紙の本
厳しく絶対的な現実
2008/02/08 22:56
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:にい - この投稿者のレビュー一覧を見る
リーガル暗殺に失敗し、連の追っ手をかわしながらヴェリティの元に向かうフィッツ
老女・吟遊詩人・王妃・道化を旅の供とし、様々な謎と予言に振り回されてゆく
旧きものを求めたヴェリティとリーガルの野望・フィッツの恋の行くへ・道化の予言など、多くのテーマが複雑に混ざり合い絡み合っています
そのすべてが綺麗に収まりハッピーエンドとはいきません
因果応報があり、厳しい現実があります
いつまでたっても子供っぽさが抜けないフィッツが一つ一つ絶望的な現実という階段を登っていくよう
毎回最後にフィッツが死にかけた状態で終わるというのが隠喩的というか、逆に面白いです
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3部作それぞれ上下巻ある6冊の最終巻に当たります。ぐいぐい世界に引き込まれてしまう、読み応えのある作品です。ファンタジー読みなら必読ですよ!王家の影の存在として暗殺者の訓練を受けてきたフィッツがその成果を発揮!?一人で王国を横断、宮殿の奥に入り込んでリーガルに迫った後、今度は真の王ヴェリティの元へ駆けつけるため、追っ手をかわしながら山の王国へと渡ります。禁忌とされながらも今に伝わる「気」で繋がる人々や謎の「旧きもの」の存在もしだいに明らかに…!
リーガルの魔手を逃れて夫を探すヴェリティの妃ケトリッケンや、捨てられた城を守るペイシェンス、たくましく生き延びるモリー、吟遊詩人として名をなそうとするスターリングなど、女性達が皆りりしく生き生きとしていて、魅力的です。
毎回暗い出だしなんですが、そこでめげないで読んで下さい〜。
フィッツがよほど老いてからの回想かと思えるのですが〜違うんです!
独特な重厚感とスリル溢れるリアリティはなかなかのもの。
3作全体の相乗効果というか、この世界の濃さにどっぷり漬かっていた頭がまだぼーっとしております。
あちらでは15年後の続編が出ているとのこと!早く読みたいものです〜。
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【ネタバレ有?】●さて、第三部の魅力は、旅シーンにもあり。
先には復讐のために、後には王を探すために、フィッツは長い旅をするのですが、この間の描写がよいです。旅小説です。
沿海部から内陸、はては山岳地帯へと旅をするために、彼はどうやって必要な装備を手に入れるか、どんな人間と行動を共にするか、移動と季節に伴う気候の変化に対してどう対応するか、等々。
私と致しましては、特に密輸業者と旅をするシーンがよろしいですね。
そうそう、そんな感じ、と思わされてしまう。(←輸送される旅人たちが適切な移動を行うために指示されて動く光景が、まさにああいう感じ。別に密輸業者と一緒にいた経験はないが。)
●あとは、今回初登場なのにいきなり馴染んでいるケトルに一票。
こういう頑固で偏屈な老婆はよろしいですな。
ナイトアイズ(※狼)と道化も、相変わらず基本をはずさず良し。
一方、王と王妃は、苦労がたたって、ちょっと性格が暗くなってしまいました・・・それもやむなし。
そして、第1部ではいい感じに爺さんだったシェイド☆ ・・・・・・あんたなにを若返っとるんだ!? ガクリ。 ●続編も翻訳されれば読むでしょう。と言うか翻訳して下さいお願いします。
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2008年5月7日読了。
意外な終わり方でした。そうくるか〜〜〜!って思いました。
ヴェリティがなんか好きだ。あの生真面目で不器用な生き方好きだ〜と思ってたので、ちょっとショック。
でも、最後は彼にとってはやはり解放だったのかなぁとも思う。
かなり読み応えのあるシリーズでした。
久々に出会ったファンタジーの佳作です。
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フィッツが肉体的に痛めつけられることが多かったこれまでの話とはうって変わって、今度は精神的苦痛に耐え続ける旅。この旅の道中が、3部作通して、読むのが一番つらかった。同行者達は苛立ってるしぶつかるし、先は見えないし単調だし。
何故か、人生の真理を語るセリフが多かったような。
時を超えた幻想、不思議な力による「ワープ」、ドラゴン。ファンタジーっぽさが一気に増した。
終わり方は、、、登場人物たちにとって、これはハッピーエンドではない。でも、この話にはベストな終わり方だと思った。