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紙の本
戦後日本美術界のスキャンダルを野次馬的に楽しめる本
2008/04/19 06:11
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:SnakeHole - この投稿者のレビュー一覧を見る
題名通り,戦後日本美術界におけるスキャンダラスな出来事を追うことで,この国の「美術」ってのはどっかおかしいんぢゃないか? という問題を提起した本,である。美術界になんの関係もない,完全な野次馬であるオレでもこんだけ面白く読めるんだから,多少なりともこの世界にカカワリのあるひとなら抱腹絶倒だろ。…いやカカワリがあり過ぎて逆に怒髪衝天かも知れぬが。
ネタになってるスキャンダルは次の6つ。「戦争中,軍部に協力して国威発揚の戦争画を描いていた画家たちが,戦後どうやってその責任から逃れたか」「権威主義的で自前の審美眼のない連中が決定権を持つ日本美術界における贋作・ニセモノの氾濫」「生ゴミを展示して問題になった前衛アートの話」「絵ころがしが横行した絵画バブルの顛末」「ハコモノ行政による個性のない美術館の乱造問題」そして「東京芸術大学と受験予備校のマッチポンプ的構造」……。
どの話もすげぇ面白いんだが,最後のヤツの話をしようか。簡単に言えば,
1. 東京芸術大学を卒業したからって画家として喰っていけるほど芸術は甘くない。
2. なので東京芸大の卒業生の多くはどっかに就職しなければならない。
3. その就職先として最も手っ取り早いのは東京芸大を目指す連中を教える美術専門の予備校である。
4. そこで彼らは「東京芸大に受かりやすい絵の描き方」を教え,教わった奴らが東京芸大に入る。
5. そして話は1に戻ることになるわけだけど,これってなんか変ぢゃね?
つうハナシなんだけどね。
そのムカシ,細野不二彦の「BLOW UP!」というマンガに「チャーリー・パーカーがどこの大学出たよ?」って台詞があったが,日本の美術界では東京芸大卒業の画家とそうでない画家(まぁ画家になれたヒトの場合ね)では最初の個展で絵に付く値段が倍違うんだそうなのだ。もちろんそんなことをやってるのは世界中で日本だけ,よその国で「この画家は東京芸大出です」なんて言ったって何の意味もないんやけど……。
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