紙の本
中国の未来=目にしたくないものを見てしまった
2006/08/05 14:59
12人中、11人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:塩津計 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ジョージ秋山の駄作「マンガ中国入門」よりは、ずっとマシな仕上がりとなっている。冒頭、中国全土で農民の暴動が始まり、暴徒に核兵器を乗っ取られることを恐れたコキントウ似の中国国家主席が核ミサイルで暴徒を吹き飛ばすところから始まる。当然、中国の人民元、株価は大暴落し、中国から外資は雪崩を打って逃げ始める。やっかいというか悩ましいのは、このマンガに書いてあることが全部本当のことだということだ。垂れ流される工場廃水。全土に広がる公害、土壌汚染。しかも住民運動は全部鎮圧されてしまうので公害反対運動は全然起きない。大量に産出される家畜の奇形児。農作物に振りかけられる農薬は成分が強すぎて薬ではなくて毒だという悲しい実態。極端な貧富の格差はアメリカ以上。公然とまかり通る中国共産党員の汚職。これじゃあ、普通の神経なら暴動を起こしたくなるわね。希望の持てない絶望の大地=中国から大量のエクソダスが始まるのか。満員の長距離電車はスシヅメ状態で身動きがとれないので大人はみんな紙おむつを装着して乗り込み、用が済んだらウンコつきのオムツを丸めて窓から投げ捨てるのが中国の電車の乗り方だとは恐れ入った。まさに「え?クソ出す?」ということですな。おあとがよろしいようで。
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歴史を通して中国という国の国民性、感情、本当の怖さを説く。
国を見るときは、表面上の動き、ニュースにとらわれずで判断する必要があると思う。
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・8/19 昨夜から一気に読了.漫画だしね.中国に関するマンガ入門シリーズの2冊目だけど、結構知ってることが多かった.それなりに他で知識を蓄えてるからだろう.大地の咆哮でも読んだからかも.本当にこれからどうなることか.
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中国の国家としての脆弱性を露わにすることを試みた意欲作。
感想
「ホンマでっか」、と度々思わされる内容です。
本書の出版に関わった人達の身の安全が
心配になってしまうくらいです。
ネタ元が明らかになっていないので
信憑性は疑しいものがありますが、
(そもそも中国は一次情報獲得が困難なので仕方がありませんが)
報道されない中国の現状を想像するのには
大きな示唆が得られる本だと感じました。
ジャスミン革命が中国にも一部波及したように、
党・政府に対する国民の不信感が強まっているのは事実のようです。
また、劉暁波氏がノーベル平和賞受賞したものの、
中国はそれを認めなかったのは記憶に新しいところであり、
党・政府はネット世論や人権活動家に神経質になっている様子が伺えます。
90周年を迎えた中国共産党は、
今後どうなるのでしょうか。
最近は国内では震災と管政権のゴタゴタ、
国外ではギリシャの信用問題で隠れてしまっていますが、
近い将来の大きなリスクとして、
北朝鮮の動向とともに注目すべきと感じました。
私的メモっ得ポイント
・中国共産党の党員数は7000万人
(中国の人口は13億人なので、割合はわずか5.4%)
・「中華思想」の土台の上に、
「儒教」と「共産主義」が加わり、現在の特異な国家が形成された
・中国崩壊のシナリオ
1.中国共産党の改革派や軍部のクーデター
2.農民が現体制に反乱を起こす
3.海外の中国人の蜂起
★★★= 60点以上 = I like it.
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中国崩壊のシナリオは荒唐無稽というほどでもなく、それなりの説得力はある。儒教と共産主義(救済なき無神論と宗教否定)のマッチングによる近代中国の成立過程やその土台となる中華思想には殆ど知識がなかったのでその辺は参考になった。7年前の本だが基本的な状況は変わってないように思う(311で日本の原発政策が変更された事を除けばだが)。近い将来本当に崩壊するのかもしれないが、そうなったら世界中で混乱が起きるだろうし、結構厄介な事にはなるのだろう。一応の覚悟はしておく必要がある。
井沢元彦は時々TV見る程度で、著作は初めてだったんだが、内容的には結構過激で驚いた。でもTVに出演できる程度の要領のよさはあるんだろうな。
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(2006/8/28)
日本は,親米か,親中かってカンジで二元論的に動いていますが.
こう,立て続けにアメリカと中国の本を読んで思ったのは.
どっちもヒドイ(ところがある).
まあ,どっちかといえば
中国の方がヤバイ
ってことでしょうか? 文化大革命では自国民を7000万人殺してしまっている国だとか.
昔読んだ,ジャレドダイアモンドの銃・病原菌・鉄〈下巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎 「銃・病原菌・鉄」.
民族・国家の発展と,環境要因,技術発達について広範に議論した名著ですが,そこで近代中国の発展の遅れは「中国が多様性を持たないから」という指摘があった.
本書「そして中国の崩壊が始まる」で指摘されていた,中華思想×共産主義×儒教という徹底した中央集権型の思想は,まさに伝統的な中国そのものなんだな,と思わされた.
中華思想の視点から見ると,聖徳太子以来の日本が「いけすかない国」って言うのも納得できる.
格差社会,格差社会といいますが,日本の格差社会はアメリカのそれに近づきつつあるという警鐘であり,比べたら未だマシのようです.
もちろん,我々フリーター世代は団塊世代の年行くほど多く貰えた給与のバッファにパラサイトして生きている人口も多く,それが尽きたときには
巨大な格差が明らかになりかねないのですが.(世代間格差)