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評価内訳

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紙の本

時間と空間。二つの軸でしっかりと紡がれた世界観に圧倒される。

2006/10/24 23:48

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:うっちー - この投稿者のレビュー一覧を見る

 あの「ゲド戦記」のル=グウィンの作だから、当然大きな期待をして読み始めた。それは、裏切られなかった。物語に引き込む力はさすが。あっと言う間に「西のはて」の世界に入ることになった。
 西のはての高地に住む人々の中では、ある血筋に「ギフト」と呼ばれる不思議な力が伝わる。人から意志を奪い思いのままに動かす<手綱>、目には見えないナイフで心臓をも刺すことができる<ナイフ>など、様々な特殊な能力である。主人公の少年オレックの血筋には、<もどし>が、オレックの幼なじみの少女グライには<呼びかけ>の力がある。
 ところが、オレックは、目をー見ることをー封印されている。それは、意志で制御できない「荒ぶるギフト」の持ち主であるから。オレックは、自覚しない自分のギフトを悩み、父の思いと葛藤し、しかし、封印したがゆえに、周りは、その力を敬い畏れた。
 物語の中に、オレックが、父や母から聞いた先祖の物語がいくつも出てきて、さながら、西のはてを一気に何十年も何百年も旅した気持ちになる。作者が、作品の舞台を、時間と空間の二つの軸でしっかり紡ぎだす描写力のすごさをあらためて実感した。
 力を持つ者も持たない者も、それ故に人生の価値が変わるものではない。力には、それゆえの苦しみがあり、得たものと同じものを返さなければならない理になっているのだ。
 物語は、成長したオレックが、自分のことを語るという形式で進むが、こういう物語を読むと、つくづく文中での「物語の力」を語るオレックの言葉に共感する。
 すなわち「死は、自分が物語を終わらせることができると思っている。物語が自分ーつまり死ーの中で終わっても、物語が死とともに終わるのではないことを理解できない。」そして、「ひとつの物語は、その人が死んでも、また別の人の物語の一部になったり、背景になったりする。」そういう意味で、すぐれた物語の価値は計りしれないのだと実感する。この本もまた、そうである。

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紙の本

指輪、ナルニア、ゲド、そういった傑作に伍していくには、やはり世界観、人間観がしっかりしていないとね。それに十二分に応える作品です。完結が待ち遠しい・・・

2006/08/13 23:09

6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

ル=グウィンは『ゲド戦記』だけの作家ではないことは分かっています。むしろ私にとってはSF作家としてのほうが大きな存在です。ただし、そのどちらもが、いわゆる面白いお話ではありません。どちらかというと小難しい。で、私にとって彼女は、既に終っている作家なんですね。だって1929年生まれでしょ。もうじき80歳ですから、創作の泉も枯れているはずなんです。
だから、突然『ゲド戦記』に最終巻や外伝が、最近になって書かれたなんてきくと、ウソ、なんて思うんです。で、この作品だって長らく埋もれていたのを、アニメブームに便乗して出したんだろうな、なんて思うわけですが、これって新作なんです。訳者あとがきによれば、2004年刊行されたものの翻訳。ちなみに第二巻は Voices 、第三巻は Powers となっているそうで、三部作になるとのことです。ちなみに、巻末には第二巻 Voices について
「新たな物語の第二章 ヴォイス 西のはての年代記 Ⅱ
舞台は、〈西のはて〉にある都市国家アンサル。
そこでは、他国の圧政により、
長い間本を持つことが禁じられていた。
少女メマーは、その国で民にお告げを伝える役目を負う。
アーシュラ・K・ル=グウィン
谷垣暁美訳
2007年刊行予定!
The Chronicles of the Western Shore ”Voice”
Ursula K. Le Guin 」と書かれています。
前後してG・P・テイラー『シャドウマンサー』を読んで、あまりの程度の低さに、これって亀田の世界戦並ジャン、辞めろ、やめろ〜!なんて思っていたんですが、もう、『ギフト』には、ただただ圧倒されて、参りました。
カバーの、いかにも中世ヨーロッパで描かれたスケッチといった風情の画は、実は今は亡き有元利夫という日本人画家のもの。装丁・本文組版 松永大剛( BUFFALO.GYM )、すっきりした翻訳は、谷垣暁美。
話は、ぼく、ことオレックが、放浪者のエモンに、自分が14歳のとき、父親によって目を封印された経緯を説明する、それがすべてです。その核にあるのが、高地に住む人々に受け継がれる“たまもの”(ギフト)です。ギフトは今風に言えば超能力です。ただし、個人が受け継ぐものというよりは一族が受け継ぐ、といった感が強いものです。例えば、バーレ一族のギフトは〈呼びかけ〉といいます。オレックのカスプロ一族のそれは指差し見ること対象を破壊・死滅させる〈もどし〉で、オルム一族のものは、視線を向け指さした先に火を生じさせるもので、コーデマント一族は、目を見えなくさせたり、耳を聞こえなくさせたり、しゃべらなくしたりすることが出来ます。この一族のギフトを保つには、一族の中で結婚しなくてはならない、という決まりというか宿命があります。
少年の父カノックは、カスプロマント一族の首長ブランターです。母メル・オーリックはベンドラマンの〈デリスが淵〉で生まれた五人姉妹の四番目。祖父ブランター・カッダードは強すぎる「ギフト」を持つ恐るべき者として、自ら己の目を封印しますが、その力は少年に引き継がれ、彼もまた目を封じられることになります。
少年と相思相愛の同い年のグライですが、母はロッドマンのバーレ一族のブランターで、彼女には〈呼びかけ〉のギフトを受け継いでいます。そしてドラムマントです。ドラム一族とカスプロ一族の間の憎しみが、少年を変えて生きます。
本物のファンタジー、人間とは何かを問いかける、後世に読み継がれるべきものはこういうお話をいう、そういう見本です。が、不満はあります。実は、事態を放置し悲劇を拡大させたのは少年の秘密主義です。父親にすら、恋人のグライにすら語ることを拒んだことが、結局は大切な人を殺します。そこについての慟哭がない。今後の展開との関係が気になります。

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