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何編かは、読んだことのある話だった。
中でも「遠方より来る」が、特に良かった。
雰囲気・登場人物の人柄が好き。
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2018年、27冊目です。
8編からなる短篇集です。
この文庫本を読む前に、「冤罪」と「潮田伝五郎置文」の2編は、別の本で読んだ記憶がある。「冤罪」はつい最近読んだ記憶があるので、読み飛ばしたが、かなり前に読んだ気がする「潮田伝五郎置文」は2度読んだことになるが、主人公の下級武士の生き様に何とはなしに共感してしまうのは、何故かな? 考えが古いということ?古典的な価値観への郷愁?
いずれにの作品の主人公も世の中のわき道を歩いている人間だが、彼らの中にも人間性の断片が残っており、そこに一瞬だけ光が当たる瞬間が人生の中にはある。
それを丹念に描き出している。
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人生の悲哀を描いた短編集。
人の心の弱さや、人の世の無常さが巧みな文章で綴られています。
正直、暗い話が多いという印象でした。個人的には、“人生うまくいかない”というのは現実でもう間に合っているので(;´д`)、
小説の中だけでも、ご都合主義で結構なので、ハッピーに終わって欲しいなと・・。
この中では「冤罪」が、希望が見える感じの結末で良かったです。
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大層な年齢を生きているわけでなく、
でも、若いわけではない今。
それくらいの年齢になると、
喉元につっかえ続けている小骨のように、
痛いわけじゃないけど、
物が当たると違和感を覚えるくらいの、
なんとなく心に残る思い出と感情が、
少しずつふえていく。
そんな小骨たちは日常を生きる中では、
大して影響はないけれども、
ふと、何かのきっかけで思い出すことがあって、
その時、昔の感情も一緒に思い出される。
良いことも、そうでないことも。
そんな小さな感情を思い出すような、
小さな物語の集まりが、読んでいて心地良かった。
短編の中の唯一の娯楽回「遠方より来る」が
なんともたまらなく好きだった。
男の意地と、女の現実味、その掛け合わせに
ほっこりすることもあれば、
登場人物の気持ちに「うんうん」と
頷きながら読むこともある。
楽しい小説でした。
その他の短篇も、もちろん短篇とは思えないほどの重厚感。
「いま、跳んだのか」
を知るために読むべし。
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It’s been almost four years since I graduated from university, and it’s been several years since I started writing exchange journal with my mentor. We talked not only about English education but also the life we’re living. One day, I wrote about the day I decided to change my first name. He said in the journal, “Sorry, but I don’t know what to say. I’m just wondering what SHUHEI FUJISAWA would, could say to you. “ That’s the reason why I read this book. And today, I finally got a chance to read it. Now I think I could understand what he wanted to say a little. I’d like to express my sincere gratitude to him about giving me such a great chance to know SHUHEI FUJISAWA.
He told me that human beings are so vulgar that we should keep cultivating our minds. What human beings are should be like cannot be defined. Even if we try to cultivate our minds, it is not so easy to let it so. One of the way to cultivated our minds is reading his books. I have no doubt that all of the stories in the book cultivated my mind. ☺️
Here’s what he told me through exchange journal:
「人間の在り方は、どこまでいっても汲みつくせないのです。ここまできたら、さらに先がみえてきて、そこまでいくと、さらに先があるのです。なぜかというと、人間は俗っぽいので、みえても、行きつけないのです。だから、その俗っぽさを、たとえ一瞬でも、藤沢周平によって、洗ってもらうんです。洗う、洗ってもらうことは、なかなか、そういう気持ちがあっても、できんのです。だから、本を読む。手に取れば、必ず洗ってくれる。」
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藤沢周平「新装版 雪明かり」、2006.11発行、再読。全438頁、味わい深い8話が収録されています。ハッピーエンドが好きな私には、哀しい話が多いです。人間の「業」というものの持つ哀しさ、虚しさ・・・読んでて辛い思いでした。でも、読まずにはいられない、そんな8話。「冤罪」は無実の罪で切腹した父の娘、明乃と源次郎に光がさして良かったです。「雪明かり」は、切なく哀しい8話が凝縮された感じがありますが、江戸に奉公に行った由乃(義妹)を追う菊四郎の心意気に大拍手です!
藤沢周平「雪明かり」、2006.11発行、再読。8話が収録。恐喝、入墨、潮田伝五郎置文、穴熊、冤罪、暁のひかり、遠方より来る、雪明かり。どれも哀しく、そして切ない。でも、長く生きていると、どの物語も以前どこかで見、聞き、経験したような気持ちになる。懐かしささえ覚える短編8話。冤罪と雪明かりには、二人の行く末に光が。
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改訂版短編集 相変わらずの藤沢節 恐喝 入墨 潮田伝五郎置文 穴熊 冤罪 暁のひかり 遠方より来る 雪明かり。
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2006年発行、講談社の講談社文庫。8編。ほぼすべて他の短編集やアンソロジーで既読。覚えがないのは『冤罪』のみ。『冤罪』武家物で家柄が上の家の息子が不正をするよくあるパターンだが、最後のシーンはちょっと笑える。明るい未来があるか。『雪明かり』最初のシーンから最後のシーンへ続く心の動きなどが秀逸だと思う
収録作:『恐喝』、『入墨』、『潮田伝五郎置文』、『穴熊』、『冤罪』、『暁のひかり』、『遠方より来る』、『雪明かり』、
以前読んだ作品:『恐喝』新装版 又蔵の火 (文春文庫)、『入墨』新装版 闇の梯子 (文春文庫)、『潮田伝五郎置文』代表作時代小説〈昭和50年度〉 (1975年)、『暁のひかり』新装版 暁のひかり (文春文庫)、『遠方より来る』竹光始末 (新潮文庫)、『雪明かり』時雨のあと (新潮文庫)、『穴熊』は既読感はあるが不明(読書メーター登録前?)、