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真面目に、誇り高くそれぞれの「仕事」に取り組む30人の肖像画のような掌編集。
『ぶらんこ乗り』に出てきた、うそつきの名人の少年を思い出した。素敵な作り話を次々に語る少年。
彼はまさにいしいしんじ自身の姿だなあとしみじみと思う。
一編が短いけれどそれぞれに深い味わいと寓意に満ちているから、これは一度に読んでしまうべき本ではないと思う。一編を読むごとに一度本を閉じて深く息を吸い込み、その短くしかし輝かしい作り話をもう一度味わう。そんな所作がふさわしい素晴らしい本。
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さらっと読み流してしまっては、つまらない本になってしまう。じっくりと、何度も噛み締めて読みたい本である。でも、せっかちな自分には、ちょっと、、、。
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わたし的、初いしいしんじ作品!!短編が沢山収められた本です。どれもこれも素晴らしすぎます。各作品、思いを巡らしながら読んでいく訳ですが、頭の中に広がった光景さえも大切に感じます。いしいさんに出会えてよかったです!!
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「ただ、彼は雪を憎んでいるわけじゃなかった。きっと、雪を見ると何かを思い出さずにいられないのでしょう。もうこの世にいない、大切なひとの写真を見せられたとき、胸がつぶれそうな思いがするのと同じように」
(P.80)
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いろいろな仕事をする人々、その人の世界が丁寧に書かれている。短編集。
ゆっくり味わって読むと更にその世界が浮きだって来る。おもしろい。
「白の鳥と黒の鳥」は癖が強かったが、これは、勿論いしいしんじワールドは全開だが、よりいろんな人に受入れられると思う。
この本の装丁もかなり好き。
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雪の良いところって、そういうところなのかもしれませんね。
消えてしまうときは、また降ってほしいと思わせてくれるし。
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掌編集なので、最初は氷山の一角みたいなのが集められているのかなあと思っていたんですね。大きな物語の端っこだけ切り取った、みたいなね。でも、読み進むうちに、どうやらそんなんじゃないなあって思い直すように。
「ぶらんこ乗り」「麦ふみクーツェ」「プラネタリウムのふたご」「ポーの話」って並べてみるとなんとなく見えてくる。それぞれに"の話"って付けてみると(もちろん「ポーの話」以外)、ほら、誰かの物語なんですよ。で、もちろん想像なんだけど、いしいしんじの頭の中では、まずその誰かが生まれてくるんですね。そして、その誰かの物語が語られるんですよ。それが長いと長編小説になるし、短いとこういう掌編が出来上がるって、そんな気がしてきました。
誰かの物語なので、良い話も悪い話も、楽しい話も悲しい話も、いろいろあるんですね。いしいしんじはそれを書き連ね、僕らはそれをただ読むって、こういうのっていかがでしょう。
だからといってね、例えば表題作の「雪屋のロッスさん」の生い立ちとか恋愛とか老後とかの、そういう長編ができないって言い切れない。けど、まあ、ないなあ、きっと。
これが掲載されていたダ・ヴィンチって雑誌、おいらはあんまり好きじゃない。なんだかとっても中途半端で。で、あの雑誌の片隅に30週間も載り続けていたのかと思うと、すっごく健気に思えて、よしよししたくなるのは、多分おいらだけだろうなあ。
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一遍が2、3ページで終わる短い物語の数々。
あそび心あり、なんとも不思議、なんとも軽快なテンポで、ひとつひとつ・・・いや、ひとりひとりを丁寧に描いている。
いやすごい。
こんな2、3ページという瞬間で惹きつけさせ心をこんなにあったかくさせるなんて。
短編ということで読後の爽快感があまりないですが、いっこいっこの話に手抜きがひとつも見当たらない。眠る前に一話ずつ読み、昨夜やっと読み終えたのですが、いやこの数週間いい夢見れたな、
そんな気がします。
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「さいわいなことに、雪はいずれ溶けます。はかないようですが、
そこが雪のいいところです」ロッスさんは、そういって笑いました。
物語作家いしいしんじが描く、さまざまな人たち、それぞれの営み。
あなたは、何をする人ですか?
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30もの短いお話のなかに、それぞれ、いしいしんじワールド炸裂!
ほのぼのしてたり、ブラックだったり、摩訶不思議だったり、ナンセンスだったり、いろいろ。印象的だったのは「棺桶セールスマンのスミッツ氏」、「風呂屋の島田夫妻」、「棟梁の久保田源衛氏」など。
ゆっくり、ちびちび読むのがいい。また読みたいな。
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この世界は、勝者のためにだけうつくしいというわけではない。
いしいしんじの童話がクリーム色を帯びていっぱいに広がる。不思議で、優しくて、何処となくいとおしい。
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ひとつぶ、ひとつぶ。じんわりと、しんみりと。ときにはすこし残酷なふいうちも。みんななにかの意味をもってこの世にそんざいしているんだね。
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不思議だった。。乳白色な世界だった。
自分には少し物足りなかった。こういう本を読む気分ではなかったのかもしれない。
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一話一話のタイトルの字体が可愛い。表題作や「大泥棒の前田さん」「ブルーノ王子と神様のジョン」あたりがお気に入りです。
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2〜3ページの本当に短いストーリー集。こんなわずかなページ数でも物語って、成り立つのだ、と感動しました。そして、どの物語も長編小説が書けるくらい内容が濃いのです。