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びっくり館の殺人 みんなのレビュー

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みんなのレビュー88件

みんなの評価3.3

評価内訳

88 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

正当な「館シリーズ」の第八作目

2006/03/28 14:23

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:山野翔 - この投稿者のレビュー一覧を見る

作者綾辻行人が自ら書いたこの本の「あとがき」によると、この本は「『少年少女向け』の皮をかぶりつつも、(中略)シリーズの正当な第八作」なのだそうだ。ファンの方には今更だろうが、綾辻を知らない人のために説明しておくとここでいう「シリーズ」とは、「館シリーズ」のこと。「館シリーズ」とは、彼のデビュー作『十角館の殺人』から始まる不可思議な建築家中村青司の手になる館で起こる殺人事件を題材にしたミステリの連作である。
この『びっくり館』は講談社の「ミステリーランド」(かって子どもだったあなたと少年少女のための)への書き下ろしなので単独で読んでも面白く出来ているが、本来のシリーズは第一作から続けて読んだ方がより興味深く読めるだろう。前作の事件が後作の伏線になっているところが多いから。特に建築家中村青司の生い立ち生育歴・人柄は、作品を続けて読むことによって徐々に明らかにされて行く。
さて、本作であるが少年少女向けということで、全体的に少し大人しい感じがする。彼の作品は本格ミステリとホラー・幻想小説の融合にその魅力があるのだが、大人にとってはこの作品はもっともっと怖くして欲しい所である。まあ、少年少女にはこのぐらいが限界か?あまり怖すぎるのは、惨すぎるのはこの「ミステリーランド」には相応しくないから。
しかし、充分それでも綾辻ティストは発揮されている。摩訶不思議な世界の構築。兵庫県のA・・市とは勿論、芦屋市のこと六麓荘あたりが舞台である。新神戸駅も阪神淡路大震災も出て来る。舞台設定はすこぶる現実的。街の描写も普通である。が、一旦、中村青司がその街に建てた洋館の中へ足を踏み入れると様相は一変する。眩暈が発生する。
その「びっくり館」と呼ばれる洋館に舞い戻って来た主人の老人古屋敷龍平、その孫トシオ、そしてかってこの洋館で起こった殺人事件の被害者で亡くなってしまったトシオの姉梨里香(りりか)の身代わりの腹話術人形リリカ。
妖しげな雰囲気は一気に高まる。そこへ主人公の小6永沢三知也以下、トシオの家庭教師の大学生新名努、そのいとこで三知也の同級生でもある湖山あおいが絡む。
殺人事件は密室殺人。種明かしはミステリの書評として御法度だが、ヒントだけいうと綾辻お得意の叙述トリックである。近頃、使いすぎなような気もするが、本格ミステリにホラーと幻想小説を結び付けようとすると、どうしてもこの方法が必要になってくるのかもしれない。
アガサクリスティー女史の『アクロイド殺し』みたいな感じの種明かしを想像してもらうといい。全く同じというわけではないが。馬鹿にされたような気が最初はするかもしれない。が、再読してみると実にフェアーに読者に挑戦している作者の姿勢が分かる。流石、綾辻!嘘は一切書いていない。ただ、書かなくていいことは敢えて書いていなし、書き方に工夫は存分に凝らしてある。
物語は十年半の時と場所を越え、主人公三知也が犯人と対面するところで終わる。
解決のヒントは、密室の中にあった人形リリカ。七戸優の装画がリリカを描いている。あざやかな黄色いドレス。胸元までの長い金髪。蝶の形をしたエメラルド色の髪飾り。まんまるくて大きな青い目。くちびるの両端からあごにかけて、くっきりと走ったふたすじの黒い線、正確には腹話術人形のカクカクと動く口元の溝。悪魔と呼ばれた梨里香の生き写しの人形。何故、悪魔と梨里香が呼ばれたのかはここでは伏せておこう。
なかなかの佳作。(厳しく採点すると傑作ではないが)
是非、一読をお勧めする。読んで損はない作品。トリックも腹を立てるより、再読してヒントがちりばめられていることに感服してもらいたい。ここまで書いてあるのに気付かなかったのか!と。

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紙の本

ま、ちょっとこわめの児童ミステリで、今回配本の二作はどっちも手ごわいです。おまけに、綾辻の作品は代表作である館シリーズにくみこまれているんですから

2006/04/30 21:55

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

綾辻行人『びっくり館の殺人』(講談社2006)
私が最も楽しみにしているミステリのシリーズといえば、文藝春秋の本格ミステリマスターズと、この子どものためのと銘打たれた講談社のミステリーランドです。同時配本は法月綸太郎『怪盗グリフィン、絶体絶命』で、気になるので巻末の出版予定を見ていたら、既刊マークがたくさん。その一方でリストは増えていない気配。もしかして、これって全集みたいに最初から何巻、って決まっているシリーズなんでしょうか?いい企画なんだから、もっと多くの人に書いて欲しいし、同じ人がもう一本書いてもいいんじゃ?なんて思ったりします。
で、本の構成ですが、三部構成で、第一部 「びっくり館の思い出」「びっくり館の密室」、第二部 「びっくり館の少年」「びっくり館のあやしいうわさ」「びっくり館の腹話術人形」「びっくり館のびっくり箱」「びっくり館の誕生会」「びっくり館縁起」「びっくり館のクリスマス」、第三部 「びっくり館のその後」「びっくり館再訪」、あとがきからできています。
話は、多分後年の永沢三知也でしょうが、彼が鹿谷門美という謎の推理作家の書いた「迷路館の殺人」を古本屋で手にしたことから始ります。その小説に出てきたのが、中村青司という謎の建築家で、彼が手がけた建築では必ず事件が起きています。ネット検索をかけと、中村が手がけた建築の一つに「びっくり館」があることが分るのです。
そして事件の記事も出ていました。1994年12月25日夜、館内で起きた殺人事件で、被害者は古屋敷龍平という71歳になる老主人で、「びっくり館」の持ち主。捜査は難航しているとということで、ここからは難航しているのが当時のことなのか、今もそうなのかまでは分りません。ただ、この古本を手にした人間が事件の当事者であることは分ります。そして舞台は1994年に変ります。
おもな登場人物を巻頭の紹介から整理すれば、まず語り手である永沢三知也がいます。小学校六年生の夏に「びっくり館」で俊生と出会い、友だちになります。古屋敷龍平は「びっくり館」の主人で、美音という女性を養女にしました。彼女が生んだのが俊夫と、姉の梨里香で、既に亡くなっています。でお屋敷でお手伝いをしているのが関谷という女性、おばちゃんです。
で、俊夫は三知也と同い年ですが、体が弱く休みがちなため、学年は一つ下になっています。そんな少年のために祖父が選んだ家庭教師というのが新名努という大学生です。努には湖山あおいという名の従妹がいて、彼女は三知也の同級生だったことから、事件に巻き込まれもします。
ということで、これで主要な登場人物は出揃いました。いや、一体、まだ未紹介の存在があります。それがリリカという名の人形です。そう、今は亡き姉 梨里香と同じ読み方をします。関谷は通いですから兵庫県A**市の、山の手に古くからあるお屋敷町のはずれにある通称「びっくり館」に暮らすのは龍平と俊夫の二人です。
その館で起きた密室殺人事件。あとは読んでもらうしかないでしょう。怪しいムード満点の装画と挿画は七戸優。ちなみに、あとがきによれば、綾辻行人の代表作「館シリーズ」の正式な8作目になるそうです。それらしい風情はありますね。でも、子どもさんにはちょっと手ごわいかも・・・

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2006/03/21 17:09

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2006/03/23 18:53

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2006/03/24 14:59

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2006/05/01 17:44

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2006/06/01 20:00

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2009/12/11 23:27

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2006/09/02 19:19

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