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名もなき毒 みんなのレビュー

第41回吉川英治文学賞 受賞作品

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みんなのレビュー422件

みんなの評価3.8

評価内訳

418 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

淡々とした描写に込められたメッセージ。人には毒が潜んでいる。

2008/06/04 20:13

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ココロの本棚 - この投稿者のレビュー一覧を見る

あらゆる毒をテーマに、現代社会の闇をひも解いていくような作品。

いくつかのエピソードで成り立つ本書ですが、一つの軸として語られる「トラブルメーカーのアルバイト女性」のエピソードがとても怖かった。
世の中には常人に理解し得ない人が存在することは確かです。
自分の不幸や苛立ちを、すべて他人のせいに出来る人。(そう出来れば自分は楽だとわかっていても、普通は出来ないことですよね)
自分を守るため、自分を正当化するために、嘘をぬり重ね、他人を攻撃して生きていく人。
作中のこの女性は心に「毒」を持っています。関わった人を侵していく毒。

もう一つの軸として語られる、連続無差別毒殺事件。こちらが本書で一番大きな流れでしょうか。
よくあるサスペンスのように、「毒殺事件の真相を追う!」という展開とは少し違います。
そこは大きな流れとして存在しますが、その流れは現実の事件との距離感に近い気がします。
犯人像しかり。動機しかり。解決に向かうスピードしかり。
とても現実に近いのに何故かリアリティがありません。最近は現実の事件にリアリティが欠如しているからかも知れません。理屈で説明がつかない、常識で考えても理解できない、そんな不気味さ。
ここにも「毒」が存在します。社会の持つ毒。

経済格差、生まれ持った気質。
様々な人間が存在し、ともに社会を形成している。そして、社会のあらゆるところに「毒」は潜んでいる。
淡々とした展開の中に著者からの熱いメッセージが込められた作品だな、と感じました。
最近の宮部さんらしい作品かな。謎ありきでないという意味で。

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紙の本

現代社会に潜む“名もなき毒”を描いた問題作

2006/12/12 18:55

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ゆう - この投稿者のレビュー一覧を見る

青酸カリによって毒殺されるという連続殺人事件が発生。
ひょんな事がきっかけで、今多コンツェルンで社内報を編集している杉村三郎は、事件に隠された真相を探る事となった。
現代に潜んだ問題を絡めながら、無差別連続殺人事件の真相を探る長編ミステリー。
ミステリーの謎解き部分よりも先に面白味を感じたのは、大企業の娘婿に納まり、世間や親族の偏見も飲み込んで、淡々とした人生を送っている杉村の人柄が巧く描き出されている事だった。
作品の持つ一貫して変わらない独特の雰囲気や、崩れることのない人物造形など卒がなく、安心して読める点においても、感心させられることばかり。
シックハウスや土壌汚染、そしてフリーターや老人社会に至るまでの、近年にはびこった「現代社会の毒」を絡めながらのストーリー展開にも考えさせられる部分が多々あり、確かな手応えを感じることが出来た作品だった。

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紙の本

避けられない毒

2006/11/12 08:01

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:歌音 - この投稿者のレビュー一覧を見る

日常を生きていれば、避けようの無い見えない毒に侵食されていく、
という事実を改めて感じました。
いくらその毒を避けようとしても、生きている限り、恐らく不可能なことだと
この作品を読んで思いました。
個人的には秋山氏がいいです。

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紙の本

爆弾書評のつもりです。わたしは「名もなき毒」として予想外の人物をあげます。そう考えると、しっくり来るんです。天邪鬼は承知ですが、その見方はありでしょ

2006/09/24 21:17

14人中、14人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

ま、安倍晋三じゃあないんですが、とりあえず褒めときゃ安心、誰も反対はしないよな、っていうのが現在の宮部みゆきなわけで、そいつぁ一寸おかしいんじゃないの、そういうのを相乗り、大政翼賛会的迎合っていうんだよ、って思うのが、かくいう私。特に、カツンとくるのは、これって2003年に実業之日本社から出た『誰か』の続編なんですが、出版社が違うからと前作があったことに触れようともしない幻冬舎のケツの穴の小ささですね。
で、私自身『誰か』の評に、登場人物の年齢を書いているので、引用しておけば
「小説の主人公は、35歳の杉村三郎、会社の広報室勤務に勤務する社員である。妻の菜穂子は29歳。化粧をすると31歳に見えるけれど、素顔だと20歳に見えることが多い。ま、愛する夫の言葉だから、割り引いて考えてもいい。でも、そのまま受け取っておこう。心臓肥大症のせいで、体は弱い。視力が両目とも裸眼で1.5、わざわざこう書いてあるから伏線かな、と思う必要はない。ただし、物流業を核とした今田コンツェルンの会長の娘という点は重要だ。子供は一人、4歳になる桃子である。財界の重鎮でもある義父は今田嘉親79歳、健康ではあるけれど老いは隠せない。
ほかに、よく出てくるのが、嘉親の第一秘書で“氷の女王”と、三郎の上司で入社28年目の広報室長の園田瑛子、アルバイト社員で現役女子大生の椎名嬢こと、シーナちゃん、身長がなんと百七十五センチという容姿不明の性格がいい娘である。」
今回のお話で、桃子は5歳とありますから一年後が舞台。前作で私が褒めたアルバイト社員シーナちゃんは、会社を辞め、その代りに入ってきたのが自称26歳、原田いずみです。この原田、大変なタマでした。編集経験がある、というのはともかく、その能力については全くの嘘。
その原田にクビを言い渡したのはいいのですが、そのことが彼女の闘争心に火をつけ、告訴騒ぎに発展します。その解決を会長から言い渡されたのが、原田の上司にあたる杉村三郎。杉村は以前、原田が勤めていた会社を訪問し、そこで彼女の経歴を調査した私立探偵・北見を紹介されます。北見のところで会った女子高生・古屋美知香の母親が、連続殺人の被疑者と知った杉村は・・・
で、タイトルの「名もなき毒」は、原田いずみであり、連続殺人犯である、社会のどこにでもいる、殆ど目立たない人々、その毒が社会を脅かしている、と解釈されます。で、そんな事件を解決した杉村は、結婚相手が裕福であることに頼らず、慎ましく暮らして、人に頼まれれば「いや」ということが出来ない、優しい人で、もっとこの杉村シリーズが続いて欲しい、というのが殆どの書評の結論。
でも、私はそうは思わない。むしろ「名もなき毒」とは、杉村三郎のことではないのか、そう思うのです。まず、彼は優しいが故に依頼を断らないのではなくて、好奇心ゆえに事件に巻き込まれ、家族を危険に巻き込む。それは十分に予想されるのに、なんら手をうとうとはしません。
むしろ、放置することで事件を拡大させ、それを楽しむ気配があります。奥さんの父親の力を借りない、というのもウソです。積極的に利用することはありません。でも、拒否はしない。放置しておくことで、予想される利益を甘受します。これって、「毒」ですよね。嘘はつかない、でも黙っている、という態度と同じ。
そのままにしておく、とりあえず報告だけはしておく、悪いことはしていないんだから、いいだろ、っていう現代人の常識的な生き方。これこそ「毒」じゃありませんか。実は、『誰か』では、それに気付かず、杉村一家の生き方に共感していたんですが、どうも今回は違います。こんな男に巻き込まれたくないぞ、そう思うのです。同じ読むなら、秋山省吾、五味淵まゆみのコンビの活躍する話のほうが絶対に楽しい。

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紙の本

今そこにある恐怖

2006/09/18 23:10

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:あん - この投稿者のレビュー一覧を見る

大好きな宮部みゆきの大好きなミステリー。久々で嬉しいです。
誰でも心の中に一種の「毒」を持っていて、時には犯罪の形でばら撒かれることがある。
最近富に多い気がする理由なき(あるけどちょっとしたきっかけだったり)殺人。昔あった紙パック飲料への毒入り殺人事件。
数々の事件の疑問に対する宮部の”答え”と”警鐘”のような印象を受けました。
実際に日々起きているからこそ感じる恐怖。
これぞ宮部ワールド。

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2006/08/27 09:49

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2006/09/06 06:32

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2006/09/09 22:39

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2006/09/11 19:59

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2006/09/12 22:01

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2006/09/14 21:09

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2006/09/24 01:11

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2006/09/24 10:44

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2006/09/24 20:55

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2006/09/28 14:39

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