紙の本
カジシンの面目躍如たる、タイムトラベル・ファンタジーの逸品
2009/02/17 08:27
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:東の風 - この投稿者のレビュー一覧を見る
熊本を舞台に、語り手の男と、つばきという女の間に繰り広げられる、時を超えた出会いと別れのロマンス。タイムトラベルとロマンスの相性はとてもいいものですが、この小説も、そのふたつのテーマを用いて、切ないファンタジーの世界に浸らせてくれました。
山本周五郎の名品「その木戸を通って」(『おさん』所収の短篇)を彷彿させる前半から中盤にかけての品のよい味わいは、さながら緑茶の香りのよう。主人公が惹かれていく江戸幕末の女性、つばきの凛として可憐な美しさが、心にしみたなあ。
百年以上が過ぎた未来の世界にも、昔と変わらずに残っているものがある。そのかけがえのないありがたさを描いたシーンが、とても素敵でした。
ラストの展開は、作者の面目躍如といったところ。時を超えた愛のテーマが、作品の真ん中を発止と射抜いている。胸がいっぱいになりましたね。
『時をかける少女』『転校生』『さびしんぼう』の大林宣彦監督が映画化してくれたらいいなと、そんな気持ちに駆られた一冊。
読後感の胸にしみじみと響いたことといい、期待以上の読み心地に、星は五つ。
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江戸時代末期に生きる「つばき」と、現代に生きる「井納」が時を超えて巡り会う。二人の恋の行方は?お得意のタイムトラベル・ラブロマンス。「つばき」のキャラクタ設定が魅力的。「つばきは百椿庵に」から改題したそうだが、原題の方がよくないか?
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11月7日読了。梶尾さんの作品は好きなんだけど消化不良を起こすものが多い。一途に(愚直なまでに)人を愛するキャラが多い。その一途さは好ましいけれど、どうしてそこまで愛したのかがあまり描かれていないため、感情移入しにくい。これもそうだった。文章は嫌いじゃないしタイムトラベル物も好きな分残念。
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タイムトラベルロマンスということで多少先入観がありましたが、そういう結末ならもうちょっと書き方があるだろうと少々不満な1冊。設定に追いつけていない描写が気になりました。残念。
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幽霊伝説のある旧家に住むことになった「私」は、ある日、突然出現した
不思議な少女に魅せられる。150年の「時の壁」を超える恋の行方は?
「黄泉がえり」の作者が放つ、究極のタイムトラベル・ロマンス。
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ビバ☆日本人女性!!となりました。つばきさんのあの奥ゆかしさ、可愛らしさ…!!良いですね!結構分厚かったが読みやすかった作品です。
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熊本を舞台に書き続ける元SF作家、カジシン(笑)
前も書きましたが、ハインラインの影響が大きいようです。今回も、SFというよりシンプルな恋愛小説。青少年向けのアニメかドラマ向き内容です。
幕末の美女と現代の独身小説家が、お互いの時代を行き来する。SFファンにとって、特に奇抜とは思わない設定。でもカジシンの嫌味のなさには好感が持てます。かなりの甘党だな〜郷土熊本に対する愛情もありますね。
物足りなさはあっても、安心して読める小説です(^_^)
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つばきさんがとてもいいです。
その言葉使いだったり、感性だったり、、惹かれました。
時代を超えて、でも、変わらないものってあるなぁとか。
おもしろい1冊でした。
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「あなたに逢えて、本当に良かった」という帯の言葉に即借り(笑)なかなかに美しいお話ではありましたが、主役の二人があまりにも純でウブなのがちょっと…と言いますか(^_^;) 読んでてあまり「切ない気持ち」が伝わってこなかったのが残念です。☆3.5
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十八番(?)のタイムトラベルもの。
幕末の女性と、現代の小説家の卵のラブロマンス。
惇がつばきに一目ぼれするのはわかったが、つばきが惇のどこに惹かれたのかが描かれていないのが残念。男性本位なトコがちょっとあるなぁ。
百椿庵に「フィールド」をつくったりょじんさんの正体はおもしろかった。
最後はハッピーエンドなんだろうけど、やっぱりどちらかが自分の時代を捨てたら、それはハッピーエンドじゃない気がするな・・・。
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カジシンは久しぶり。
以前熊本に住んでいたので、町並みの描写のあたりは声を上げて盛り上がってしまった。
タイムトラベルに「なぜ」を求め、タイムマシンという装置を配すところは、やっぱりSF作家だなあ、と。SFファンタジーではなく。時の輪をちゃんと閉じようとするあたりも。
ラストは梶尾さんらしいな、と。落としころはいくつかあると思うけれど、この話の持っていきかたからするとそうなるのが一番自然な感じがしました。
タイトルはこっちの方がわかりやすいけれど、元のタイトルのほうが話にはあってると思う。
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駆け出し作家の三十男の主人公は暫く岡山に住むことになった父母に頼まれ、熊本市郊外の花岡山の中腹にある旧家百椿庵に一人で住むことになりました。
この百椿庵では、母を含め女にしか見えない美女の幽霊が出ると言います。
ただ何も危害を加えることもなく白昼にスーッと現れ、消えるだけ・・・
そしてある日、主人公は突然出現した不思議な美女に魅せられます。
その美女の現れる謎を突き止めるべく、旧家の中を調べて行き、ある仕掛けに気付きます。
そこにあった金属の棒をその仕掛けに嵌め込んでみたりしながら・・・
家の捜索にも疲れてうたた寝をしているとついにその美女と会うことが出来ます。
彼女の名は「つばき」何と150年前の江戸時代の女性で・・・
さて150年の「時の壁」を超える恋の行方は?
なんと幻想的な…
SFといっても派手な展開は一切ありません。
とてもゆっくりとしたリズムと展開なのにどんどん本に引き込まれて行きました。
優しくて暖かい話。
主人公とつばきさんとの会話ややりとりが互いに思いやりに溢れていて心が癒されます。
本当に素敵な作品でした。
私が熊本で育ったことも影響しているでしょうね♪
花岡山は私の家から3km強で熊本市街地の裏山的な低い山です。
小さい頃から祖父の散歩に一緒に連れて行ってもらったり、小学校の遠足で行ったりしていましたから尚更この作品に郷愁を感じてしまいました。
私もこの百椿庵に住みたいな!
それは無理でも久し振りに花岡山に登ってみたくなりました。
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百椿庵に出るという女の幽霊。
それをみた井上淳。
梶尾真治さんのタイムトラベルロマンスは好きです。
でも、これはなんか感動にかける気がした。
クロノスジョウンターのほうが好きだな…と。
嫌いじゃないんですけどね。
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熊本が舞台だから、花岡山とか辛島公園とか懐かしかった。
突っ込みどころ満載だけど、ハッピーエンドで、心あたたまる話。
未来から来たりょじんさんのタイムマシーンで惇がつばきの時代にタイムスリップする。
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気分を変えようと読んだ本だったが、つまらないと思った。これといって書くほどの感想がわかない。百椿庵という名のある実家に帰った主人公はそこでその家自体がタイムマシンになっていることに気がつく。150年前からやってきた若い女性つばきに会うため主人公はその家の秘密を探り過去へと向かう。なんだかなあ。