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アメリカに対して感じる怖さって、ほんとこの二つ。性と暴力。これらの現在の異常な状況を歴史的背景から解きほぐしてて、ものすごい分かりやすい。個人的な反省としては、怖さや分からなさを「見ない振り」に変えてちゃだめだな、と。
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とかく日本人はアメリカ=世界標準と考えるきらいがあるけど、実はいびつで不安定な国だと思う。
そのアメリカ社会に根付く思想とその出来上がった過程と特徴を「性」と「暴力」というから検証していて面白い。
明快で分かりやすい文章、様々な側面から比較し考察していく手法に引き込まれて数時間で読破してしまった。
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アメリカという国を、性と暴力という二つの力学で解き明かす。わかりやすく、おもしろいです。隠れ名著ですよ、これは。
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アメリカがいかにして異形の超大国になったのか。
その経緯を性犯罪を通して理解する本。
環境と性の間には密接な関係があり、性の問題は他者とのコミュニケーション問題でもあるのだ。
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何でアメリカってこうなの?という素朴な疑問に歴史を踏まえて回答してくれた本。因果関係にはちと疑問も生じるがアメリカという国の現在を見るうえで大変参考になりました。しかし4人に1人は児童虐待を受けた経験があるって・・・・あそこの家庭教育はどうなっとんの?とさらに別の疑問が。
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[ 内容 ]
唯一の超大国として、最も進んだ科学技術を誇るアメリカ。
だが、キリスト教の倫理観に縛られ、二億挺を超す銃が野放しにされるなど、「性」と「暴力」の問題については、前近代的な顔を持つ。
それはなぜか―。
この国の特異な成り立ちから繙き、現在、国家・世論を二分する、妊娠中絶、同性愛、異人種間結婚、銃規制、幼児虐待、環境差別、核の行使などの問題から、混迷を深めるいまのアメリカを浮き彫りにする。
[ 目次 ]
第1部 「性と暴力の特異国」の成立―植民地時代~一九六〇年代(「性の特異国」の軌跡 「暴力の特異国」への道)
第2部 現代アメリカの苦悩―一九七〇年代~(「性革命」が生んだ波紋 悪循環に陥ったアメリカ社会 「暴力の特異国」と国際社会)
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
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☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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いかなる国家も、近代化の過程で暴力性が発露する。だが、アメリカにいたっては、建国後も、さまさざま社会矛盾が昂じて、その都度発露される暴力の連鎖に楔を打つことができなかった。その件に関して、丁寧な歴史解説が施されていく。
そして、「それほど矛盾を抱えた国が唯一の超大国として君臨できているのは何故か」という原理的問い、また「そんなアメリカという国と付き合うにはどうしたらいいのか」という遂行的な問いへのシフトが試みられている。
こういう弔い作業をきちっと果そうとするアメリカ研究者がいることに、なんだか深い安堵を感じた。そして何よりも、序説の副題として冠された「処女地の陵辱」というワーディングが素敵。
豊穣な自然を目の前にして、病的に興奮してしまったピューリタンのヴァイタリティ(活力)を、処女陵辱的な心性という(少し意地悪だが、的確な)メタファーで捉え直すと、アメリカの性と暴力の歴史が再解釈できるというしくみ。
そもそも、ピューリタンが最初に入植したヴァージニア州は、エリザベス女王の雅号Virgin Queenにちなんで名づけられたものだ。しかし、「ヴァージニア」という命名は、奇しくも、自然を前にして大興奮した開拓民の「処女陵辱的な心性」(それは以後アメリカの国内外への伸張の歴史を貫通する精神性となる)との奇妙な一致を見せてしまったのである。
「処女地の陵辱」というワーディングによって、この自然・大地に対して、身震いするような興奮を覚えた開拓民の心性を、少女を目の前にした男性の性的興奮になぞらえる。
このアメリカ社会に通底する精神性(「処女地の陵辱」)が環境に向いたときに、環境問題として、少数民族に向いたときに人種差別や暴力の問題(銃社会)の問題として、女性や子供に向いたときに性的虐待として浮かび上がるわけで。
インディアン駆逐も黒人差別も、米西戦争も、広島長崎への原爆投下も、ベトナム戦争も、パノマ侵攻もアフガン戦争も、イラク戦争も、この延長線上に定立できるだろうと。もはや一国だけでボリューミーなリンチの系譜。
なるほど。確かに、イラク戦争はリンチにしか見えない。さらに、治安維持の大儀のもとになされたあの忌まわしい女性兵士によるイラク人捕虜の性的虐待も、性と暴力が一体化して発動する、特異の国ならではの現象として浮かび上がる。
このように現代アメリカを取り巻くイシューを、建国の原初心性になぞらえて、パラレルに捉えていこうとする点に本書の秀逸性があると思います。
副読本はトクヴィルの『アメリカンデモクラシー』とエマニュエル・トッドの『帝国以後』。
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ゼミの先生おすすめの本。
もちろんどの国もそれぞれ不思議なものですが、アメリカって成り立ちからすごくユニーク。
「人」を強く感じる。
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すごくおもしろい視点からアメリカ文化史を論じているのに、文章の構成が甘すぎると思う。まずなぜアメリカは「暴力の特異国」なのか、という問いを立てているが、そもそも「特異国」の定義がない。何をもってアメリカを「特異国」とするのかも説明なし。
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18世紀の移民時代から現在にいたるまでの暴力の変遷、特にリンチについての論は興味深かった。性に関しては、少し論自体に引っ張られている感じが強く、納得できない部分もあった。著者の他の著作で書かれているテーマと共通のものが本作でも重要な要素となっているので、他の著作を読むと、論じられている内容が補完されてかなり理解しやすくなると思う。特定のテーマでアメリカの歴史・社会・文化を論じるというのはとても良い試みだと感じた。
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アメリカという国を、「性」と「暴力」というふたつの補助線を捻り合わせて斬ることで、あらたな断面を提示することに成功している。新書というフォーマットにじつにマッチしているというか、広く深ーい考察がおもしろく読める。
たとえば、イラク戦争で、ジェシカ・リンチという英雄的な白人女性兵士を米軍が救出するというドラマが演じられた。もちろんこれは、兵士の士気を鼓舞し、銃後の支持を得るための茶番だったのだが。その原点には有色人種に白人女性が奪られるという恐怖の演出がある。
もとよりアメリカには、白人女性に手を出した黒人を吊すという「リンチの歴史」がある。リンチが表立っては行われなくなってからも、アメリカは白人女性への「レイプ」を理由に黒人を処刑し続けてきた。レイプ犯として死刑が科せられた771件のうち、701件は黒人だった。1972年に連邦最高裁によって違憲とされるまで、黒人の死刑囚の6人に1人は、レイプを理由に死刑判決を受けていた。
死刑容認、環境破壊容認、人種隔離、フェミニズム、同性愛差別……いろんなものが「性と暴力」で紡ぎ合わされていく。
グローバリズムという名のアメリカナイズに迎合するでなく、かといって声高にアメリカを非難するでなく。映画や文学などの視点も交えながら、アメリカを理解するためのパースペクティブが示されていて、終始興味深く読んだ。
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超大国アメリカ。ハリウッド映画で観る華やかで開放的なアメリカとはほんの一部で、ダーウィンの進化論を学校で教える事を禁止している学校さえある。アメリカでの植民者がネイディブアメリカンを虐殺しながら領土を拡張した後、労働力としてアフリカ大陸から黒人を奴隷として使役。未だに根強い異人種間婚への偏見と差別。。。アメリカが抱えている問題の理解に役立つ本です。
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トランプ大統領に危機感を覚えていたからこそ、いつものブックオフで手に取った本だと思う。
性と暴力は、最も理性がコントロールできない人間性であると思っていた。
こんな本を、中学高校で読んだ人が為政者になってくればいいな。と思う…
Mahalo
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ピューリタンの植民地として始まった超大国アメリカ。
その歴史は性と暴力が常に矛盾を孕みながらのダブルスタンダードだ。
フロンティアを求め続け、報復による報復による報復と果てはない。ネイティブアメリカンから奪取し、南アメリカを奪取し、アフロアメリカンから奪取し、ワールドリーダーと称し他国からも奪取する。
中絶の是非、終わりの見えない銃社会。
自由と正義の名の下に、アメリカはどう変われるのか。
2021年になるが、今度はアジアンヘイトがお盛んだ。
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暴力に対するダブル・スタンダード
「白人女性を異人種から守る」騎士道精神
私刑リンチの伝統と戦争、死刑
子どもを特別視しながら、子どもを放棄する
中絶は殺人なのに、銃で人は殺し続けても良い
人種差別やジェンダー差別を改善しようと続けるが、銃を携帯する権利は手放さない。
面白かった。アメリカという国の特異性を一つ知ることが出来た。もっと知りたいと思う。