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紙の本
学校創立は一大事業、大冒険
2006/09/25 08:01
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:alice - この投稿者のレビュー一覧を見る
九州女学院創立者マーサ・B.エカードの功績、足跡を掘り起こすという研究の成果です。
アメリカに住む多くのキリスト教信者による莫大な寄付があって学校が創立されているわけですが、そのお金で学校を創立、運営していくという重大な任務をひとりの女性宣教師が担ったわけですから、よほどの度胸が必要だったと想像します。
エカードは、はじめて日本に来ようと決めたときから神がいるから自分がそれに従っているだけという態度ですが、私は宗教心のない人間なので、そのように人に思わせるキリスト教の影響力のほうに驚かされます。たしかに、宗教の力というのは良くも悪くも社会にあって、目にはみえなくとも私たちが無視できないほどの存在感を持つとは現代でも日常感じることです。みんなが何かを信じることだけで世の中がなりたっているんじゃないかと思うときさえあります。各人が信じる対象はさまざまだけれども一神教ほど人を迷わせない宗教はないのではないかと思います。唯一絶対神の存在が土台になった絶対原則、真実という考え方なのですから、宣教師たちにも原則に従って生きるという姿勢が感じられます。
おびただしい文献や資料、聞き取り調査をもとに構成された内容から、研究とは膨大な資料をあたり、事件とその背後関係をひとつひとつ推理していく探偵のような仕事で、洞察力と綿密さ、根気が必要であることを学びました。
この本は、現代の日本の福祉や教育につながる知恵にあふれています。エカードをはじめ、慈愛園の設立から福祉事業にあたったモード・パウラス、ハンセン病患者の救済事業に一生をささげたハンナ・リデルたちの偉業を知ることで、福祉や教育を民の力でおこし、ささえていくこと、そして「誰にとっても苦でない社会」を作っていくことができる、そんな勇気を私たちにあたえてくれます。
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