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紙の本
想像性と先の展開を期待させる物語が魅力のホラー短編集
2010/02/04 19:09
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:toku - この投稿者のレビュー一覧を見る
おどろおどろしい表紙のイラストに目を惹かれ、思わず手に取ってしまう。
なんと気持ち悪く中身を期待させる表紙なのだろうか。
『デス・ネイル』
ネイリストを目指す少女は、老人ホームでマニキュアを塗ってあげた老人の遺品を受け取った。
遺品の眼鏡に宿る不思議な力でカリスマネイリストへと導かれた少女と、やがて現れた体中に爪が生える「デス・ネイル」との戦いが始まる。
ホラーにしては突拍子もない展開もあり、B級ホラー風かSF風でもある。
中盤まではとても良かったのだが、作品の短さからくる荒さや急な展開が気になり、もう少し長く丁寧に書いていれば……と思わせる作品。
『幸運を呼ぶ魚』
男は、アロワナが幸運を呼ぶ魚と聞いて、その幸運にあやかろうとアロワナを飼いだした。
男には次々と幸運が舞い込みだすが、偶然水槽から飛び出してアロワナが傷を負うと、家族にも同じ怪我が降りかかった。
アロワナの不思議な力に振り回される男の物語。
男の子どもがアロワナに願ったラストの展開は今一つ納得(理解)できない。
これも中盤までは面白かっただけに残念。
『月の川』
夏の学童保育のキャンプに娘と行くことになった栗山。
キャンプには最近近所に引っ越してきた来た美人でスタイルもいい有馬夫人も行くという。
娘と仲のいい子どもの純は顔や手足に薄茶色の体毛が生えており、顔は人間離れしていた。
これも今一つ読者を納得させる説明はなく、展開の荒さが目立つ。
着眼点は面白かったので、じっくりと書いて欲しかった。
『感光タクシー』
京都の修学旅行で止まったホテルで女将の幽霊に追われるチャミとサキ。
暗闇の中に現れた光の輪を抜けると、強い日光の中で二人を捜す友達のミカの姿があった。
3人は気を取り直し、ミカが待たせていたタクシーに乗り込み、京都の観光旅行へと向かった。
所々に入るダッシュ(――)以下で書かれている部分のせいで、分かりづらさを感じた。
ミカの世界とチャミ・サキの世界を区別しようとしているが、どこかはっきりしない。
物語と展開が良かった分、非常にもったいないと思った。
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全体的に序盤から中盤までの細かい描写で、先の展開を楽しみにさせるが、終盤にかけて話が急に進む印象を受けた。
着眼点の良さと、先を期待させる物語の展開は魅力的なので、腰を据えてじっくり書いた作品を読んでみたい。
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