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出久根達郎さんの古本エッセイ。なんだか出久根さんの語り口が肌に合って見つけては読んでます。この本の中で、なるほど と感じたフレーズ『大邸宅を構える人ほど、本らしい本を持っていない。質素な生活をしている者に大蔵書家が多い。金持ちほど貧しいのである。』まぁ、一概にそうとはいえませんがなんかクスリと笑ってしまいました。ふふふ・・・
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語り口が肌に合う作家ですが、本書も力みがなく安心して読めた。
「飛行機の差別」なんか、そうだよなと思わず相槌を打ちたくなる。
エッセイは好きなジャンルだか、その道を極めた所謂プロの書く物は違う。
そんな感じにさせる作家の一人です。
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本書で紹介されている本を、どれだけ購入したことだろう。
著者の書物を扱ったエッセイは書籍版サクラダ・ファミリアの
建設にかなりの頻度で貢献している。
勿論、読了した本もあるけど。
今回、再読してみて新たに読んでみたくなった本も出て来た。
危険な兆候である。笑。
「優作。俺は今までお前が死ぬとこを何度も観てきた。そして
その度にお前は生き返ってきたじゃないか。役者なら生き返って
みろ!生き返ってこい!」
死者を追悼する弔辞を集めた本の章で紹介されている、原田芳雄の
名弔辞である。
「難解でもないことを難解にいうのはバカな学者がやることだ。難解な
ことをわかりやすく表現し、正確につたえる、それが編集者のしごとだ」
雑誌「暮らしの手帳」編集長だった花森安治の人物伝を扱った章での、
花森の名言である。ああ…耳に痛い。
何作読んでも著者の短文の切れの良さには感動する。似たような
エピソードが出てくるものの、それさえも新鮮に読めるのは文章の
リズムの良さか。見習いたいものだ。