紙の本
フロイトを読む限り、きっとある程度本当のことが描いてあるのだとは思います
2006/09/04 23:28
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みなとかずあき - この投稿者のレビュー一覧を見る
2002年に刊行された『現代思想の遭難者たち』に「現代思想の二重遭難者たち」30ページを追加した『増補版』です。ページが追加されていますが、装丁はハードカバーからソフトカバーになって、定価もやや下がっています。ソフトカバーになったことを除けば、お徳と言えばお徳ですが。
まあそんなことはどうでもよく、肝心なのは中身です。ですが、これはどうとも言いようがないですね。
まず、現代思想がわかりません。かろうじて名前を知っている思想家たちが何人かいる程度で、とても全部は知らないし、ましてやその思想もわかりません。
それでも楽しんでしまうのは、本当かどうかは別としてこんな思想家たちがいるのかもしれない、彼らの言っていることはこんなていどかもしれないと思わせてくれるからです。そう、出てくるキャラクターはともかくも、4コマ(または数コマ)マンガとして十分成立しているというところが大したものだと思います。
そこに勿体をつけたような注釈が付けられているというのがまた、この本の面白さになっているように思います。何だか、ギャグにいちいち解説をつけているみたいで、それがちょっとピントがずれているみたいに思えてしまうのですから。
と言うわけで、本当かどうか別として、私にとってはこれが現代思想の教科書になってしまうのです。
投稿元:
レビューを見る
マンガとはいえ、文字が膨大。予備知識がある程度ないど、文字の羅列にしか見えない。(解説はついているけど)でも、おもしろい。
投稿元:
レビューを見る
きっと笑いのエッセンス満載なのですが、如何せん現代思想に関する知識が皆無。
風刺は元ネタとされる事象への造詣がないと理解できんですよね・・・。
5年後にはこれが理解できるような知識を持っていたいな。
投稿元:
レビューを見る
もちろん、これだけ読んで満足なんてとんでもないことは確か。でも、あるテーマをガチガチに掘り下げる傾向の強い現代の思想潮流にあって、そのビッグネームをひととおり把握するきっかけとしては悪くない。今後行き詰ったらこの本をぼーっと眺めて、新たな突破口を見つけられるかも。
投稿元:
レビューを見る
いしいひさいちによる4コマと、注目すべき思想家(哲学者)の解説のドッキング。「哲学とか敷居高いし……」と思っている人にとってはなかなか気軽に手に取りやすい、良い試みだったと思う。
ただ、内容が簡単か?というと全然そんなこともないので、あくまできっかけ程度くらいに考えたほうが良いかもしれない。というのも、1頁に4コマと解説がたっぷり入っているので、情報量が多く、よほど精通していない限り初読時は結構つらい。1回読んで満足する本というより、漫画がついているからこそ何回も読み直したい(読み直せる)、そんな本になっていると思う。
投稿元:
レビューを見る
ハイデガーからエーコまで、現代思想の34人をとりあげたパロディ4コマ。ちろっとでもなめた(かじったまでいかぬ)人はより楽しく、知らない人でもそれなりに、楽しめるのがおそろしい。
さいしょに1pで思想家のプロフィールと思想のまとめ、ほとんどの作品にはワキに解説あり。ただ人物をネタにしてるだけじゃなく、実在の事件、論争まで取り込んだネタの数々。もはや似顔絵をこえて、人格がにじみ出ているようなキャラクター造形(フッサールとフロイトの違いはメガネの形しかないような気もするが)。とくに好きなのはニーチェとマルクス。あいかわらずワカンネのがレヴィナス。いちばん笑ったのがポパーとウィトゲンシュタインのからみ。
投稿元:
レビューを見る
えー同じく講談社が『現代思想の冒険者たち』というシリーズを出してまして。ナゼカ我が家にも転がってるワケです。で、いきなり『ラカン』なんぞを読み始めてさっそく遭難して、すがりついたのがこの、いしいひさいちのマンガ。
ハイデガーやマルクスからエーコまで、現代の思想家を軒並みオチョクリ倒してついでにざっくばらんに解説しちゃったりなんかして。とりあえず現代思想の入門の一歩前というくらいには実用的かも知れませぬ。ああもちろん、いしいひさいちで笑いたいというかたにはゼヒ御贈答用にもどうぞ。
投稿元:
レビューを見る
いしいひさいち勉強してるなあ。
四こまの隣の注および哲学的思考への慣れがないと分からないかも。
まさに現代思想そのものが自ら遭難を選んでいるのではないかと(笑)
投稿元:
レビューを見る
これは驚くべき本だ。
これまで、哲学とか、現代思想みたいなものは、なんとなく興味をもった本をランダムに読んできた。解説書もあまり読まずに、できるだけ原典(当然翻訳もの)から読むようにしてきた。
というところで、本屋の現代思想のコーナーで、この本を見つけたので、気晴らしに読んでみた。
が、実に深い。
哲学者の主張のポイントと哲学者の間の類似と相違点が実によく分かる。これまでほとんど興味の無かった人が、実は自分の関心に近い所にいたんだと発見したり。違う思想だと思っていたのが、結構、似ているところがあったり。「現代思想」に共通する問題意識に気付いたり。
いわゆる「マンガで分かる哲学」みたいな本を遥かに超えている。いしいさんの頭のなかって、一体、どうなってんの?
難点は、字が小さい事。手書きの字なので、老眼が進む私には、一段と読みにくい。
そういえば、サルトルとか、それにつながる実存主義系の哲学者はでてきませんね。マルクスやフロイト、ニーチェはいまだに現代思想だが、実存主義はもはや現代思想ではないということか。