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白川静先生の本が難しいという方にも読めるので漢字学の入門に良いでしょう。
易しい説明ながら非常に面白く興味をそそられることでしょう。
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非常にわかりやすい。白川漢字学、というか白川漢字道入門の一冊として、協力にプッシュします。この本を読むと、街の何ということもない看板の文字にも、命が吹き込まれてくるような気がするのが不思議。「道」などという時には、呪術性すら感じてしまう。なぜそう思うのかは……読んでからのお楽しみ。
それにしても残念なのは、漢字の簡略化に伴い、元の字の意味が全くわからない文字が多すぎること。簡単ならばなんでもいいのか。ここにもわかりやすさの弊害が一つ。残念なり。
2007.04.19-24
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(2007.03.08読了)(2007.02.28購入)
NHK BS2の週刊ブックレビューで紹介され、興味を持って読んでみました。
ある種のトンデモ本と同じような面白さを含んでいる本でした。
紹介されている漢字のすべてが呪術的な意味を含んでいます。漢字の一文字一文字が漢字を作った人たちの考え方が込められていることが分かります。
漢字の一つ一つを甲骨文字までさかのぼって研究した成果ということで、中国人以上に漢字のことに詳しい人のようです。
一文字一文字の説明に、現在の漢字、古い形の漢字、漢字の元になった分かりやすいイラストが添えてありますので、実に分かりやすい構成になっています。
●行(22頁)
「行」は十字路の形をそのまま字形にしたもので、大きな道路が交差している四つ角をあらわし、人の行く所であるから「いく、ゆく」の意味になりました。
●死は永遠(31頁)
尸(しかばね)という字は、死体が横たわる形を示しています。これが「屍」の元の字です。
この横たわる死体を後ろから木で支えている形が「久」です。死んで「永久の人」になることから「久しい」の意味が生まれた。
「柩」とは、その「永久の人」を木の箱に納めた形です。
「眞」は行き倒れで亡くなった人を示す文字なのですが、それが「真理」という意味に転化していきます。
●神と稲妻(44頁)
「申」の古代文字は、稲妻が屈折しながら走る姿なのです。古代でもっとも不思議で恐れられた自然現象は雷でした。稲妻は縮んだり、伸びたりして斜めに屈折しながら走るため、屈折の意味や伸びるの意味もあります。
「申」の字が多義化して、「かみ」以外の意味にも使われるようになったので、神への祭卓をあらわす「示」がついて「?」が作られたのです。
●除く(59頁)
「除」の左部分は神様が昇降する階段(又は梯子)の形です。神様が、その神梯から降りてくるのですが、神様を迎える土地に長い針を指して邪気を除去したのです。そのことを示すのが「除」なのです。
●伏す(103頁)
「伏」は、「人」と「犬」を合わせた形です。
殷・周の時代の古い王墓には、墓を守るために、武人とともに地下の悪霊を払う目的で犬が埋められました。これが「伏」の元の意味です。
●然(105頁)
「然」という文字は「月」と「犬」と「火」でできています。「月」は「肉」のことで、犬の肉を火で焼いている字形です。つまり犬の肉を焼いて、その匂いを神に届ける行為を表した文字で、肉が燃えるので「もえる」に意味になりました。
著者 小山 鉄郎
1949年 群馬県生まれ
一橋大学卒業
1973年 共同通信社入社 社会部
1984年 文化部
白川 静
1910年4月9日 福井県生まれ
1943年 立命館大学法文学部卒業
漢字学研究の第一人者
1981年 立命館大学名誉教授
文字文化研究所所長
2004年 文化勲章受賞
2006年10月30日 死去、享年96歳
(2007年3月13日・記)
内容紹介(amazon)
私たち日本人の生活になくてはならない漢字。毎日使っていながら、どうしてその形・意味になったのかは、なかなか知られていません。複雑で難しそう��見える世界には、一体何が隠されているのでしょうか? この本は、漢字学の第一人者白川静さんの文字学体系を基に、古代文字やイラストを使い、成り立ちをわかりやすく紹介します。学校とは全く違う楽しい漢字の授業の始まりです。
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身近な存在でありながら、実はその成り立ちを余りに知らなさすぎる漢字。その成り立ちを、わかりやすく解説してくれています。漢字の魅力を再認識できる本です。
(参照;http://blog.so-net.ne.jp/shachinoie/2007-07-01)
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最近、テレビ番組などで漢字の成り立ちが取り沙汰されることが多くなりました。その多くは生涯現役を貫いた漢文学の泰斗・白川静先生の研究によるものです。この本では白川先生の研究の成果である漢字の成り立ちを平易な文章で丁寧にわかりやすく解説しています。
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漢字とはこんなに面白いものなのかと実感。
旧漢字の方が意味として判りやすかったりしている。
別に推奨するわけじゃないけど、本来の意味が判らないで今の漢字にしているのが悲しい。
白川先生じゃないけど、本来の意味を通すためにもキチンと直した方が良いと思う。
それと。
国語の授業で こんな解説なら忘れない といえるものが沢山ある。
つーか、忘れようがないだろうって程恐い漢字がある。
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購入した本。
面白かったです。
白川先生の文字学が正解だとは思ってないのだけれど、
こんな国語の授業があれば、もっと漢字を楽しく覚えられたかも。
ただ、画数が多くてもそこに意味があるのならば、安易に書きやすくしちゃダメだよな。
漢字に限らず、だけど。
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口は、祝詞をいれる箱の意味だったんだ、とか
真(眞)は死、不慮の事故で死んだ横使者を意味し、もうこれ以上変化しないものだから永遠のもの、真の存在といいう意味になったんだとか、
子どもに名前をつける時は、絶対これをみて確認しようと思った。
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漢字のなりたちや本当の意味にびっくらの1冊。
たしかに興味深いけど
1冊まるまる同じ論調なので途中で飽きまシタ。
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へー、なるほど、と思うことばかりの連続。知的刺激の連続。
白川静さんて本当にすごい人だとおもう。
最初に出てくる、右と左の漢字が意味することから漢字の海を漂うような感覚を味わった。
右と左のナの違い、書き順が違う理由も、ストンと頭の中に入りました。
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あの「白川先生」に、この1冊で漢字が学び尽くせるとも思えないけれど、漢字の成り立ちや世界がイラスト入りで紹介される。ちょっと余白が多すぎ?とも思うのは、こちらが欲深いからだろう。すべて憶えることは叶わないから、ときどき開いてみる。「あとがき」がいい。
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漢字の成り立ちは国の政治(呪術,軍事)に関連するものが多い。犬は災難な時代だったな。読んでいて面白いし,白川静氏は文化勲章を授与される文字学の第一人者ではあるのだが,この漢字の解釈の妥当性はどこまで共有されているのだろうか。
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漢字とわたくし
幼時よりなぜか漢字に親しんでゐたわたくしは、小学校入学前に小2までに習う漢字をほぼ覚え、小学1年生の終りには、小学校で学ぶ漢字はおほむねマスタアしてゐました。「すごいねー」と周囲が褒めるので、わたくしはたちまち天狗になり、親は「神童か!」と期待した模様です。もちろんさういふことはございませんでした。結局「二十歳過ぎれば只の人」どころか、極端な慇懃無礼さをもつ、いびつな人間になつてしまひました。
ま、それはともかく、漢字好きのわたくしは、プライヴェイトで文章を書く時は可能な限り漢字を駆使するやうになりました。常用漢字など糞喰らへ。現在はまた考へが変つてゐます。大人になつたといふべきか。この文章も漢字が少ないですね。若いころのわたくしには考へられない文章と申せませう。
漢字は元来すこぶるシステマチックなものであります。法則性に気付くと面白く感じます。新字体ではピンと来ない部分もあるのですがね...
『白川静さんに学ぶ 漢字は楽しい』は、タイトル通り白川漢字学のさはりを楽しめる書物であります。
例へば「辛」といふ漢字。つらいとか、からいなんて読みますな。音読みはシン。この辛さは、元々入墨を入れるときの痛みを表してゐるさうです。
「辛」と「女」を組み合わせて「妾」。額に入墨をされた女性のことだといふことです。
「妾」の男性版が「童」。受刑者として入墨をされたので、「奴隷」「しもべ」の意を持つ。その労働歌が「童謡」。現在と違ひ子供の歌ではなく、恐れられたのであります。
こんなふうにテムポよく漢字の謎を解き明かしてくれます。快感であります。
頭から通して読んでもいいし、気になる漢字から見てもいいでせう。
比較的新しい本なので、入手も容易であります。良いことづくめなので、興味を持つた方は是非どうぞ。
http://genjigawakusin.blog10.fc2.com/blog-entry-166.html
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リズムにのるまでに時間がかかったが、内容に入り込んでからはスラスラ読み進めることができた。
一見、漢字の成り立ちの物事でカテゴライズしているように見えるが、全編一貫して「サイ」という、神事の道具が関連している。
本書を読むことで、漢字の成り立ちよりも、古代中国の物の見方や考え方をしることができて面白い。
これらの知識が自然と湧き出るような人になりたい。
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漢字の成り立ちについて、いくつかの種類に分けて系統だてて解説されている本。あとがきにもある通り、この本を漢字を実際に習う年齢の時に読んでいたら、関連するいろんな漢字をいっぺんに学ぶことができて良かっただろうなぁ、と思いました。
とは言え、紹介されている漢字の中には常用漢字ではないものも多数含まれているため、大人でも読むに値します。教養として読んでおいて損はない。