・。
「自分は殺意を持っていたわけじゃない」
そう訴えてみたところで、「殺人」という罪はもう救いようのないもの。
自分はもとより、家族の大きな犠牲を伴う。
高野和明の「13階段」でも同じように罪を犯した主人公がいるが、殺された遺族への何千万もの賠償金を主人公の家族が背負うことが描かれている。
自分の息子がもしも罪を犯したら・・そんなことを想像するだけでもつらすぎる。
また、逆の立場だったらどうだろうか。
自分の息子にも悪いところがあったとしても、殺された相手にわく憎しみは果てしないはず。
その犯人が6〜7年で罪をつぐなったとし、社会復帰する・・。
これを黙って見過ごせるだろうか?
罪はつぐなったと、許せるはずもない。
単にドラマ化され、結末を迎え・・「へぇ〜」っと視聴者(読者)感想を持つだけの単純なものではない。
肉親が罪を犯した者、肉親を殺された者、それぞれに何とも言い切れぬ身につまされる思いがする。
しかし、罪を犯した者にも「明日」はある。
過ちを犯したとしても、改悛の情を持ち、罪を心から償うことからはじめるしかない。
それが人生の明日に繋がっていく・・そんなテーマだったので、多少ほっとした。
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2007/3/30 SFOからKIXへのフライトで読む予定であったが、北京行きに変更や疲れから読めず。
2010/9/29
自分の彼女にちょっかいを出した男に釘を刺すつもりで詰め寄った中道隆太は、勢いで男を殺してしまう。なんとか仮釈放となり、地道に生きようとした隆太であったが、「この人は人殺し」と書かれたビラをまかれてしまう。一体誰がまいたのか?犯人を捜し始めた隆太の前にはさまざまな障壁が立ちはだかった。
罪をつぐなって出獄した犯人に対する我々日本人の感情、犯人サイドの自分だけが悪いわけではない、という感情、殺された被害者側の家族の感情、など、非常に判断が難しい感情を稀代のストーリーテラー真保氏が書き綴る。自分が加害者になったら、あるいは自分が被害者家族になったら、果たしてどういう気持ちになるのか。非常に難しい問題である。解説の児玉清さんも書かれていたが、最後の隆太のセリフには思わず涙が出そうになった。NHKでドラマ化されたようだが、見たかったなぁ。
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人一人の命の重さ。残された家族はもちろん、加害者、とその家族、周りの人間がその事実をどう受け止めるか?なかなか考えさせられる。同じような作品は別の人も書いているだろうが、保護司なんて地味な職業にも注目してるとこが真保さんらしいし、いい味を出してる。
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この男は人殺しです―。仮釈放となった中道隆太を待ち受けていた悪意に満ちた中傷ビラ。いったい誰が何の目的でこんな仕打ちをするのか?
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真保氏の作品の中でもトップレベルやと思う。ラストや犯人に対する驚きは他の作品に比べて弱いけど、主人公の葛藤は一読に値する。相変わらず真保氏作品の男はかっこいいです。
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自分を試す小説だった。
「実際に殺人者と出会ったなら、自分は相手にどういう態度で接するのだろうか?」と。
刑務所から戻ってきた人間にとっては、世界は偏見と悪意に満ちているのだろう。
人を殺めた廉で少年院に送致され、6年の刑期を務めて社会復帰した青年が主人公。
「自分だけが悪いんじゃない」と「謝罪したい」という心の葛藤の渦の中、ぐいぐいと彼に共感を覚えてしまう。
綿密な取材の成果が伺われる。
加害者、被害者、傍観者たちの心の動きが丁寧に描かれていく。
彼らの社会復帰の道は限りなく険しいものだが、自分は応援できるだろうか。
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面白かったです。いいラストシーンでよかったです。重たいテーマだったのでもっと読みにくくなるかと思ってましたが意外とすんなり、しかも一気に読むことができました。さすが真保作品と言ったところなのでしょう。