殺意 みんなのレビュー

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投稿者：みーちゃん　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

実は、この現代ミステリー短編集 清張から有栖までの中で最も気になっていたのが、この松本清張と森村誠一の巻なんです。正直、今回の10人がどういう基準で選ばれたのか、もしかすると第二期、第三期と続いてバランスが取られるのか？なんて思いますが、ともかく仁木悦子、光原百合と全く逆の意味で、松本、森村の選出は意外です。
無論、私みたいなオバサンだって主人のような老人だって読みはしますが、基本的な対象読者年齢は小学生ですよ。それに清張か？誠一ありか？です。どういう作品が収められるのか、子供たちがそれをどんな気持ちで読むのか、もう興味深々でした。
カバー折り返しの言葉は
「現代ミステリーの
巨匠による
珠玉の短篇集
◆◆◆◆◆◆◆◆
仲のいい上司と部下だが、その上司
が毒殺された。その裏にかくされた
「殺意」、無名の若き俳優が映画に
でるようになり、次第に有名になる
が、そのために苦境におちいる「顔」、
万葉集の歌をもとに翡翠の産地探
しが始まるが、その仲間の一人が行
方不明になる「万葉翡翠」、掌編の
「部分」を収録。」
装画・挿絵はいとう瞳、装丁は、シリーズ共通こやまたかこ。収録作品の内容と底本を書けば
・部分 （『共犯者』カッパ・ノベルズ松本清張短編全集11／光文社）：翻訳を仕事としているために、家にいることが多い私のもとに、以前から好きではなかった義母がやってきた・・・
・殺意 （『殺意』カッパ・ノベルズ松本清張短編全集11／光文社）：判事古瀬嘉一が楽しみにするのは事件記録を読むこと。東京のＭ株式会社の営業部長が、秘書が席を外している間に変死した事件は・・・
・万葉翡翠（『共犯者』カッパ・ノベルズ松本清張短編全集4／光文社）：Ｓ大学の考古学助教授のところに出入している三人の大学生は、教授の語る万葉考古学、なかでも翡翠の出る川の話に魅せられて・・・
・顔 （『声』カッパ・ノベルズ松本清張短編全集5／光文社）：井野良吉の虚無的な演技が、凝り屋で評判の石井監督の目に留まりすうカットだが映画に出ることに。それがさらに認められて次第に有名になるが、彼には不安が・・・
・解説＝作家と作品について 山前譲
です。いやはや、児童もの全くなし。大人が読む作品をそのまま持ってきました。ま、清張が児童ものを書いたという気配はないので、これも当然なんでしょうが、こうやって今までの7冊と読み比べれば、あまりに印象が違います。無論、私は好きですよ、大人の世界。人間のドロドロした感情を、ファンタジーとしてではなく現実のものとして突きつける。
気になるのは、子供たちがどう受け取るかです。我が家の娘は、長女はやっと大学生になりましたし、次女は高校二年生になります。二人は、既に桐野夏生も京極夏彦も読んでいますから、清張を読んでどうこう、ということはないでしょう。とりあえず、読ませましたが反響はありません。
でも、これを小学生が読むとなると・・・。これならば篠田節子、桐野夏生をラインナップに入れて欲しかったな、なんてあらずもがな、のことまで考えてしまいます。ともかく、どの作品も水準が高い。改めて清張全集を読み直したくなりました。年かな・・・

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投稿者：ぽんぽん　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

子供向きにしてはちょっと怖いかもしれないけど、面白かったです。
人間の感情はねー、身勝手なものもあるよねー。
顔が気に食わないって…！困っちゃーう！