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紙の本
ちょっと厳しい採点だということは、よーく分かっているんです。でもね、読み終わったあとメモを見ないと思い出せないような話ばかりだと、これって私だけの問題じゃないよね、って思うんです
2006/09/13 19:41
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
実家から本を移動させている最中ですが、現在は文庫が対象。結婚前は、毎月出る新潮文庫、全部買っていたんだ、と妙な感心。で、そのなかでも量的に多いのが、池波正太郎と佐野洋、それから島田荘司、そして阿刀田高。単行本となると半村良や筒井康隆先生が多いのですが、文庫となると逆転しているようです。ま、文庫が似合う作家というか・・・
でも、結婚してからは阿刀田を読むことは減りました。数年に一冊読むか読まないか。で、久しぶりの阿刀田です。緑色が印象的な線描のカバー、ちょっと立派で、オーソドックスな本の作り。装幀・挿画は文殊四郎義傳とあります。もしかして未知との遭遇?ファーストコンタクトだったりして。カバーより各話の扉の画のほうが好きだけれど・・・
初出ですが、『毎日新聞』日曜版2005.4.3〜2006.3.26まで50回にわたり連載もので12のお話が入っています。ていうことは、一月で一話が完結するスタイルだったんでしょう。とりあえず、12話全部をさらっと紹介。
独りぼっち :太くて短い人生、細くて長い人生。急で短い坂と、緩やかで長い坂、あなたの選ぶのは
爪のあと :昔、なぜか別れた女性と再び出会って
あつもり草 :好きだと言えなかった相手が入院して
つり天井 :私をいいように利用してきた夫が見つけてきたマンションは
鯉づくし :広島に行くと聞いた知人が、秘境を案内すると言い出して
ルビコンという酒場:月に一回出かけるさきで見つけた一軒の酒場、そこで出会ったのは
生まれ変わり :画家でいようか、デザインの道を歩もうか、迷うわたしは
黄色い小びん :殺したくて仕方がない男の前に現れたのは:
恋の行方 :母親は、不倫相手が離婚をしても相手と結婚しようとはしない
生き方の研究 :クラスで一番の美女と結婚したのは、模試で日本一を取ったこともある同級生
滑る女 :好きだ、と言わなくても心が通じた、と思った相手は
あやかしの町 :妻は恐怖譚の朗読が出来なくなって
いかにも阿刀田らしい話ばかりです。起承転結がはっきりしているけれど、それを鮮やかに見せる、というよりはサラリと読ませます。印象としては、しっとり和風。なんていうか、淡々と人生を見つめちゃうっていう風情。ああ、だから最近読まなくなったんだな、そう思います。今時流行しているお話は、殆どがギラついています。愛憎が前面に出ています。
それに比べれば、いかにも微温的。角田光代や三浦しをん、というよりは川上弘美。勿論、心は休まります。でも、この作品集はタイトル意外は記憶に残りません。ある意味で甘めの演歌。ど、がつく演歌を歌いたくはない、その結果として聞いている時だけ耳あたりがよくて、すっと聴いてしまう。悪く言えば聞き流される。何も阿刀田だけのことではないかもしれません。この世界は難しい。
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