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紙の本

聖徳太子と東アジアでの外交戦略

2007/04/01 21:28

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 八木荘司の筆になる日本書紀、古事記を基にした古代史の小説である。本書に描かれているのは、聖徳太子が隋の皇帝に遣隋使を通して、あの物議を醸した国書を隋の煬帝に送った頃の時代を描いている。
 聖徳太子については、黒岩重吾の小説で様々な角度から描かれたものを読んだことがある。あれだけの才に恵まれ、器の大きな聖徳太子がなぜ即位できなかったのか。これは謎である。はっきりとした説明があるわけでもないし、運がなかったといえばそれまでである。
聖徳太子、すなわち厩戸皇子の業績はわれわれが中学、高校の日本史の教科書で学んだ冠位十二階の創設、十七条の憲法などがある。それが後の律令政治の基礎を形作ったとも言えるわけである。そういう点では他に並ぶ者がないほどの実績を上げて、将来の基盤を造ったわけである。
 厩戸皇子は用明天皇が崩御した際、女帝推古天皇の摂政に就任している。何故、厩戸皇子自身が即位せずに、二代前の皇后である推古が即位したのか不思議であると同時に権力の行方の不思議さを感じる。
 このシリーズでは、日本国内の歴史だけではなく、朝鮮半島から中国大陸にかけての古代史にも記事が及んでいるところに特徴がある。当時は大陸の隋、朝鮮半島の高句麗、新羅、百済、任那と分かれた国家間の争いが絶えなかった。丁度この頃、新羅が隋と結んで任那を侵略し、百済まで併呑しようとしていた。早速、厩戸皇子は新羅征伐の軍を派遣した。将軍は弟皇子の来目皇子であった。
 ところが、来目皇子は出兵の途中で病死してしまった。これで半島戦略も頓挫し、挫折する。こと軍事に関していえば、半島出兵で厩戸皇子の志は失敗に終わるのである。この後も高句麗、百済、新羅に隋を加えて半島情勢は相互のにらみ合いや小競り合いが続く。しかし、朝廷は確かな手を打てず、拱手傍観するばかりであった。
 さしもの厩戸皇子も隋に対する国書で東アジアの大国であることを知らしめたことで、隋を牽制するという効果を得たが、半島では任那奪還という初期の成果を上げられるままに終わったのである。
 黒岩重吾が聖徳太子に関する小説を何冊も描いていたが、推古天皇や蘇我馬子などとの確執が中心であるのに対して、八木は内政ばかりでなく、外交での動きを中心に描いている。これは大変新鮮であった。
それまで倭国は、朝鮮半島での権益として任那を所有していた。これを新羅に乗っ取られると、半島経営は崩れ去っていった。出兵しても失敗続きで一向に拉致があかないのである。本書はこの点きわめてユニークな側面を描き出している。半島でのこれらの古代の国々の争いは興味深いものがある。

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2009/06/07 20:35

投稿元:ブクログ

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2016/04/10 21:37

投稿元:ブクログ

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