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【あらすじ】
鳥飼春菜はアフリカ最貧国の修道院に赴任した。多数派のフツ族と、少数派だがかつての特権階級のツチ族の対立の中、春菜は日本からは想像もつかないアフリカの現実に晒される。ラジオからは「ゴキブリ(ツチ族)を殺せ!」という檄が連日流れる。やがて微妙なバランスが崩れ、暴力と憎悪が炸裂した。100日で100万人が犠牲になったとも言われる、ルワンダの悲劇をテーマに描く待望の長編。
【感想】
上下巻。評価は総合です。
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曽野綾子さんの作品は すきで よく読んでいたけれど
ルワンダに こんな戦争があったなんて この本を読むまで
知らなかった。
異国でシスターとして生きる道 誰にでもできることではないと
思いながらも もし自分だったらと 考えさせられる内容だった。
ここ最近 連日 読売新聞で 曽野綾子さんアフリカ活動に
関する記事が載っていただけに この作品もとても興味深く読んだ。
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毎日新聞の朝刊に連載されていたのですが自分はその当時は読まず、今になって読んでみました。重い話です。
ルワンダでの大虐殺をどの程度知っているか、と言われるとほとんど何も知らないとしか言いようがありません。大体ルワンダと言う国自体アフリカのどの辺りにあるのか知らなかった位ですから…。いかに人間が残虐になれるのか、と言うより集団ヒステリーと言う名の狂気、なんだと思います。
へえ、こんなことがあったんだ、怖いなあ、で終わる話ではないと思うのです。昔『はだしのゲン』と言う漫画を読んで死ぬほど怖かったのは原爆が落ちたことより、特高警察の取調べによって拷問を受け、処刑されたその描写がものすごく恐ろしかったことを思い出しました。今、平和だからと言って今日がそのまま明日に続いて行く訳ではない恐怖。無駄に今の情勢を恐れることではなく、きちんと情報を耳に入れ、自分なりの考えを持ち、民主主義を、平和を維持していくと言うこと。平和の尊さ。それは今自国が安泰だからと言って明日も明後日も何十年後もそうとは限らない、だから自分たちの手で築いていかなくてはならないのだと思います。今日、明日。そして何十年後かの子供たちが平和に暮らすためにも。
余談ですが鳥飼さんが日本に帰ってきてからは…です。う~ん。ちょっと人が良すぎですよね…あのお方は。
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ルワンダの大虐殺時に当地に居た日本人シスターの物語。非常に凄惨な物語になっている。映画ホテル・ルワンダ+α程度の情報ソースしか当たった事はないが、相当悲惨なモノだったであろう事がうかがえます。最近はルワンダは復興が著しらしいというのが救いかな。
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国際問題に興味があるので読んだが、さほど問題には触れていない。内戦の混乱がよく表されていたし、それを日本ではうまく説明出来ない理由が感じられた。
曽野綾子を初めて読んだが、もっとキリスト教色の強い作品を書くのかと思いきや、そうでもなく、神が存在する上で人間の生き方を描いており、宗教に興味の無い私にも読みやすかった。