紙の本
雪の山荘で
2024/01/19 23:06
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
『雪の舞台+殺人鬼』というワクワクするシチュエーションのシリーズ作品。
シリーズといっても前後に繋がりはないので、どこからでも楽しめます。
今作は、時空間を移動するワームホールが存在するのか?というオカルト要素を盛り込み、複雑なミステリ作品に仕上がっていました。なんというかパズル小説ですね。人間ドラマや動機は置いておいて、雪の山荘で連続殺人が起きて犯人は誰だ?系が好きな人向けです。
投稿元:
レビューを見る
2007年2月10日購入
2011/4/28〜4/30
二階堂黎人氏と黒田研二氏の合作。
東京のラブホテルと遠く離れた千年岳で起こる連続殺人事件。東京では犯人は誰にも見られずに姿を消し、千年岳では、雪山の山荘というクローズドサークルの中で仲間が殺されていく。鍵をにぎるのはkiller X。二つの事件の関係は?
ワームホールまで持ち出した大掛かりな舞台設定。どう収集をつけるのかと思ったが、なるほどなあ。三部作の二作目から読んでしまったのが、ちょっと失敗。一作目は買っていなかったので、買わないと。
投稿元:
レビューを見る
キラー・エックスシリーズ2。三部作の真ん中らしい。なのだけど、『白銀荘の殺人鬼』がキラー・エックス0とも云えると思うので、これを読んでると、今回のが先が読めてしまう。何か、綾辻行人の殺人鬼シリーズを彷彿とする。
投稿元:
レビューを見る
内容(「BOOK」データベースより)
オーストラリアの日本語学校の仲間15名が夏休みを利用して、日本のスキーのメッカ・千年岳にやってきた。おりしも千年岳では、タイムスリップ現象を引き起こす“ワームホール”の噂で持ちきりになっていた。一行はヘリスキー中、ある人物の思惑からツアーコースを外れ、“ワームホール”があると噂される場所へ来てしまう!そこで奇妙な殺人事件が発生!さらに一行の凄惨な未来を綴った手帳が出現する!はたして殺人者・エックスとは誰?“ワームホール”の謎とは!?本格推理の旗手、二人による夢のコラボレーション・ミステリ。
内容(「MARC」データベースより)
日本のスキーのメッカ・千年岳。タイムスリップ現象を引き起こす「ワームホール」で奇妙な殺人事件が発生。はたして殺人者・エックスとは誰? 本格推理小説家二名による、書き下ろしコラボレーション・ミステリ。
投稿元:
レビューを見る
予想できる範囲だったのが残念。
3→1→2と読んでしまったので、○○は○○とかがわかっていたのも残念。
というか3→2は間違いだったなぁ…。
勝手にこのシリーズはクローズドだと思っていたけれど、そうでもなかった…。
投稿元:
レビューを見る
雪の山荘、シリアルキラー、予告殺人など、本格のガジェット満載で興味をそそられました。
四つの話が細かく切り替わるのでやや読み難かったものの、一点に集約される終盤の展開はなかなか読み応えがありました。
ワームホール(タイムスリップ)が存在しないと仮定した場合のフーダニットは伏線が凝っていて良く出来たロジックでしたが、その後、ワームホールが存在しないと成り立たないことになるので、あまりすっきりしない読後感でした。
投稿元:
レビューを見る
〇 概要
千年岳スキー場では,奇妙なタイムスリップ現象が噂されていた。そこへ,オーストラリアの日本語学校のグループが訪れる。一行は,ある人物の企みでコースを離れてしまう。突然,一人が不可解な死を遂げ,その後,遭難した一行は,山小屋を訪れる。山小屋には,一行が凄惨な死を遂げるという未来の事実が記載された手帳があり…そのとおりに殺人が起こる!果たして,この不可解な現象に,論理的な解決がつくのか?本格ミステリの雄,二階堂黎人と黒田研二による超絶ミステリ
〇 トリックなどのノート
〇 キラー・X=謎の殺人鬼
正体は嶋山香織(本作ではチサト)
〇 叙述トリック
「シズコ」=倭文子を,「フミコ」と登場人物に読ませ誤認させるトリック
「シューラ」=「アレクサンドル・カレンズ」
「ビル」=「ウィリアム・ブレイク」
「グレッグ」=「アンドリュー・ブラッドバリー」
「ネッド」=本名は不明
「コーリャ」=「ニコライ・グカーエフ」
「チサト」=「嶋山香織」≒竹下千里?
「ジニー」=「バージニア・スミス」
〇 被害者
ネッド→グレッグ→シューラ→ビル→コーリャ→ジニーの順番で殺害
〇 牧野尋美の謎。本当にワームホールを通ったのか。
〇 ジニーを襲った際のトリック
液体窒素を使って,湯気を出し,濡れていないのに濡れているように見せた。
〇 山から下りてきた謎の遭難者の正体
柳倭文子=フミコ。今作ではワームホールは本当に存在し,倭文子と牧野尋美はタイムワープをしている。
〇 未来を予言する手帳のトリック
前日分を録画した朝の占いを見せ,ラッキーカラーのスキー板を選ばせる。
〇 連続殺人の犯人はコーリャ(ニコライ・グカーエフ)とチサト(嶋山香織=キラーX)
〇 総合評価 ★★★☆☆
好きな人にとっては好きな作品だろうが,嫌いな人はとことん嫌いだと思われる,リアリティ皆無の金田一少年の事件簿型のミステリ。個人的には嫌いではない。トリックとしては,外国人の本名と愛称を利用した叙述トリックがインパクトもあって結構気に入った。キラーXの部分は,この共同作品の根幹をなす部分だとは思うのだが,この作品では完全にノイズになってしまっている。キラーXを登場させずに,外国人の本名と愛称を利用した叙述トリックをメインに据えたシンプルな作品にすれば,バカミス度はやや下がるけど,完成度は上がったと思う。こういう,ファンタジーのような,ミステリ・ミステリした作品はたまには,読みたいと思う。読んでいるときは楽しい。
〇 サプライズ ★★★☆☆
サプライズは…ないわけではないが,詰め込み過ぎであまり衝撃はない。まず,キラーXの正体。シリーズモノなので,キラーXが女性で嶋山香織がキラーXであることは知っていたが,知らない人にとってはサプライズだろう。しかし,この手の性別の叙述トリックは使いふるされており,それほど驚けない。
シズコとフミコを誤認させる叙述トリックと,ニコライ・グカーエフとコーリャを誤認させるという外国人の名���と愛称を利用した叙述トリック。これにより,遭難した団体を誤認させている。時制の叙述トリックも使われているのだが,これはあまりに詰め込み過ぎで,サプライズが薄れてしまっている。
ワームホールについては,ラッキーカラーを使ったトリックもあるが,実際にワームホールが存在し,タイムトリップした人物がいる(少なくとも,牧野尋美と柳倭文子は作中でタイムトリップしている)という設定。これも,サプライズと言えなくはないが,さほど驚けなかった。
トータルで見ると,「ふーん」という感じであまり驚けなかった。「ああ…驚かそうとしているんだなぁ」と冷めた目で見てしまう感じ。★3どまり。
〇 熱中度 ★★★☆☆
こういう,本格ミステリっぽいというか,現実離れした話は結構好き。金田一っぽいというか,もうフィクション,ファンタジーとして読むイメージ。ただ,この作品は,メインとなる遭難パートと,キラーXによる殺人とその捜査のパート,本名が明かされる,別動隊が遭難しているときのパートの3つのパートに分かれているので,読みにくくなってしまっている。キラーXのパートがいらないのだ。これがなければだいぶすっきりしたと思う。どういうオチを付けるか気になって,熱中して読めた部分はあるのだが…★3で。
〇 インパクト ★★★☆☆
詰め込み過ぎると,どうしてもインパクトは薄れる。いや,むしろ,個々のネタだとインパクトが薄いからいろいろ詰め込んでいるのかもしれないが。この作品で一番インパクトに残るのは,外人の愛称と名前を利用した叙述トリックだろう。ばかばかしいとも思うが,インパクトはある。「アレクサンドル・カレンズ」とか,「ニコライ・グカーエフ」とか。インパクトはある。
〇 キャラクター ★☆☆☆☆
人間が掛けていないし,キャラクター性は乏しい。そもそも,シズコとフミコが同一人物とは気付かれないようにしないといけないわけだし,ニコライ・グカーエフとコーリャが同一人物と気付かれてもいけない。キラーXとチサトが同一人物と気付かれてもいけないわけで,これだけ制約があって人間が書けるわけもないし,キャラクター性を出せるわけもないのである。よって,推理クイズのような作品になってしまう。とはいえ,個人的には,こういう小説というより推理クイズというような作品は嫌いではないのであるが。
〇 読後感 ★★★☆☆
人間が書けていないので,これだけたくさん人が死んでもリアリティはないし,読後感もよくもないし,悪くもない。つまり,あとには何も残らない作品である。読んでるときはそれなりに面白いけど,後に栄養が残らない。食べてるときはおいしいけど栄養がないスナック菓子のような作品である。いや,それなりにおいしいんだけど。
〇 希少価値 ★★★☆☆
共同作品であり,推理クイズ的な作品。古典になりようがないし,ベストセラーになるはずもない。将来的には手に入りにくくなると思う。もっとも,手に入れたいと思う人がどれだけいる作品かはわからないけど。
投稿元:
レビューを見る
なるほど、whyとhowをうまく分けた作品。ところどころにあった違和感が解消される良い作品ではあるが、三部作の二作目なので最後を読まないとまだなんとも言えない感じもするなぁ〜。
ただ、ミステリーのためのミステリーになってしまっているのがいまいちかなぁ〜。