投稿元:
レビューを見る
実は表紙とタイトル(シャルビュークって名前がもう素敵)にジャケ買いだったのですが、結構アタリでありました。面白かった。
幻想かと思いきやミステリー。でもやっぱり妖しくてエロティック。
個人的には、まさかそんなことはと思ったことが、ということがわりとその通りになって、荒唐無稽でありながらいろんな意味で気持ちいい、まとまった話でありました(何様か)。
原文でも読みたい。と思わせる一品でした。
しかしこれ読んで思ったのですが、私翻訳された日本語がわりと好きです。
投稿元:
レビューを見る
あまり翻訳物の小説を読まないのですが、美しい装幀につられ読みました。面白かったです。
魔術や狂気、幻想といった言葉がまだ残る19世紀末のニューヨークが舞台。屏風越しに語りかけてくる夫人の話から肖像画を描くという依頼を請け負った画家に降り掛る狂気を描いていきます。
屏風の向こうの夫人はどんな人物なのか、どんな過去を持つ人物なのか。それを追いながら物語がまわります。主人公が混沌の中に引き込まれていくように、読んでいる自分もぐいぐいと物語の中に引き込まれていきます。物語に力があります。
そしてフィナーレへ。謎の霧は晴れて行くのですが、ご都合主義でもなく、時代が持つちょっとした狂気を残したまま物語は終わります。そのエンディングもとても好ましく感じました。
シャーロックホームズのドラマのような香りを醸し出すような作品でした。
投稿元:
レビューを見る
19世紀末のニューヨークを舞台に、肖像画家として成功した男の巻き込まれた奇妙な事件と画家としての転機を描きます。シャルビューク夫人からの肖像の依頼は、屏風の陰にいて決して姿を見せない夫人の話だけを聞いて彼女の絵を描き、出来上がって似ていれば約束以上の高額を払うというもの。夫人の不思議な半生の語りには画家ならずとも魅せられます。時代色も出ていて面白かったです。
投稿元:
レビューを見る
3月あたりにFM YOKOHAMAで紹介されててすんごーく気になってしまって地元の図書館になかったから逗子市からとりよせてもらったの☆
不思議な世界にどんどん虜にされちゃってよめちゃう作品だったよ:)だけど期日に間に合いそうになくてさらっとしか読めなくて理解できんかった部分も多々・・・シャルビューク夫人はいったい何者なのでしょう??だけど双子の結晶とか素敵なものがいっぱいでてきてわくわくした−−−☆
投稿元:
レビューを見る
短い章の連続で、舞台なら場面展開がすべて暗転のような感じ。読み始めは集中力が切れてしまって嫌だったけれど、後半は関係なく物語が進んでいく。
幻想小説なのかミステリーなのか。カテゴリーに分けること自体、無意味だけれど、どちらにしても読み足りない。
シャルビューク婦人が子供のころの突拍子もない話は、もっと聞きたい。
投稿元:
レビューを見る
北村ハニーがBOOKS A to Zで紹介していた本。
長編なので飛ばし飛ばし読んでしまいましたが、読み応えがあっておもしろかったです。
展開が気になってしょうがない。
最後に明かされる真実が恐ろしいです。
投稿元:
レビューを見る
●朝日だか日経だかの書評で、たいへんよさげな小説でございと紹介されていたのでレンタルしてみたの巻。
確かにあらすじを見ると、面白そうだと思ったわけだ。こんなの。⇒
●19世紀のNY。
それなりに人気はあるが、金のために絵を描くことに行きづまりを感じていた肖像画家は、とある晩、不意に盲いた老人に呼び止められ、ある女性の肖像画を依頼される。
大金を詰まれる代わりに、その肖像画には、条件がひとつあった。
「描かれる女性本人の姿を見ることなく、彼女の語る話だけを聞いて描くこと。」
主人公は、とまどいを感じながらも、今の状況に突破口を開くことになるかもしれないと言う希望を抱いて、その依頼を引き受ける。
しかし、それと同時に、彼の周辺に不可解な事件が起こり始める。
●・・・・・・・・・・・・・私、あらすじを要約するセンスが心底ございませんね。
ともかく、面白そうだと思ったのは事実。
肖像画がテーマなだけあって、視覚に訴えかける要素も、みっちり描きこまれてるし、“何が真で何が虚なのか”、始終疑いながら読むと言う遊びも出来るし、まあ、よいんではないかと思ったんだけど、ちょっとオチが。
え、そっちかあ・・・・・・ちょっとがくう。
なんて言うか、プリーストの『奇術師』とかサラ・ウォーターズの作品を連想しました。
や、あのあたりほど(精神的に)ヒドくはないけど、雰囲気が。
もっと、冷静かつロジカルに解いてもらってもよかったんですが、そこは好き好きでしょうな。←それを言ったらおしまいや。
・・・・・・・・・・それにしても訳者さん。自分が訳した作家に対して、「失笑、苦笑を禁じえない滑稽味を帯びたその独特の文体」って。そんなに訳しててつまらんかったのか・・・・がくう・・・・・。追記:先日、『美の巨人たち』でこの小説の表紙に使われている画(※サージェントの『マダムX』)にまつわるお話をやっておりました。たいへん面白かったです。そっちには★四つ。
投稿元:
レビューを見る
19世紀末のニューヨーク。肖像画家のピアンボに突然声をかけてきたのは、
両目が白濁した盲目の男。シャルビューク夫人の使いと称し、法外な報酬を
口にして、肖像画の製作を依頼してきた。ただし、屏風の向こうで夫人が語る
過去の話とその声だけで、姿かたちを推測しなければならない、という奇妙な
条件付きで。
謎の霊薬、人糞占い師。血の涙を流しては死に至る奇病の流行夫人の荒唐
無稽な語りを聞くようになってからというもの、ピアンボの周辺でも不可思議
な事が次々と起こるようになり……。
投稿元:
レビューを見る
新聞の書評欄に載っていて、面白そうだったのでつい買ってしまった。19世紀末NYという、好みの舞台で展開されるミステリアスな物語。ハラハラワクワクで頁をめくった。…しかしっ! このオチがなぁ〜。めっちゃ、ありがちというか、ありそうというか、どうしてこの展開に気付かなかったかなぁと歯がみしたくなるほど。も少し捻ってほしかった。でもこの作家の別の作品が読みたくなった。(2006-10-19)
投稿元:
レビューを見る
面白かった!
この本読んで、だいぶ私の好きな本の傾向が分かったかも。
中盤辺りは不思議な感じの煙に巻くような感じ(先が読めないというか何と言うか)ながらも、
すっきりとラストへ導かれる感じ……って書いてて思うけどだいぶ意味不明だなぁ(汗)
シャルビューク夫人がすごく魅力的。ジェフリー・フォードの他の作品も読みたいなぁ…
投稿元:
レビューを見る
本人の姿を見ずにそっくりの肖像画を描いて欲しい。そんなミステリアスな依頼から始まるこのお話。大変面白かったです。
最後の最後まで、ドキドキしながら読みました。
投稿元:
レビューを見る
顔を見せないシャルビューク夫人の肖像画を描くハメになった画家ビアンポ。
なんかおどろおどろしい雰囲気が◎。
雪の結晶の標本をとるところがきれい。
投稿元:
レビューを見る
主人公と一緒に謎のラビリンスに迷い込むということは、本を読んでいるとよくあることだが、できることならその迷宮を長く長く彷徨い続けていたいと感じることができる作品は多くない。
肖像画を描くことを生業とし、舞台女優を恋人に持つピアンボに、目の白濁した男が商売の話をもちかける。
高額な報酬を提示され、ピアンボは、盲目の男の主人の住む屋敷を訪れる。
屋敷の主人は、シャルビューク夫人と言い、優雅な抑揚の声を持つ女性だが、ピアンボの前には姿を現さず、屏風の後ろに座っている。
シャルビューク夫人の、依頼の内容は、モデルを見ずに肖像を描くという神業のようなことをやり、その絵がそっくりに描けていれば提示した額の倍額を支払うというのだ。
過去の話や、容姿以外の質問されたことにはすべて答え、声、ドレスの衣擦れの音、気配、そして彼女の話。それらから受けるイマジネーションで、ピアンボは絵を描いてゆく。
シャルビューク夫人の幼いころの話は、アラビアン・ナイト風の不思議な話だが、
屏風越しにその話を聞くピアンポと同じように、読者もその話にぐいぐい引き込まれてしまう。
屏風越しに容姿のしらない女の肖像を描く。それだけで十分なのに、著者のジェフリー・フォードは、さまざまな小道具や人間を用意する。
雪の結晶、父親、母親、ペンダント、友達、恋人、師匠、憧憬の画家、猿の手、血の涙、糞便占い、ニューヨーク、ロンドン、カルタゴの涙、カメオ、
数多くのキーワードをふんだんに登場させるが、それらが、巧妙に絡み合い、幻想的な雰囲気も漂わせながら、サスペンスのプロットもしっかりしている。
ディテールの描写も丹念で、ラストは少々走り気味だが、非常に面白い作品である。
投稿元:
レビューを見る
ジェフリー・フォードは本当に見事なストーリーテラーだと思う。
次から次へと展開する物語が、飽きさせない。
☆が3つなのは、この作家の作品を読んだのが5作目で、この人の手法に慣れてきたから。(発表作品順ではない)
これを最初に読んでいたら、4つつけていたはず。
投稿元:
レビューを見る
1/14 読了。
19世紀アメリカという舞台を存分に生かし、魔術と似非科学、進化論および怪物学がごった煮になった、それこそ阿片の幻覚のように(知らないけど!)めくるめくサイコミステリー。シャルビューク夫人は『白い果実』のアーラと対になったキャラクターだと言えるだろう。フォードの作品はどれも根底にフェミニズム的なテーマを潜ませている。