紙の本
村上春樹の読み方その一
2007/02/18 16:46
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:石曽根康一 - この投稿者のレビュー一覧を見る
村上春樹について、書かれた本。
特徴は、1995年を彼の転機だと考えている点か。
しかし、正直に言うと、
『ノルウェイの森』しか読んだことのない
ぼくからすると、ちょっと読んでいて、
分からないところもあった。
村上春樹の作品をほとんど読んでいる人が読んだら、
もっと楽しめるだろうと思う。
投稿元:
レビューを見る
そう、気づいたときには既にベストセラー作家だったから、批判のために読み始めた村上春樹。でも図書館で新しい本を見つけると、なぜか読んでしまう。確かに「くせになる」のである。その一因を解き明かしてもらいたくて読んでみた。よく読みこんでるなあ。
投稿元:
レビューを見る
すげー村上春樹。この本見てもう一度村上春樹を読み返してみようと思った。深いよすごいよ。
漠然と村上春樹に共感してたことが、この本の解説で説明されててしっくりきた。P.208は必見。
投稿元:
レビューを見る
この本はバイト先で拾った本です。石原千秋の『謎とき村上春樹』がかなり面白かったんで、こちらも期待したのですが...。大好きな先輩に「そんな本読んでちゃいけないと思う!」と怒られました。自覚していたので、かなりチクリときましたね。最近、軽い本しか読んでいないから。大学生活も残すところ、半分の2年ですよ...。読むべき本も、学ぶべきことも、かなり残されているのに...。著者の清水良典氏が自分自身で書いていることなんだけど、この本は一般の読者のために読者の1人として作品を語るというスタンスなのです。だから、なんだか物足りないんです。村上春樹のターニングポイントが1995年であるっていうのは、すごーく良く理解できたのだけど、なんとなく物足りなかった。
投稿元:
レビューを見る
この本は村上春樹作品の一般向け評論集であり、要旨は、1995年に起こった地下鉄よるサリン事件の被害者に取材したルポルタージュ『アンダーグラウンド』と、その翌年に出版されたオウム真理教信者と元信者にインタビューをした『約束された場所で』が作家としての転機であった、というもの。
刺激的な論評です。
投稿元:
レビューを見る
こういうよみ方もあるのなーという印象。なんというか、こういうのは読書感想文で書いておけばいいのになあと思う私はひねくれものか。
投稿元:
レビューを見る
[ 内容 ]
なぜ、日本のみならず世界中の読者が、村上春樹に魅了されるのか?
著者は1995年に起こったオウム事件と阪神大震災を描いた作品に注目しながら、初期作品から最新長篇『アフターダーク』まで主要作品の小説論を展開。
わかりやすく読みやすい村上春樹論の決定版。
[ 目次 ]
ようこそ現実へ―『アンダーグラウンド』『約束された場所で』
ここに来て―『スプートニクの恋人』
もうひとつの社会復帰―『神の子どもたちはみな踊る』
メタファーの森―『海辺のカフカ』
失語からの出発―『風の歌を聴け』
作家「鼠」の死―『1973年のピンボール』『羊をめぐる冒険』
「終り」の終わり―『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』
埋葬された時間―『ノルウェイの森』
世界の端で踊る―『ダンス・ダンス・ダンス』
空中庭園の失墜―『国境の南、太陽の西』
井戸を埋める―『ねじまき鳥クロニクル』
鏡よ、鏡よ!―『アフターダーク』
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
投稿元:
レビューを見る
2012/02/02読了
『海辺のカフカ』『アフターダーク』の頃までの村上春樹の描く作品の特徴、世界観を考察した一冊。
二つの世界、善悪、陰陽、二面性の描く意義とは
また、恐らく春樹の作品に強い影響を与えたオウムによる事件から、どのような変化が見られるか、などいった、著者による主体的な考察が非常に分かりやすくまとまっている。
日本文学特殊講義対策
とはいえ、この本の内容のことはあらかた知っていた。
著者の主観による意見意外はそうであったのだが、なるほど『国境の南、太陽の西』の読了後の感想の変化は私にも共感できるところがあり、納得。読み方の研究にもなったかも。
村上春樹の世界観を整理する本。
投稿元:
レビューを見る
筆者が指摘するように村上春樹の作品は「闇の力」がどんどん入り組んで難解になってきている。ユングに触れていたが、一度調べて見たい。13.4.6
投稿元:
レビューを見る
面白かった。進化(変化?)する村上春樹。
1.一貫性がある
2.不思議な浸透力がある
3.変化と多様性がある
のが、村上春樹の三大特長、だそうである。
投稿元:
レビューを見る
積読消化。ちょっと昔に書かれた村上春樹解説本。個人的には過去の作品を復習することができて良かった。内容的には各作品の解説や作品が鏡であることが書かれている。ノルウェイの森や力と時間がいるけど、世界の終わりを再読したくなった。
投稿元:
レビューを見る
2012.10記。
数ある村上春樹論の中でも説得力に富む一冊。
中編、長編を作品ごとに(必ずしも時系列にとらわれず)論じていく構成だが、個人的には作品としての好みでは上位に入らない「スプートニクの恋人」や「国境の南、太陽の西」、「アフターダーク」などを巡る論考が興味深かった。
特に、「ダンス・ダンス・ダンス」について、村上春樹の作家としての「迷い」が作品に投影されている、との考察、例えば「作者が超自然的なしるしを降臨させるのを手をこまねいて待つあいだ、、、(中略)埋め草の時間を「僕」と読者が浪費させられるあいだ、間違いなく作者も出口を探して困憊している」との指摘などは(そしてそれこそがこの作品の最大の魅力だ、との主張には)納得する人も多いのではないか。