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紙の本
ハッピィ・ファミリーへ
2006/06/20 16:52
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nory - この投稿者のレビュー一覧を見る
13歳のるみ子は父親の「しばらく家族をやめる」宣言をきっかけに、ひとりで家を占領してラブホテルにしてしまう。家族がいなくても、家とお金があればいい。家族はほとんど機能してなくて、とくに居心地いいってわけでもない。学校にも積極的に行こうとは思わない。
深く考えたら不幸になるような気がするから考えない。何も期待しなければ、案外幸せのような気もする。家があって、食事ができて、ベッドがあって、ついでにパパとママまで付いていれば、そこはハッピィ・ハウス。
でもやっぱり自分の居場所を探してしまう。
生きているうちに幸せになりたいなと思う。
そんなるみ子に大人は「好きな人をつくって、新しい家をつくれ」という。
今度は自分が親になって同じ問題を新しくつくるだけかもしれないけど、これはかなり有効な手段のような気がする。(おそろしく時間はかかるけれど)
もしかしたらいつか、同じように居場所を探す松田君とふたりで、ハッピィ・ファミリー(ハウスではなく)をつくることになるかもしれない。そしたら本当に幸せになれるんだろうか。
居心地がよさそうで悪い「家族」というものから抜け出すと、人生最大の解放感が得られるのは自分の体験からいっても間違いない。でも、もう守ってくれる繭はなくなる。だから作者はあとがきで『裸足で歩き出しましょう』といっている。『熱砂の中を、裸足で進んでいった無謀なデートリッヒのように』強くなければ自由になれない。
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