紙の本
ヒューマンエラーを防ぐ知恵
2009/10/19 11:16
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:けら - この投稿者のレビュー一覧を見る
病院にて医療安全対策を行うことになり、何をどのように学習していけばよいかわからなかった時に、この本の存在を知り購入しました。医療に関する事例なども書かれていて(他の事例も含めていろいろ書かれています)勉強になります。しかし、実際に応用しようとする際にどのように実施していけば良いのかが分からないかもしれません。初心者の私だからそう思うだけかもしれませんが・・・。経験があるかたなら、著者が書かれていることからすぐに応用に持って行くことも可能かと思います。
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“安全に携わる人びとの役に立つことを第一の目標とし、ヒューマンエラーによる事故を防ぐ方法を提供することに力点を置いています”という本書は、様々な具体例を挙げつつ対策の立て方を示しています。
読み物としてはそれなりに面白いものの、個人的には少々物足りない読後感でした。工場で働いていた時は定期的に安全巡視などに参加し、災害が身近で発生したことも何度かありますので、研究者である著者の語り口からは切実感が伝わってこないのです。
災害対策の入門書として新入社員に読ませるくらいにちょうどよいかと思われます。
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[ 内容 ]
事故のきっかけになる人間のまちがい、ヒューマンエラー。
それはときとして深刻な事故を招く。
甚大な被害をもたらすヒューマンエラーは、どうやって防げばよいのか。
本書では、事故の発生する過程に注目して、事故をその構造から捉え直し、ヒューマンエラー抑止の理論を考察。
さらに、すぐに役立つ実践的なテクニックの一端を、問題形式で紹介する。
[ 目次 ]
第1章 ヒューマンエラーとは何か
第2章 なぜ事故は起こるのか
第3章 ヒューマンエラー解決法
第4章 事故が起こる前に… ヒューマンエラー防止法
第5章 実践ヒューマンエラー防止活動
第6章 あなただったらどう考えますか
第7章 学びとヒューマンエラー
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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人間行動を情報学・認知科学から研究する工学博士による書。
エラーの起こる要因は1つの原因からなるわけではなく、「原因」「原因の原因」「原因の原因の原因」…。から成る。
どれを取り除くのが一番有効かを考えるべきというのが印象的だった。
トヨタの「なぜなぜ5回」と似てます。
加えて、エラーの事例と解決案が多数あり、実例に使えそうで有益だった。
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本書の文章そのものが誤解を招かないよう配慮されて非常に理解しやすく,読みやすい。問題の解決策は問題の立てかたによって決まってしまうので,必ず複数のパターンを検討する必要があるという点は重要。
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システムが巨大化し精密化する現代,もう40年ほど前から,大事故の主因は機械の故障から人間のミスに移ってきた。どんなミスがどんな事故につながるか,それを回避するにはシステムをどう設計するか。
事故の事例ですごいのは,84年,千人以上の付近住民が中毒で亡くなったインドの化学工場の事故(http://tinyurl.com/yguogmf)と,77年に空港の滑走路で747同士が衝突し600人近くが亡くなった事故(http://bit.ly/enuIHk)。史上最悪の航空機事故は,飛行中に起こったのではないというのに驚く。そういえば911はテロで事故じゃない。
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エラーについては今まで考えたこともないことが書かれてあり、非常にためになった。
いろいろと例を挙げられると、身の回りにもそれらの知恵があることを認識した。
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この本の構成としては、大きく二つの論点が話題になっています。
「 ヒューマンエラーはなぜ起こるか?」
「ヒューマンエラーの解決策・防止法」
この手の本はよくありますが、読みやすく、内容的に深く、そして実用的だと思いました。
特に、最後のヒューマンエラーを防ぐための28の方策は、ソフトウェアI/Fや運用手順などを考えるときの指針として作業にあたる前に読み返してみようと思いました。
読んだ中で、面白かったのは、悪魔の証明のくだりのところです。
「ドコカニ・イルカーモさんがいる証明」は簡単だが「ドコカニ・イルカーモさんがいない証明」は非常に難しい。同じように「事故が起きない証明」も非常に困難。(つまり、想定した使い方で、想定した環境ならば、想定した形での事故が起きないという証明しかできない。)
今の原発の安全宣言で色々な議論がありますが、この本を読んでから議論すれば、もっとよい議論ができるのではないかと思う本でした・・・。
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ヒューマンエラーについての本を初めて読んだ。(他に比べるものがないので星4つはテキトウです。)
一つのエラーをとっても、見る人によって何を原因とするかが違い、何を原因をするかによって対策も違う。それを具体的に書いてくれているので、視野が広がる。
第6章の「あなただったらどうしますか」では、いくつも例題が出されており、著者の解答が添えられている。クイズ感覚で面白い!
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本書は、ヒューマンエラーについての入門書です。
本書では、ヒューマンエラーを「事故のきっかけになる人間のまちがい」と定義付けています。
ヒューマンエラーの例として、肺を手術する患者と心臓を手術する患者を取り違えて手術してしまった事故、飛行場の滑走路での飛行機同士の衝突事故をあげています。
ヒューマンエラーが大事故の原因になる問題点として、以下の3点を挙げています。
①ヒューマンエラーはどこでも起こりうる
②ヒューマンエラーは被害の量を予測しにくい
③ヒューマンエラーは防ぎにくい
本書では、なぜ事故が起こるのかを解説し、ヒューマンエラーの解決法、防止法、防止活動を学ぶことができます。
問題が発生したときは、最低6通りの捉え方をすべきと説明しています。
問題を妥当に捉えることが意外と難しいと言っています。
ヒューマンエラーの防止法として以下の3点を挙げています。
①作業を行いやすくする。ヒューマンエラーの発生頻度を抑制する。
②人に異常を気付かせる。損害が出る前に事故を回避できるようにする。
③被害を抑える。小さな事故が大きな事故に発展しないようにする。
ヒューマンエラー対策の問題点として、解決法が見つかったとしても、その方法で絶対にミスが起きないと証明できない、ヒューマンエラーの原因の第一位を取り除いても第二位が第一位に繰り上がるため、完全にヒューマンエラーをなくすことは難しいと説明しています。
また、事故は誰の責任かを問うと、事故予防から遠のくことを注意しています。
人間が作業するという性質から、ヒューマンエラーをゼロにすることはできなくても、限りなく少なくすることはできます。
ミスを減らすためにも、ミスそのものについて知ることは重要です。
専門的なテーマではありますが、本書は実用を目的に書かれているので、仕事にも活かせる内容となっています。
ぜひ読むべき一冊です。
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ミスはなくなるか ―
http://www.kagakudojin.co.jp/book/b50044.html ,
http://www015.upp.so-net.ne.jp/notgeld/sotsuron.html
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着眼点を学ぶには、読み易く、かつわかりやすい解題がされており、系統的にこういう領域を学ぶには良い一冊です。個人的には、トヨタ生産方式のトレーナー研修で学んだムダトリのポイントとの共通点が多々あり(特にポカヨケ、工数削減など)、改めて勉強になった。
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読み終わりました。ヒューマンエラーってよく聞くけどそもそも何なのか?どのように危険なのか?それを防止するためにはどうすればよいのか?などの様々なポイントを平易に書いてくれている一冊。
ヒューマンエラーは「深く考えずに、なんとなく行っていた」ということが多いというのは非常に納得。説明的理解に到達している事柄は間違いが起きにくい。ヒューマンエラーを直接的に防ぐ方策も必要だけれども、やはり「物事を説明的なレベルで理解する」ということがエラー防止にはとても良いのだと思った。
あと、情報共有してトンボの目で物事を多角的・複眼的に捉えること。結局、ヒューマンエラーを起こさないためにはツールもよいが「ヒューマン」そのものをしっかり育てておかないといけないのだという、割と当たり前の結論になるのだと思う。当たり前ではあるけれど、一周回って到達した当たり前だけに、深い。
良い本でした。
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読む前は硬そうな本だ思っていたら、非常におもしろい本でした。
著者は人間の行動メカニズムを情報学・認知科学の観点から研究されている方で、企業のヒューマンエラーに関するコンサルタントも請け負っているようです。
著者によれば、ヒューマンエラーとは簡単に解明できない問題とのことです。
一見、人的な要因の事故であっても、そこに至るまでの原因は複数の事象が複雑に絡み合っているもので、本書では多種多様な例を挙げて、これを検証しています。
事故とは麻雀やトランプの役のようなものという例えがしっくりきました。
本書のタイトルからは連想されないような、哲学や古典からの引用も多く、非常に興味深く読ませていただきました。
純粋におもしろい本だと思います。
幅広い視点で問題を追及する実践的な方法が書かれているので、「職場でミスが多発して困っている」というような方にはヒントがあるのではないでしょうか。