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果断 みんなのレビュー

  • 今野 敏 (著)
  • 税込価格:1,65015pt
  • 出版社:新潮社
  • 発行年月:2007.4
  • 発送可能日:購入できません

第61回日本推理作家協会賞 受賞作品 第21回山本周五郎賞 受賞作品

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みんなのレビュー93件

みんなの評価4.2

評価内訳

92 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

型破りの警察小説、『隠蔽捜査』で充分に楽しませてくれた個性、あの竜崎の再登場である。

2008/07/25 14:11

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:よっちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

第21回山本周五郎賞と第61回日本推理作家協会賞のW受賞のこの作品は警察組織を痛快に揶揄してのけるところ、前作を上回る面白さがあった。

やや詳しくこの作品の冒頭部分を紹介するが、冒頭ながらいくつか巧みなエピソードの組み立てに竜崎の個性が浮き彫りにされ、これから始まる本筋への期待をいやがうえにも高めさせてくれる、今野敏の脂の乗り切った筆の冴えが非常に印象的な導入だ。
高輪署管内で発生した強盗事件の犯人の逃走経路に大森署の管轄地区が入るかもしれないと大森署では主要なところに検問を設置するが、署長竜崎はそれとは別な場所にも設置するよう命令する。しかし署長命令は無視され犯人はそこから逃走する。結局犯人は警視庁機動捜査隊に確保されるのだが、同じ警視庁で高輪署を管轄する第二方面本部の管理官がメンツをつぶされたと怒鳴り込んできて難詰されるハメになる。しかし、竜崎は部下の失態を責めず、本庁のヨコヤリを平然と無視し颯爽としているわけだ。縄張り争いなどどうでもいいこと、警察組織全体として犯人拘束の成果が上がったことが何よりも大切だとする正論で大見得を切り、読者をうならせる。
そしてこの騒動に前後して興味深いエピソードが織り込まれている。どうやらこの程度の警察活動は副署長以下の仕事であり、お飾りである署長は区長や区議の出席する公園落成式に参列するのが常識らしいが、彼はそこへ向かう車の中でこの緊急配備を耳にし参列をドタキャンする。犯人の身柄確保がなされた後もこの落成祝賀パーティーへ出席を「国家公務員倫理規定」の原則論から断る。そして小中学教師やPTAのうるさがたで構成する防犯対策懇談会に臨む。税金ドロボーといわれかねない雰囲気ではあるが彼はその場に媚びることなく、逆に住民の果たすべき責任に言及しうるさがたをぎゃふんとさせてしまうのである。とてもとてもかっこいいのだ。

「息子の不祥事で、大森署長に異動した(左遷された)キャリアの竜崎伸也。その大森署管内で、拳銃をもった強盗犯の立てこもり事件が発生、竜崎は現場で指揮を執る。人質に危機が迫るなか、現場でそれぞれの立場を主張する捜査一課特殊班とSAT。事件は、SATによる犯人射殺で解決したかに見えたが………」

ところでこの『果断 隠蔽捜査2』だが、独立した作品ではあるが、前作の『隠蔽捜査』をまず読んでおいたほうがよい。前作の竜崎のほうがエリートのいやらしさも強調された生のままのおかしさがあったが、この竜崎はいやらしさが薄れ本来のエリートとして「立派なおとな」にやや成長したようである。流れで読むことによりこの珍妙な成長のプロセスをたどる楽しみが加わるからである。また、前作の続きで竜崎家のホームドラマも展開するが、ここでも彼は父親らしさがまして普通のお父さんに近くなっているところがある。

二つの作品を読んで気づいたことだが、皮肉たっぷりなのは間違いないのだがこの作品は警察機構に特有な組織ぐるみの悪事、不正を弾劾するという憤りの姿勢で書かれたものではない。どんな組織にでもありがちな不条理を面白おかしくさばいているようだとそんな気がしてくる。官僚機構ではない普通の会社組織に身をおいたものでも、どこか追体験している気持ちにさせられる。こんなところがまた型破りな警察小説だと感じるところだろう。

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2007/07/06 10:35

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2007/07/27 10:35

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2007/09/30 17:25

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2008/05/29 11:51

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2008/06/15 00:53

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2008/07/13 07:23

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2008/07/19 16:02

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2009/09/29 23:10

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2008/08/30 04:23

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