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系統樹思考の世界 すべてはツリーとともに みんなのレビュー

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みんなのレビュー27件

みんなの評価3.9

評価内訳

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  • 星 1 (0件)
24 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

系統樹の木の下で

2006/09/03 18:43

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:オリオン - この投稿者のレビュー一覧を見る

 実によくできた書物だった。すべての頁をいろどる活字と図版と空白、それらを縁どる夥しい引用(この引用の的確さ、技と趣向の鮮やかさは本書の最大の読み所のひとつである)まで含め、細心かつ大胆な三中ワールドがひろがっていく。
 まず、それ自体として読むに値する詳細な目次が素晴らしい。そこに鏤められた「正しい名前」をつないでいくだけで本書の骨格が炙り出されていく。たとえば「歴史」としての、「言葉」としての、「推論」としての、そして「説明」や「仮説」、「モデル」としての系統樹、等々。
 巻末に目をやると、本書「に」学び、かつ本書「で」学ぶための導きの糸となる懇切な文献リスト(ダーウィンの「読書ノート」に拮抗しうるミニ書評集!)がついている。工夫のあとがうかがえる丁寧な索引がついている。これらの書物や項目の関係をうまく図示していけば、本書の見取り図を示すツリー、いや本書を起点もしくは基点とする無尽蔵の刺激に満ちた知のネットワークを設えることができる。
 なによりも、本文の練り上げられた構成と叙述のスタイルが素晴らしい。読み手の側の事情を忖度し、著者はときに自らの来歴を語り、身辺雑記を織り交ぜつつ、ひとつの概念が読者の脳髄のうちに沈澱していく時間を正確に測定しながら、ネットで鍛えられた健筆をふるっている。二つのエピソードからなるインテルメッツォをはさんで、同じ話題が反復、進化、深化されていく。書物もまたそれを読む時間を通じて生成し進化することを、読者はそれこそ身をもって、息継ぎと深呼吸を繰り返し、ときに息をのみながら体得していく。
《経験科学としての「歴史の復権」──それは、歴史は実践可能な科学であるという基本認識にほかなりません。そして、その実践を支えているのは系統樹思考であり、一般化された進化学・系統学の手法です。
 進化生物学はダーウィン以来の一世紀半に及ぶ道のりの末に、人間を含むすべての生物を視野に入れるヴィジョンをもつにいたりました。それは同時に、関連諸学問をこれまで隔ててきた「壁」をつきくずす古因学を現代に甦らせ、さらには、科学哲学と科学方法論の再検討を通じて歴史の意味そのものをわれわれに問い直させました。これこそが「万能酸」(ダニエル・デネット)としての進化思想が諸学問にもたらした衝撃だったのです。》
 ──世界は一冊の書物である。この書物はある図形言語で書かれている。その言語の名を系統樹という。世界は系統樹思考(進化的思考)に基づく推論(アブダクション)を行っている。推論の結果、世界は生成進化する「もの」と「こと」で満ち溢れる。その「もの」や「こと」のうちに系統樹は入れ子式に挿入されているが、その「こと」を知る「もの」はいない。あるとき、世界のなかの一存在者であるヒトの脳髄のうちに世界が折り重なり、歴史が復元される。そのとき、世界は自らを知る。
 この世界は「分岐」だけではなく、「分岐と融合」からなる高次の構造をもつ。系統樹すなわち分岐による階層構造のツリーから、分岐と融合による非階層的な系統ネットワークへ、さらには「系統スーパーネットワーク」へ。この第4章の最終節における「高次系統樹」をめぐる議論は、人間の「思議」を超えた世界の実相へと迫っていく。そこにおいて、局所は全域と一致し、未来と過去が連続するだろう。

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紙の本

楽しくて為になる,万人にお勧めしたい……って本ではちとないけれども

2008/04/19 06:20

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:SnakeHole - この投稿者のレビュー一覧を見る

 さて皆さんは「科学が科学であるために必要な5つの基準」ってご存知だろうか。いわく,

(1)観察可能であること。
(2)実験可能であること。
(3)反復可能であること。
(4)予測可能であること。
(5)一般化可能であること……。

 そらそうだ,と思いました? そう思っちゃうと,歴史学とかは「科学ぢゃない」し,突き詰めるとダーウィンの進化論も「科学的ぢゃない」つうことになるんですよ奥さん(奥さんって誰?)。

 もともとはバイオメトリクス(……横文字ぢゃなんだかよくわかんない? 漢字で書くと生物測定学,やっぱりわかんないか。まぁご安心を,オレもです)の研究者であった著者は,そのあたりから筆を起こし「進化生物学が科学ぢゃないなんて,そりゃ基準の方が間違っとるよ」とばかりにちゃぶ台返しを敢行,演繹と帰納という古典的な2つの推論スタイルに対し,エリオット・ソーバーが1996年に提唱したアブダクションという「第3の推論スタイル」を導入する。「より良い系統樹を探索する」ことも科学足り得ると……。

 はぁはぁ,実を言うとここまででやっとこの本の内容の半分くらいなのね。あとがきにちょっと言い訳があるけど,確かに「詰め込みすぎ」ってとこはあろう。が,その「ぎゅうぎゅうに詰め込まれている」のが本書の魅力でもあるんだよね。Timesフォント歴史から生物体系学論争,オッカムの剃刀に新世紀エヴァンゲリオンまで出てくる,楽しくて為になる,万人にお勧めしたい……って本ではちとないけれども。

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2006/08/28 09:04

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2012/04/30 22:28

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2014/03/30 00:11

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