投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
登場人物の描き方とか、物語りの展開もおもしろかった。
だけど、やっぱり吉田さんの小説にでてくる女性があまりすきじゃない。
だから★みっつ。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
博多と三瀬峠と長崎の話!
千代に住んでる保険外交員が出会い系でしりあった長崎の青年に殺される話。
なつかしき地下鉄千代県庁駅や鉄鍋餃子(うま!)、三瀬峠が出てきて興奮した。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
初めての吉田修一作品。
自分の自尊心のために男の心を踏みにじり傷つける女と、純粋な心を持つが故に、心を踏みにじられたことで衝動的に女を殺してしまった男との物語。
殺人事件の被害者と加害者。この関係だけを見るとどちらが悪人なのは明らかだ。しかし、事件の背景を見たときに男だけが悪人だと言いきれるのか。人の心を破壊することは罪ではないのか。悪人とは。そんな問いかけをされているような気がして自問自答しながら読んだ。
これは小説だが現実に起こった事件だとして、裁判員に選ばれ、加害者を裁く立場になったとき自分はどうすべきなのか。本質をつかむ難しさを改めて感じさせられた。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
一つの殺人事件を軸に、その周囲の人物を一人一人掘り下げて丁寧に描いている。全員がいろんな感情を抱えながら各々の人生を歩んでいるという当たり前の事に気づかされる。それぞれの言い分にいちいち共感してしまい、善悪の分別がつかなくなった。誰もが悪人であるような、全員悪人でないような。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
人間の黒い部分を、見事に炙りだした作品。
これでもかというぐらい、心のどす黒さを、読者に突きつけてくる。知りたくない、見たくないのに、ページを捲らざるをえなかったのは、筆者の巧みなプロットや筆力だろう。
筆者は男性なのに、女性の深層心理を理解し描いているなぁと、脱帽。
数か所にわたり泣きながら読んだが、なぜか、結末は「これでよかったんだ」と納得。涙も乾く一冊。
吉田修一さんの作品は初めて読んだが、他のも読んでみようと思う。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
【なぜ、もっと早くに出会わなかったのだろう――携帯サイトで知り合った女性を殺害した一人の男。再び彼は別の女性と共に逃避行に及ぶ。二人は互いの姿に何を見たのか? 残された家族や友人たちの思い、そして、揺れ動く二人の純愛劇。一つの事件の背景にある、様々な関係者たちの感情を静謐な筆致で描いた渾身の傑作長編。 】
タイトルの“悪人”って誰の事を指すんだろう。
殺人は当然悪い事。殺された佳乃に気持ちが入らないのはきっと、嫌な面をさんざん見せられてるからだけど、だけど、だからって殺されて当然とは思えない。
祐一には同情も感じるけど、だからって殺人を犯す事を正当化する理由にはならない。
法で裁かれるのは祐一だけど、佳乃・増尾・一緒に逃げていた女性(名前失念・・・)それぞれが加害者であり被害者なのかも。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
一つの殺人事件にかかわった、被害者、加害者、友人、同僚、家族の
動きと心情が微妙に重なりながら描かれる。
読み終わってからも、色々考えてしまう。
久しぶりに何回も読み直したい本。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
この作家の本は読んだことがなかったのですけど、この作品が「このミスがすごい」で17位に入り、「このミステリーが読みたい」では7位に入り、ちょっと興味がわき読みました。直木賞作家じゃなくって、芥川賞作家というところに純文学というハードルを感じてしまい、なかなか手にしなったのですが、読んでみると、、、これはすごい!!
単純な殺人事件をこれだけ多方面に視点を変えて語らせて、それがドキュメンタリータッチになり緊張感を生んでいます。読み始めたあら本当に止まらなくなり、ついに午前2時まで(いつもは午後11時就寝)読み切ってしまったほどです。
ミステリーというのはちょっとジャンルが違うかもしれないので、それぞれ順位が低いかもしれませんが、内容的には大変な力作のように感じました。
表題の悪人とは誰のことだろう?被害者の女か、加害者か、、、それ以外にも普通の人間が悪人になりうる危うさも描かれていると思います。出会い系サイト、携帯、車、売春、悪徳商法、介護など、今の日本のさまざまな問題を凝縮したようなことが小道具のように出てきますが、私は最初に読み始めた時からずっと恐い感じがしていました。その恐さは被害者女性に演出させている「虚構」と「現実」の間にある深い谷のように感じたものです。娘を持つ身としては、、、心配なことが多いものですね。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
いったい何が悪人なのか?
人を殺した人か?殺される人なのか?人を愛した人なのか?復讐する人なのか?
優しすぎる人なのか?優しさに気づかない人なのか?情に欠ける人か?
偽る人か?騙す人か?愛を求められた人か?不器用な人なのか?
・・・・「悪人」を吉田修一らしい視線から、クールにそしてリアルにとらえた作品。
吉田修一の新たな世界観を感じたが、『最後の息子』や『熱帯魚』など初期の作品にも通じるものを
残しており、これからもますます楽しみな作家です。
好きな作家ということで若干の過大評価はあるかもしれないが、他の作家とは違う視線を
持っている作家だと思います。
短い本ではないがすぐ読める。
読書の楽しみの一つに頭の中で実際の情景を思い浮かべるというのがあるが、
この作家の作品はとても心地よく思い浮かべることができる。
次回作にも期待!
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
読みにくくて何度も中断した本。「ダヴィンチ」のプラチナ本になっているのを知って、再読した。
結論は「読みとおしてよかった」。
祐一の人生、光代の人生、大学生の増尾圭吾、殺された佳乃の父の思い、祐一の祖母の思い……読み終わった時に登場人物のそれぞれの生き方がずっしりと重く響く。
作成日時 2007年06月10日 10:10
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
朝日新聞の約10ヶ月の連載小説、そして420ページというボリュームながら、一気に読めました、いや一気に読みたい小説でした。
出会い系サイトがらみの犯罪や、バスの乗っ取りや高齢者を狙った催眠商法など実際にあった事件を盛り込みながら、人の暗部を静かに、そして深く描く筆遣いは読み応えがある本だな、と思った。
後半の、主人公であり最終的な殺人犯祐一と、光代の逃避行は最初は冗長に感じた。でも、終わりのない逃避行、安易な安らぎというのが、非常にむなしいんだけど、とても切なく、いい意味での薄っぺらな時間が感じられて、この物語の収束にはとてもふさわしく思えた。
特に、最後に3人の登場人物による告白(独白)、淡々としながらもすごく切なくて読んでよかったと思える1冊でした。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
★…4.5くらい。読み終わった後、とってもやりきれない気持ちになった。出来事の輪郭だけなぞって一人の人間の性質を判断することなんて出来ないけど、この本を読んでたら余計わかんなくなった。読了後にタイトルの「悪人」という言葉が胸にズンと沈み込んでくる感じ。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
誰が悪人なのか?
なにが悪なのか??
殺人は絶対に悪だが、それでも。
そう考えさせられる。
とてもとても悲痛なお話。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
朝日新聞に連載されていたのは知っていたのです。
タイトルロゴが特徴的で、気にはなっていたのです。
でも、少し前に「メタボラ」で連載小説を毎日読み続けることに挫折してしまったため、もう辞めておこう、と思ってしまったのです。
読んでおけばよかった……!(ノД`。)
犯人は果たして「悪人」だったのか。悲しい物語であり、問いかけに胸が痛む作品でした。いや、私は胃が痛い。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
「アンタ、大切な人はおるね?」
「その人の幸せな様子を思うだけで、自分までうれしくなってくるような人たい」
「おらん人間が多すぎるよ」
「今の世の中、大切な人もおらん人間が多すぎるったい。大切な人がおらん人間は、
何でもできると思い込む。自分には失うもんがなかっち、それで自分が強うなった気に
なっとる。失うものもなければ、欲しいものもない。だけんやろ、自分を余裕のある
人間っち思い込んで、失ったり、欲しがったり一喜一憂する人間を、馬鹿にした目で眺めとる。
そうじゃなかとよ。本当はそれじゃ駄目とよ」
080529読了