紙の本
世界は変わる
2007/05/11 22:37
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nanako17girls - この投稿者のレビュー一覧を見る
「サンボマスター」というバンド・ヒストリーが本書です。ファンは必読です。ファンでない方も必読です。なぜなら本書には「なんだか得体の知れないパワーの源」があるからです。かれらのヒストリーはルサンチマンに満ちています。そのルサンチマンが爆発しています。ぼくがかれらを知ったのは年に一度の奥田民生がMCをする音楽番組で、vocalの山口がとんでもない奥田マニアぶりを披露して、周りが引いているのをみて、「なんなんだこいつは」と思ったからです。そこからかれらのCDを聴いてみてあらためて衝撃をうけました。
その衝撃を言葉で表すのはとても難しい。そもそも音楽批評をやろうというつもりもないし、たいがいの音楽批評は退屈なものだからです。「読む前に聴け!」と思ってしまうからです。感情がブワ〜〜っとする感覚は言葉で表現するのは困難です。だから、まずかれらの音楽を聴くことをオススメします。そうするとこいつらに対して知りたくなります。この「得体のしれないものに」
世の中に退屈している人、何かあたらしものに出会いたい人、何かを変えたいと思っている人、くすぶったまま家から一歩も出ない人、日常の生活にウンザリしてる人、世の中に絶望してる人、まったりとした日々になんとなく疑問を感じてる人、そんなひとに読んでもらいたいです。
ロックンロールですが、かれらは決してカッコよくない。ルックスも、キャラクターもイケてない。でも、めちゃめちゃカッコいい。それはかれらの音楽が「あたらしいものに満ち溢れているから」だと思います。
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サンボマスターというのはどう見てもかっこうわるいが格好いい。特に音楽をやらせたら抜群に格好いい。音楽で格好良くて外見も格好いいなら駄目かも知れない。本物を得るために何かを手放したという感覚が物事をリアルに見せてしまうということだ。だからサンボマスターはリアルだ。戯言を言ってもリアルだ。本当にそう信じていると思えるから。この本はそのサンボマスターの三人を個別にインタビューし、まとめてインタビューし、キーワードを投げかけてインタビューした、5段構えのインタビュー本である。ときに話はリンクし、時に別の面を見せる。サンボマスターが生き物としてどう生まれてどういう性質を持っているのかが浮き彫りになっている。熱くて馬鹿で真剣で運命的な奇跡のバンドだということが分かってしまう。価値観がロックだ。否定よりも肯定が多い。駄目なものも否定しない。ロックだ。たぶんこういうのがロックなんだ。自分なりに反抗すべき体制を見つけたとき、人はロックになるんだ。借り物の反体制はロックではない。あぁ、とにかく馬鹿なのだ。これを愛さなければ僕の過去は全否定されなければいけないような気がするのだ。サンボマスターは、少なくとも僕の中の世界は変えてしまったのだ。
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出会うべくして出会った。
そんな三人の勢いと人生がつまった本。
結成するまでみんなは本当にくそ。
何もない人生から、ひとたびスイッチがはいればどれだけ変われるか。
そんな熱い気持ちをくれる本。
世間の誤解と自分達の価値観。
成功している時にこそ自らの一足一足を振り返り確認する事の重要性。
彼らは世界を変えるために歌っている。
そして、それはこちらが気付こうとしなければ気づけない。
改めて、感性が試される。
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ライブDVD(初期のライブ映像集)を見ながら読み返す。「夜汽車でやってきたアイツ」「そのぬくもりに用がある」やっぱり最高。
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2020年9月8日読了。3rdアルバム発表後のサンボマスターの3人各自への長文インタビューと、全員まとめての対談を収録。デビューから「なんだコイツらは!?」と注目されフジロックもルーキーからグリーンまで駆け上がっていった様は記憶に新しいところ、Vo.G山口の熱さあってのワンマンバンド、という見え方もあるが、「サンボマスター」の熱さ・音楽性・情けなさ・真面目さを体現しているのはこの3人のコンビネーションなのだな、というインタビュアーの主張がよく理解できた。同じ音楽サークルにいた3人が初めて一緒に音を鳴らしたとき、「すごいことが起きたぞ」と3人共が確信した、というのはうらやましいエピソードだなあ…。3ピースバンドならではの一体感、というのはあるよな。しかし大学生が、パチスロでそんなに稼げるもんなのかね。