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紙の本
ひらがなのちから
2007/10/13 23:17
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:半久 - この投稿者のレビュー一覧を見る
斎藤氏に「主義者」は似合わない。「○○主義宣言」も同じ。ところが、「それってどうなの」というミスマッチ風の語彙を冠することで、ご本人に似合った服に仕立て直してしまう。さすがです。『あほらし屋の鐘が鳴る』とかよりも(内容は悪くないですが)、ぐっとセンスアップしている。
「それってどうなの主義者連盟」を、略称「そ連」と呼ぶのも同じ。「それん」にある種の抵抗感がある身からすると、「おっ」と思わせられる。いとも軽やかに字替えで使ってしまう屈託のなさを、羨ましく感じてしまう。
《十年前と比べると、さわらぬ神に祟りなしというか、長いものには巻かれろというか、ものが率直に言いにくくなってるな、という気がしてなりません。》
私もそんな気がする。だからこそ、
《そうである以上、こちらにも何か「心の武器」が必要です。》
となる。そのための架空の連盟・架空のマニフェストではあるが、「そ連」どうでしょう?ということになる。
醒めた眼でみると「それってどうなの主義」は、「批判精神をもつことが大事」という古くからの戒めを、柔らかく言い換えただけだともいえる。
ただ斎藤氏は、同じ話の繰り返しを「聞き飽きた」と切ってしまう人でもある。私はそれは全面的には賛成しない。ケースにもよるが、同じことを何度でも繰り返して伝えていかねばならないことはある。しかし、仕込んだ酒は変わらなくても革袋を新しくした方が、耳目を引くためにはいいこともあるのだろう。
独特の表現センスをもった斎藤氏には、これからもユニークな惹句で、言論界を活性化していってほしいと思う。
本書の内容は、ここ10年くらいの間に、雑誌や新聞に発表されたエッセイをまとめたもの。その主張は、斎藤美奈子ファンなら大半がなじみ深く受けとめられると思う。収録にあたっては、後日談や註がかなり加えられている。これも斎藤氏の著書ならおなじみで、他の著者にも見習ってほしいところ。
今回も、たぶんに著者ならではの毒が振りまかれているが、これまでに何冊も接してきたためか、その毒にも慣れてしまった。展開を予想できるため、インパクトが薄れてしまっているものもある。
いい意味での芸のマンネリも否定しないが、ガラリと趣の変わった文章もたまには読んでみたい気がする。贅沢な願望ですけどね。
紙の本
斎藤美奈子、色んなものにあれこれと、いちゃもんをつけてみる
2008/12/29 20:11
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:読み人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
斎藤美奈子さんって色んな仕事をされていますが、
多分、某大手新聞の文芸書評も担当していて、書評家としてが一番有名なのではないでしょうか?
斎藤美奈子さんのエッセイです。ここ何年間かの雑誌、新聞、その他の記事を
集めて加筆(自身によるつっこみ&訂正&補正&補強)、再編集され一冊の本に纏められています。
因みにブック・デザインは、"情熱大陸"にも出ていた祖父江さんがやっています。
(白水社って祖父江さんみたいな価値感とは、正反対だと思っていたけど)
時事ネタは、流石に、そういえば、そういうのあったなぁって言う感じで少し古さも感じられますが、
色んなものをばっさバッサと斬りまくっておられます。
面白いなぁっと思ったのは、斎藤さんが言うところの"一億総親戚化"ですね、、。
日本は、よくみんな顔見知りの村社会なんてよく言われますが、
それをさらにもう一歩進めた感じでしょうか?。
後は、新潟出身ということで、新潟日報で掲載されていたテキストですね、、。
小さな新潟ネタが結構あるのですが、ローカルさが逆に新鮮です。
よくこういうエッセイって一つぐらい、それって言い過ぎだろうとか、
ちょっと暴走しちゃったなぁというのが、あるのですが、
本書は、それが、一つもなかったです。
それも、多分本書の主旨、それってどうなの?と
一応、止まって再考してみるという主旨から、過激さに繋がらなかったのだと思います。
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