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プロメテウスの乙女 改版 みんなのレビュー

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みんなのレビュー17件

みんなの評価3.7

評価内訳

17 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

そのまんま映画にできそうな、これは「青春小説」です

2007/07/18 01:57

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:らせん - この投稿者のレビュー一覧を見る

書店の文庫コーナーでひときわ目立つショッキングピンクの表紙の本を発見。
手に取って見れば、赤川次郎さんの『プロメテウスの乙女』でした。
何でも改版で出版社を変えての再版とのこと。
懐かしくてつい読みふけってしまったのは、中学生の頃この本で読書感想文を書いて、当時の担任に激賞されたことがあったからです。
物語の舞台は近未来の日本(ちなみに本の初版は84年だそうです)。
武器輸出が解禁され、政権の右傾化と軍国主義の台頭が著しい社会。
良家の子女を選り抜きのメンバーにした民兵組織「プロメテウスの処女(おとめ)」は、独自の武装をもって社会秩序の維持、言論の統制にあたり、市民からは畏怖の対象、為政者からは純真な愛国者と称えられる組織だった。
武器輸出企業の社長令嬢で女子大生の二宮久仁子は「プロメテウス」の影の支配者である滝首相から「プロメテウス」の一員になるよう求められる。
時を同じくして、現政権に反対の勢力から、首相暗殺を狙って体内に爆弾を埋め込まれた3人の女性が送り出された……。
今はもう当時の感想文に何を書いたか覚えていませんが、恐らく右傾化した社会の恐怖と、全体主義への批判といった教師受けすることをそれらしく書いたのだと思います(担任は平和学習に力を注ぐ熱血社会科教師でしたから受けるに決まってます)。
まったく、今から書く感想と読み比べてみたいものです(笑)
大人の視点で読み返して最初に感じたことは、この本は実に「青春小説」だな、と言うことです。
主人公久仁子の青春が描かれた物語で、全体主義批判や軍国主義への警鐘の本などではないと言うことです。
裕福な令嬢として不足なく育ったであろう久仁子が何故、何をきっかけに、どうして体内に爆弾を埋め込みテロリストになる道を選んだのか、その経緯や内面の葛藤は一切書かれていません。
読者の前に最初に現れた久仁子は、既に体内の爆弾で首相を殺すという決断を終えています。
そして恐らくは標的の首相に近づくため「プロメテウスの処女」の一員になり、そこで傷つき摩耗し、果たして最期に彼女は自爆を選ぶのかどうか、久仁子の内面はやはり多くは語られません。
読者は彼女の行動を物語の進行とともに追体験していくことで彼女の語られぬ内面を推し測り、共感させられるこの手法は映画に近いです。
まるで映画『ニキータ』を観ているような感じで、タイトルをつけるなら日本風にベタに『テロリスト久仁子最期の日々』でしょうか?
この手法を前提に踏まえ物語を読めば、物語の本質は社会の右傾化や言論弾圧を批判するのではなく、その様な社会の業を背負って咲いた久仁子という女性を描いたことだと思うのです。
そして久仁子と同じく爆弾を埋め込んだ2人の女性の悲劇と、権力の走狗として政治利用される「プロメテウスの処女」たちの悲哀が徒花として脇を飾り、読み手の胸を打つ優れた「青春小説」になっていると思います。
ですからもしこの本を中学生の頃私が書いたように、全体主義批判、軍国主義批判の書と捉えるのなら、それは間違いとは言いませんが、もっとその任にふさわしい書は他にあるので、そちらを読まれた方が良いと思います。
しかしながら、此度2度目の文庫化、改版もされて装丁も目立つショッキングピンクというあたりに、出版社の力の入りようを感じます。
これはやはり物語の世界観が時宜にかなっている(平たく言えば売れる)と判断されたからなのでしょうか。
今実際に世の中が右に傾きつつあるのか定かではありませんが、その方向に進むことを憂う向きがあるのは多分に事実で、それ故のリバイバルかもしれないと思うと、映画的な青春小説としてこの作品を評価している私には、残念に思われてなりません。
最後に今回再読して一番違和感を覚えたことですが、それは主人公が女子大生なことです。
この本が出た80年代は女子大生ブームで、女子大生という存在に大きな価値があった時代でしたが、現在は女子大生では青春小説が希求する若さを感じられないように思うからです。
現在なら主人公は女子高生になるのでは?というか、私が作者ならそうします。
この20年間で女性の価値=若さといった風潮が広がったことを感じます。
既に若くない私としてはこの短絡的な価値観は否定したい所ですが、主人公が女子高生の方が時宜にかなうし、きっと売れるのでは?と思うと、またしても残念な気持ちになりました。

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紙の本

今読むと

2019/03/12 18:53

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る

レトロ感さえある昭和の近未来小説。
恐怖政治に立ち向かうレジスタンスたちの物語はなかなか読みごたえがあった。
赤川先生はこの路線で行って欲しかった。

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電子書籍

近未来バイオレンス

2016/06/26 11:41

1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:弥生丸 - この投稿者のレビュー一覧を見る

秘密警察の跋扈、言論の統制、首相親衛隊の暗躍。軍事産業の強大な資金力を盾に全権掌握を狙う滝首相は、2016年6月現在の首相がモデルか?と思うくらい。初版は昭和59年。この時代、赤川次郎氏は既に警鐘を鳴らしていたのだから凄い。

首相直轄の少女親衛隊プロメテウス。主人公久仁子は、ある日隊員に選ばれる。父親は巨大軍事企業の社長で、首相の信頼も厚い。ある目的を抱く久仁子は、プロメテウス隊員の地位を利用して首相に近づく。

不正義に憤る人間が次第に良心を摩耗させていく描写がいい。しかし、全体的には心理描写よりバイオレンス場面が目立つ。それが些か物足りないが、面白く読めた。

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2010/01/03 02:02

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2010/03/09 06:28

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2010/08/29 19:28

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2013/12/01 11:27

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2011/03/28 11:35

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2011/09/09 03:06

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2011/09/27 18:04

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2014/07/13 21:27

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2015/01/01 23:16

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2012/10/25 00:00

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