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紙の本
中国版「ロッカーのハナコさん」登場!
2007/02/12 15:40
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:星落秋風五丈原 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ドラマ化もされた石井まゆみの人気漫画『ロッカーのハナコさん』のヒロインのように、主簿解(役所)に住みつき、時には主簿の手助けをする。その名は英華、鬼仙である。妖かしの存在ならば、ただただ人間を脅かして喜んでいる存在かと思いきや、美声年と恋仲になったりと、なかなか人間臭い。自分を追い払おうとする祈祷師を
「あたしは下等な狐狸妖怪じゃないぞ!」と一喝するコワ〜い面もあれば、ご主人様を必死で守ろうとする狐に免じて、命を助けたりと、情のある所を見せる。氏の軽妙な語り口もあってか、このキャラクター一つで物語がいくつも作れそうな、なかなか魅力的なキャラである。
一種のイタコのような神降ろしで出会った女性に心惹かれた青年の物語『夢の女』では、この主筋にもう一つの純愛物語が絡んでいる。『犬と観音』は、「吾輩は犬だ。わんわん」と夏目漱石の『吾輩は猫である』を彷彿とさせるオープニングから、「南無観音菩薩」を唱えるエンディングまで、パロディ精神に満ちている。『小琴の火鍋』は、食通を唸らせる料理の達人の女性のサクセスストーリー。この4篇の中では、やはり英華が大活躍する表題作が一番起伏に富み面白い。この他エッセイ『唐山奇談』『仙女と温泉に入りそこねる話』を収録。『仙女と温泉に入りそこねる話』では、楊貴妃と同衾や風呂を望むが、「福分」がなくどうしてもできない男の悲劇(?)が登場。超人的な力を持つ妖かしの者達と人間との交流を、無理と知りつつ、つい夢見たくなってしまう。
紙の本
妖怪怪異潭の佳作小品集
2007/03/10 15:24
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:萬寿生 - この投稿者のレビュー一覧を見る
佳作小品集。第5回ファンタジーノベル大賞優秀賞「酒仙」の著者が書いた妖怪怪異潭である、というので読んでみた。「酒仙」では、世界中の酒に関する蘊蓄と中国神仙思想的な背景設定が、とぼけたおかし味があり、酒飲みには魅力的なファンタジーであった。今回は、宋時代の伝奇集を種本として翻案した作品集である。芥川龍之介の作品や円朝の怪談牡丹灯籠、あるいはもっと古くは、今昔物語や古今著聞集でも中国文学からの多くの翻案がある。妖怪変化に関する一種の怪談であるが、恐怖より人間の心理の機微をついた人情話的雰囲気の方が勝っている。東洋の怪談小説は西洋の恐怖小説とはかなり違うものである。恐怖小説は異質なものによる恐さを強調するものが多いが、怪談には恐怖だけではないものがある。砂漠の思想・肉食の思想と森林の思想・草食の思想との差がこのようなものにも表れているのであろう。
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