紙の本
家にまつわるシニカルな短編集。でも、連作じゃないよ。
2011/07/11 11:24
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:惠。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
家にまつわるちょっとシニカルな短編集。
先は読めるのだけれど、文章が安定していてすらすら読める。
歌野さんはたまに、トリックに力を入れすぎるあまり、雰囲気読みのわたしにはストーリーに魅力を見出せないこともあるのだけれど、本書収録の短編はすべて好みだった。
とはいえ、本書を「好み」と公言するにはすこし勇気がいる。だって…人間性を疑われそうなのだもの(笑)。つまり、それくらいシニカルな作品集ということである。
どれもこれも好きなので、一番は決められない。
あぁ、すごく贅沢だな、この台詞(笑)。書いて初めて気づいたよ。
シニカルな作品を好んで読むので、楽しむために読む本読みとしてわたしは(自分でいうのもなんだけれど)目が肥えている方だと思う。だから、こういう作品で完全満足できることってほとんどないのだけれど、本書には文句のつけどころがないくらい、楽しい作品が詰まっていて、大満足な一冊だった。
『家守』収録作品
・人形師の家で
・家守
・埴生の宿
・鄙
・転居先不明
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短編集。家というより家族の闇でした。可もなく不可もなく70%ぐらい?
「鄙」の恭一さんがなんかツボだった。
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2010/12/15〜12/17
1年ぶりの歌野作品。
歌野氏の作品に独特の雰囲気(言葉にできないのがもどかしいが)があふれる、短編集。「人形師の家で」、「家守」、「埴生の宿」、「鄙」、「転居先不明」の5作を収録。どの短編も面白かったが、強いて言えば「埴生の宿」と「転居先不明」か。いやいや「鄙」も捨てがたいなぁ。お勧めです。
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ミステリー短編集。全5話。
家にまつわるミステリー。
概ね可もなく不可もなく。特に感慨もありませんでした(笑)ただ、最後の『転居先不明』はおもしろかった♪♪
梗概・・・主人公は、九州生まれの九州育ち。40年間田舎から出たことがなかった女は、夫の仕事の関係で東京へ引っ越すことに。引っ越してしばらくすると、出歩く度に誰かの視線を感じる。もしやストーカー?不安に苛まれ夫に相談する。初めは相手にしていなかった夫だが、数日後視線の原因が分かったと言う。それにはとんでもない理由があった・・・!!
ってな感じ。いやぁ〜オチがよかった。ありがちなストーリー展開だけど、最後までオチがわからなくって、読後背筋がゾーッとしました。
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人形師の家で、家守、埴生の宿、鄙、転居先不明の5作からなっている。かなりレベルの低い作品。人物の心理状態も、まさか、そりゃありえないでしょう?が多過ぎるし、トリックも絶対、無理無理の密室トリック・・え?読むに値しません。
2007.6
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初読歌野作品。なんとなく買ってみたものの、期待以上に面白い。全編通してハイクオリティだが、個人的には「埴生の宿」がお気に入り。ミステリにトリックが必要、って訳じゃないんだなぁ、と実感。
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どの物語も最後の最後までオチが読めなかったのは、さすが歌野作品といったところでしょうか(いや、単に私の推理力が足りないだけか?)。意図的にしろ、そうでないにしろ、人間という生き物の行為の怖さが存分に感じられました。
個人的に好きなのは「埴生の宿」。物悲しいけれど、なぜか心に残る物語です。ラストの描写に胸が締め付けられました。反対に一番怖かったのは「転移先不明」。こちらは思わずゾクッとするような怖さが味わえます。
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「家守」と書いて「やもり」と読みます
家にまつわるホラーな話5編の短編集。
【築30年は経とうかと言う古い家で
窒息死している主婦が密室状態でみつかった。事故死なのか?表題作「家守」家に隠り女性の人形ばかりひたすら作り続ける男
「人形師の家で」認知症の父のため大昔に死んだ二男によく似た男に二男のフリをおねがいして一芝居をうつことに「埴生の宿」】などなど。
どれもまぁまぁ面白かったです。
若干、先が読めちゃう所もあったけど印象に残る話でした。
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九州から東京の一戸建てを購入して移り住んだ一家。だが、引っ越したとたん、不気味な出来事が。なんとこの家には一家惨殺事件の過去が! 「家」に対する人の妄執をモチーフとした5編を収録。
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特に大掛かりなトリックがあるわけではないのに惹きつけられる。
「転居先不明」次いで「埴生の宿」が好み。
なんだかんだ言って人間が一番ホラー。
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5つのストーリーが盛り込まれた短編集です。
それらの話に共通するキーワード。
それが「家に篭る」ということ。
彫刻家、家守、ボケ老人、山村、いわくつき物件
「閉鎖的な環境」にスポットをあてた奇妙な事件簿。
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5つの短編集からなる作品。全ての作品に『家』が深く関わっている。5つの作品とも完成度が高くトリックもよく練られていると思う。
どれが良かったかは甲乙つけがたいが敢えて選ぶなら『家守』と『転居先不明』
『家守』は導入部分の描写が巧い。最後まで読んで、改めて導入部を読むとああ〜、そういうことか、と唸らされる。
『転居先不明』はちょっとブラックで捻りが効いている。ありきたりな謎解きとはちょっと違うラストが良かった。
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「家」に籠もる人間の妄執を巧みな筆致で描く、という裏表紙の言葉に惹かれ購入。
氏の作品は初めてなんですが……。
どんでん返しの魅力…というか、怖さを堪能させれる作品でしたね。
家に帰るのがちょっと怖くなる、妄執の五作品、そっと扉を開けて覗いてみませんか?
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特別派手な話があるというわけではないけれど、さすがに手馴れたかんじがして、どれもそれぞれ味があって安心して読める。「家」に絡む五つの短編集。建物としての家というより、概念としての家。人が集まればそこに「家」ができ、そこに狂気が生まれる。お気に入りは四つ目の話「鄙」で、これは小さな村のコミュニティを1つの家と捉えての話で、地味だけど味わい深く感じた。表題作の「家守」は導入部分のミスリードが良かったし、最後のシメとしてブラックユーモアが利いている「転居作不明」も良かった。
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・「who done it?」、「how done it?」ミステリー。
・5短編全てがしっかりとした内容で、読み応え満点でした。
・ナゾ解きだけではなく、背筋がゾクリと寒く愉しさも味わるかと。