紙の本
著者は勉強しても、読者の勉強には・・・。
2006/11/01 23:51
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:拾得 - この投稿者のレビュー一覧を見る
数字をうまく使って語ると、どこか信憑性を増した感じがすることがある。もちろん、そこには落とし穴がある。社会の状況を数字に置き換えるときには、なんらかの単純化が避けられないわけであるから、そこに作為を紛れ込ませる余地が生じてしまう。本書は、現代社会にあふれる数字=データを使った論のあやうさを指摘したものである。世論調査から「豊かさ指標」などといった種々の都道府県ランキング、さらにはニュースのコメンテーターが好んで口にする経済波及効果などまでを俎上に載せている。
ところで、こうした「統計数字の告発」の類書は実は数多い。ダレル・ハフ「統計でウソをつく方法」(ブルーバックス)はすでに古典といってよく、最近の日本でも谷岡一郎「社会調査のウソ」(文春新書)はかなり話題となった。それもあってか、本書は3番煎じの印象をまぬがれないだけでなく、深みを欠く。著者のお勉強や読書の成果ではあっても、読者の勉強にはあまりならないといってよい。
たとえば、インターネット調査への批判は当たっているかもしれないが、それを単に「テレゴングと同レベルのもの」と断じるだけでは、世論・社会調査の現状を理解したことにはならない。他人の議論を借りるだけではなく、従来の調査というものが、どのような考えにもとづいており、インターネット調査がそれらとどう異なってしまっているのか、というところまで論じなければ、読者に「考える」機会を与えたことにはならないだろう。
言及しているデータの多種多様さは評価できるにしても、物足りなさが残る読後感である。
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統計ってのは基本的に科学的だが、もちろんグラフや表を作る時には多少主観や誘導したい方向が加味されるもんで・・・・・・。どういった手段でそれが行われるのかは知っておいたほうがいいかと思う
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★数字は嘘をつける★いつの時代も統計データの処理は適当なもの。具体例をふんだんに盛り込み、データの誤用を説明する。ただ世論を誘導するためにマスコミが意図的にデータを解釈するケース以上に、無意識に求める方向に流されてしまう場合の方が多いのでは。陰謀論より知識の欠如が主因に思える。
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データの取り方によって、その結果(世論)は様々になる。
もちろん、それによる情報操作もできてしまうわけで。。
データの正しい取り方、そしてデータの正しい見かた、などが述べられた参考になる本。
データをうまく活用できれば、とっても自分にとって役にたつなぁ!と思った!!
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データの罠、世論はこうしてつくられるを読了。
久々に読み応えのある本。
何かの事実を証明するには、数字による裏づけが必要である。
数値データは客観的なものであるから、
それによって導き出されたものは説得力がある。
しかし、どんなに数字が正しくても、
その取り扱い方を変えれば、いくらでも都合のいいように証明できる。
日ごろ、新聞や雑誌、ネットの記事でいろんな数値がとりあげられているが、
その全てが必ずしも正確なものではないということを
考えさせられた本でした。
この本でおもしろかったのは次の点
・世論調査は常に客観的な方法で行われているとは限らない。
・アンケートは数が多いほどいいというものではなく、
何%の人がそのアンケートに答えたかという回答率をみる必要がある。
回答率が低いということは、そのアンケート自体に問題がある。
・インターネットの調査の多くは特定の層を対象としているので、
世論調査と同一視してはいけない。
などなど
なるほどと感じさせられることがいろいろ書かれていました。
情報やデータが溢れる現状で、それらを闇雲に信じるのではなく、
自ら物事を本質を見抜く力をつけなければいけないということです。
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とても面白く参考になる本ですが、この本自体で一部示されているデータの原典が無いものもあり、その部分ではこの本自体も信憑性に欠けると思わせるあたり、流石と言ったらおかしいか?
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最近一番気になっていることの一つである「世論操作」に関して、その実践的手口(笑)を紹介してくれる本。世論調査といってもまず調査の方法(訪問?郵送?インターネット?)からしていくつもあるし、細かいところでは選択肢の設定方法までふみこんでいる。「やむを得ない」という表現がいかに危険なものかよくわかります。また、数字の解釈の方法に関してもよく説明されている。その数字がどういう方法で集められ、どういう基準で比較されているのかをよく考えないとだまされてしまいますよというお話。今の世の中いかに虚偽の数字がまかり通っているかを知るにはよい一冊。
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ささっと読めた割には楽しめました。
データを扱う職業人として結構無自覚に数字を見てたんだなとちょっと反省
視聴率ってやっぱ当てにならないんだね
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2009年1月4日開始
2009年1月4日読了
以前文春新書で出てた同じ内容の本の方がよかったかな。ちょっと掘り下げ方が浅い感じがする。
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聖教新聞の引用が出てきて読むのをやめようかと思ったけど読み続けて良かったです。
データを丸のみしてはいけないなと思います。
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社会科関連の本だとも思うのですが
個人的には統計学の概念のほうが大切な内容だったと思います。
どれくらいの情報が提供されていればどれくらいデータの信頼性を期待していいか、というお話。
ひとつの事件について複数の記事を読む、とか、
実際の時間と手間を考えると絶対にやらないようなアドバイスがなされていますが、
そこまでしなくても、巷に溢れているデータの数々について、鵜呑みにしないように!という主題を覚えておくのはよいと思いました。
データ分析を仕事にしている人が統計の基礎をしらないことが多い、という話には驚きました。
自分の専門分野については、少なくとも人並みの知識を持っていないと恥ずかしいもんだなぁ、という教訓になりました。
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新聞やTVの世論調査がいかに誘導させる目的で作られているか、
統計学的に信憑性が乏しいかをわかりやすく説明してくれる。
サンプルがある程度多い調査結果はアテにしていたのだが、
大事なのは回答率、とのこと。この部分、学んだ。
危ない危ない。
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[ 内容 ]
巷にはデータが溢れている。
「視聴率」「内閣支持率」「経済波及効果」「都道府県ランキング」等々…。
新聞、テレビ、雑誌に何らかのデータが掲載されていないことはまず無い。
そして私たちは、これらのデータからさまざまな影響を受けている。
しかし、肝心のそのデータにどれほどの客観性があるのだろうか。
実は、かなり危ういデータが跋扈しているのである。
本書は、さまざまなデータを検証することで、データの罠を見抜き、それらに振り回されない“正しい”情報の読みとり方-データリテラシーを提案する。
[ 目次 ]
序章 巷に氾濫する危ういデータ
第1章 世論調査はセロンの鏡か?
第2章 調査をチョーサする
第3章 偽装されたデータ?
第4章 「官から民へ」を検証する
終章 データの罠を見抜くためには
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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「99.9%は仮説」と同様に,データは疑う必要があるということを書いている.この書は特に統計データなどの数値的なデータに関して,それを説いている.データを集めた背景や,環境などを考慮すればデータの正当性や信頼性が見えてくる.
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視聴率、平均貯蓄額、選挙速報など、
世の中にあふれる数字のかずかず。
本当にその数字は正しいのか、