紙の本
なんていうのかなあ、狙いっていうのは凄くよくわかるんですよ。で、それに相応しいお話なんですけど、読者ってあんたらの手のひらで踊るほどお人よしじゃないぞ、ってね言いたいんです
2006/11/21 20:47
8人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
軽装本で、実に爽やかな印象を与える本です。あえて画素数を落としたような写真の処理が本当にいいかどうかはわかりませんが、少なくとも遠目で見た限り、手にしたいなと思わせます。実際に持ってみると、予想以上に軽くて手触りがよく、本を開いたときの紙の曲がり具合も柔らかで、と造本は文句無し。そんな装幀は、長坂勇司(photo:amana)。
主人公 石井樽人、24歳。母・真知子は18歳で僕を産む。江ノ電の鵠沼駅からほど近い“ミニョン”というケーキ屋。母と祖母のマキさんで経営。父親はプロのサーファー。台風の日に海に出て波に飲み込まれて死亡。母は平川さんと再婚したばかり。で、新婚旅行中。そんなお店に従業員として雇われてきたのが、ホストクラブに勤めていたという久喜夏彦です。
で、樽人がラインから外れて腐っている増子次長と飲んだせいで遅くなった金曜日、彼はマンガ喫茶で一夜を明かすのが習慣になっています。五千円で朝までゆっくりできる、と思っていた彼の耳に飛び込んできたのは、衝立の向こうから聞こえる女性のけたたましいわらい声でした。
そして、まきを夏彦と一緒に病院に連れて行ったとき、彼が救命病棟で見かけたのは、患者に勇気づけるように声をかける看護婦でした。彼女の名前は須山杏。合コンで再び出会うことになった彼女は、彼女の友人に聞くと三年前に恋人を無くして以来、未だに彼のことを思いつづけているというのです。
さてさて、困りました。要するにテレビドラマなんです。ま、それのどこが悪いかっていえば、単純にいえば、じゃ、テレビにしたら?小説で読ませることないじゃん、っていうくらいのことなんですが。でも、作品と言うのが単に内容だけではなく、表現手段をも含めた総合的な表現だとすれば、他のメディアでこそ相応しい作品を他の形で発表するってえのは、ミスじゃないの、って思うんですね。
特に出会いのシーンから、あちゃ、このパターンかよって先が見えちゃう。無論、後半、サプライズは用意されているんですよ。へえ、って思いますけれど、それ以上ではありません。前に一作だけ野島の作品を読んだことがあって、メモが残っているので引用しておきましょう。『スワンレイク』という作品です。発表した書評とはニュアンスが違うかもしれませんが、これはメモからの引用。
「話が、章によって大きく変わる。ただし、全体の印象は、衝撃というよりは、流行のものを取り入れましたという感じ。特に後半のまとめかたには疑問を抱く。宮部みゆきや小杉建治たちほどに、犯罪者と被害者の家族の苦悩への思い入れが感じられない。これは社会に対する、あるいは法というもののあり方に対する主張が無いせいだろう。しかし、それは作者の経歴を見て分かった。TVの脚本を書いてきた人は、野沢尚にも共通するが、テンポと話題の取り入れ方が上手く、映像としての納まりのよさを感じさせるものの、人間の苦悩を掘り下げるという点で、不満を抱かせることが多い。この作品も、それを超えていない。」
今回は犯罪小説ではありませんから、宮部、小杉、犯罪者、被害者といった言葉は不要ですが、でもそれを除けば、この文章はそっくりそのままこの作品に当て嵌まります。印象ですか?なんていうのか、造りだけが爽やかな本であったなあ、と。
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2006/06/28 24ターンまでに赤・青・黄色・緑・黒の5人の刑事を使い君の大切な怪盗を逮捕しろ!恋人が他界したアンズとアンズを好きなタルトの甘い甘いアンズタルトの物語。
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ロマンチックすぎて少し興ざめしながら読んだ。
テレビドラマにありそうな内容。
ベタな展開が続くんだけど、登場人物のキャラクターや
言動の面白さで無理やり盛り上げている感じがした。
最後はほんと、ベッタベタっす。
でも、この主人公みたいに恋に体当たりしてみたいとも思った。ベタなドラマが好きな人にはイイのかも
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告白して、振られて、でも諦めずに思い続けて最後には結ばれるっていう話かな、簡単に言うと。なンかね、うン…こンな風に上手くいかないし、杏みたいな経験なンてしてないと思うけど、いいなって思った。支えてくれる人がいることって大切!特につらい経験をしてきた人にとっては。うちもそンな人になりたい。
抜粋――
[「もしかしたら愛とは、命の灯火が消えてからじゃないと分からないのかもしれない。花火のように、消えた後、そっと暗闇の中でしか」
「僕らが日ごろ愛と呼んでるのは、全て恋でしかないのかもしれない?」]
[「今、幸せでも、いつ不幸が訪れるか分からない。だからみんな、会いたい時には会っておこう。思い残す事なく好きだと言おう。永遠なんて信じちゃダメさ。物語に騙されないで。後悔しないように、今、大好きだと伝えよう。いつ離れても、互いの幸福を祈れるように。恋人は、やがて消えても、君の幸せを望んでいる。本当に好きだったなら、誰よりも相手の幸福を喜んでくれる。だから、失って、辛くても、悲しくても、頑張って、前を向こう。そこにとどまらず、リアルな新しい恋をしよう。許してくれるどころか、喜んでくれるさ。君が大好きだから。互いが幸福になる、あらゆる事を喜び合う。だから今、言おう、聞こえるウチに言おう。私も大好きだ。みんな一緒に、はい、僕も大好きだ。私も大好きだ。」]
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「君の苦しみの全てが、僕の苦しみなんだ」
「君の悲しみの全ては、僕の悲しみ」
「君の寂しさの全ては、僕の寂しさ」
「そして、君の喜びの全てが僕の喜びになる」
自分の好きな人が、誰か違う人と幸せになることを
私は本気で望めないなと思った。
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ドラマの脚本で有名な野島伸司さんの作です。
ちょっと切ないストーリーがこの季節にぴったりかも。さっくり読める一冊です。
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野島伸司の恋愛小説。なんだか先のよめてしまう感じだけど、飽きずに読めました(^^)
人を想う気持ち、愛について考えさせられる物語。いい話なんでおすすめです。
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野島伸司といえば。。聖者の行進にひとつ屋根の下。。あと未成年か、結構好きな作家さん。最近の小説みたいで、かなりベタな恋愛小説かな。なんかほんわりするし、かなり純愛って感じ出し、結末もハッピーエンドだし、ストレス無くキレイな気持ちで読めた本。
大好きな彼をなくした女の子を好きになっちゃう男の話で、オチになるけど、あるときに自分の祖母の店に住み込みで働きに来た夏彦ってひとと超仲良くなって、徐々に恋の相談とかしてくんだけど、なんと夏彦は死んじゃった彼なんだよねー。失った人をずっと思い続ける彼女と、その気持ちを理解しきっているからこそ付き合うtyて事に踏み切れない彼。。めっちゃ切ない!でもこんな大きな恋、できたら、ステキ。本の中の世界じゃないと信じてみたいと思った。
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これは作者買い。確実に野島伸司買いです。ストーリーはそんなには入り込めなかったかな。なんか、フアフアした感じでした。けど、所々のコメントには「流石野島ちゃんや。」と思える部分も。キラリってのは所々に散りばめられてます。
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可愛いな、すごく可愛いお話。クッキーにやられた。映像化したらいい。幽霊も登場するけど「え?君、幽霊なの?ふーん」くらい。心地よい。
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「未来永劫に続くスピリッツじゃないか。別れても、離れても、死が引き裂いても、相手の幸福を祈る。そこには嫉妬も執着も束縛も、苦しみも悲しみも、まして憎しみなど、微塵もない」
「・・・」
「ねえタルト、肉体とは別に、心は、そこへの進化を目指している」(引用)
爽やかでちょっと謎な一冊。最後のどんでん返しに涙。
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タルトとクッキーの会話のやりとりが気に入ってます。
個人的に渚カヲルとクッキーのキャラクターが似ている気がしてなりません
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【主人公は24日間で
彼女を恋人にできるのか...】
何年後かにもう1回最初から最後まで読みたくなる本。読みやすいけれど決して軽い内容ではない。ありがちな恋愛小説でもない。読み終わったらすっきりするよ(∀b
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これは面白かったなあ。気障な台詞も野島らしくてよい。野島節炸裂ですよ。終盤は、ミスドで読みながらまさかの号泣。
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君の苦しみの全てが、僕の苦しみなんだ。君の悲しみの全ては、僕の悲しみ。君の寂しさの全ては、僕の寂しさ。そして、君の喜びの全てが、僕の喜びになる。ドラマ作りの名手が描いた、優しい優しいラブファンタジー。