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紙の本
中学生くらいには適当な内容かもしれないが、脚注は中学生には見せたくない
2006/04/22 08:57
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:yukkiebeer - この投稿者のレビュー一覧を見る
米国の政治経済、歴史や文化など100以上の項目を概観する一冊です。2006年2月刊。
タイトルには「よーくわかる」とありますが、どちらかというと食い足りないという思いが残りました。ごくごく基本的な事柄が、統計的数字を多用することによって紹介されているという具合です。
著者は大学でアメリカ講座を担当している助教授。学生に教科書として買わせることを目的に書いたのかと穿った見方をしたくなるほど、本当にごくごく基本的なつくりになっています。読み物として面白いかと聞かれれば、あまり肯定的な返事はできません。
ひどく気になったのは脚注の書き具合です。
例えば、アメリカ人の離婚率の高さを指摘した上で著者は次のように脚注をふります。
「これほど離婚が多いというのは、やはり、アメリカには身勝手な人や自己主張の強い人が多いのかもしれない。相手を思いやる心、相手がこうあるべきだ、こうすべきだという邪心を捨てることができれば、もっと幸せな家庭を築くことができるのだが…」。
離婚率が日本より高いのは、女性が経済的に自立していて、男性に依存して生きる必要がないということや、日本人女性が離婚したくてもできないのは、離婚すると夫の厚生年金を受け取れないからだという事情もある点を著者は考慮していません。
また、米国の禁煙事情を説明した項目での脚注では喫煙者に対して「それほど吸いたいのか?と人間の意志の強さ?に感服。その意志で禁煙を決意すればいいのに、と思うのは私だけだろうか?」と記します。
私も非喫煙者で嫌煙者ですが、その一方で喫煙という行為が「依存症」であるということもきちんと認識しています。つまり喫煙は疾病に分類されるべきものであって、意志の強弱で治るものではないのです。きちんとした治療を行って初めて喫煙という疾病は治るのです。著者のように禁煙という疾病を治せないのは意志が弱いからだという論理展開は昭和の考え方です。
ことほど左様に、本書の脚注は時代錯誤的な著者の思想が透けて見え、決して愉快ではありませんでした。
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