投稿元:
レビューを見る
みずほ総合研究所が発行する月刊誌『Fole』で連載された「クローズアップ! ニッポン企業の底力」に取り上げられた企業のうち、19社を紹介している(他に30社は『中小企業ですがモノづくりでは世界でトップです』で紹介されている)。
成功した中小企業にスポットを当てたケーススタディのようなものだが、通読して感じるのは「成功にセオリーはない」ということだ。
つまり、あるひとつの技術を徹底的に極めることで成功した企業もあれば、新しい技術に移行したことで成功した企業もあるし、特注品だけ手がけるメーカーもあれば、量産能力に活路を見出すメーカーもある。顧客より先に中国工場を付くって相手の進出を待っていた会社もあれば、国内にこだわって顧客を引きつける会社もある。
むりやり共通点を見出すとすれば、経営者がしっかり状況を見据えて判断を下してきたということだろうか。結論がどうあれ、必ずその理由を明確に示している。
あらゆる物資が値上がりする昨今では、多くの企業が経営戦略の見直しを迫られているだろう。変わるのか、守るのか、追うのか、待つのか。ただ時代の変化に流されるだけの企業が生き残れないのは間違いない。そしてそれは、企業の規模には関係ないと思われる。