紙の本
日本での刊行は新しいけど
2017/03/23 21:55
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投稿者:igashy - この投稿者のレビュー一覧を見る
本来は1966年作品、冷戦真っ盛り、スパイもの隆盛期(でショーン・コネリーがボンド役だった時代)が背景。朝鮮戦争での脳への損傷で、眠ることができなくなり、その時間を使って語学を多数取得、論文代筆で生活しているタナーが巻き込まれるスパイ合戦、といった感じ。全体的に「ボンド映画のパロディ」なのかな。映画ほとんど見ていないので確信持てないけど。
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脳に銃弾を受けて眠りを失ってしまったが、その代わりに語学力と万巻の書からの知識を得たエヴァン・タナー。ギリシア-トルコ戦争時のアルメニア金貨が今もまだトルコ領内に埋もれているとの情報を得た彼は、金貨を手中にすべく旅立つが、スパイ容疑で逮捕された! 決死の脱出から始まるヨーロッパ大活劇。異能のヒーローが活躍する、ブロック初期の痛快シリーズ、ここに開幕!
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戦争の時のけがの影響で眠ることのなくなったタナーが、恋人(?)の祖母から聞いた話を元にトルコに金貨探しに出る。その間に偶然が偶然を呼び革命を起こしたり、イギリスの防衛システムスパイ容疑をかけられたり、東西両陣営からの追跡を受けることになる。最終的にどう落ちをつけるか疑問だったが、こんな手の帰国法がと納得。
眠らないことによってもたらされた時間をつぶすことから、語学堪能、博識になったタナーが主役のシリーズだが、とりとめの内容といえばそうだし、筋が通っているといえばそうだし、不思議な作品。
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18歳のときに頭に受けた銃創のため、眠れなくなったタナーの冒険。
なーんと1966年の作品なのだ。
なので、書かれている社会情勢はかなり微妙。が、そういうのが無問題に思えるほど、タナーは魅力的なのだ。
眠れなくなって、その時間を語学などの勉強に費やした彼は、世界のほとんどの語学と知識を得ている。でも、性格は謙虚。そして、クール。
このクールさ、つか、客観性は、のちのスカダーシリーズに生きていったんだろうなと想像される。
ともあれ、ひょんなことでトルコにある隠し金貨の存在を知ったタナーがそれを得るために、ヨーロッパを横断していく様子がメインになっている。
時に、はめられたり、八方塞になったりするのだけど、持ち前の冷静さで切り抜けていく様が、かっこいい。
帯に、「インディ・ジョーンズ+ルパン3世+007?」とあるのだが、こえが的を射ている。
このシリーズ、これから創元推理文庫で出る様子なので、楽しみだ。
やっぱ、ブロックはいい。
ブロックは上手い!!
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タイトルに「快盗」なんて書いてあって(「怪盗」じゃないことに今気がついた)、作者がローレンス・ブロックだから、どうしても別の泥棒のことを思い浮かべてしまうのだけど、これは全くの別物。どちらかというと(いわなくても)、スパイものである。いや、スパイもののパロディといった方がしっくり来る。
ヨーロッパを股にかけての旅をメインにした構成は、見方を変えれば「深夜プラス1」と同じような手段を選ぶ正統派なのだけど、ちょっとずつ正統派をずらしていくおかげで、気がついたら頭がぐらぐらするような気分になってくる。そこんところが、他では感じられない奇妙な味である。
一気に読んでしまうおもしろさなのだけど、少しすれた読者こそ本当のおもしろさを感じられるのかもしれないなと思ってしまった。単なる冒険活劇として読んでも、十分に楽しめるんだけどね。
2007/7/28
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楽しかった。確かに、アル中探偵マット・スカダーや、泥棒バーニィ、殺し屋ケラーなどとは違うけど、やっぱり魅せてくれるローレンス・ブロック。ありがとう!
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眠らない男、タナーの活躍。ルパンみたいに余裕たっぷり縦横無尽の大活躍なのかなと思ったんですが、次から次へと襲ってくる窮地を人脈と知識で切り抜けていく。結構その場のノリで動いてたりするタナーの行動も面白いですが、欧州事情のほうも興味深いです。複雑怪奇、しかしあらゆる組織の人が思ったよりすんなり信用してくれてますね。
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「快盗」タナーシリーズ第1弾。朝鮮戦争で頭に被弾してから、タナーは眠る必要のない人間になった。有り余る時間を利用してあらゆる書物を読み、多くの言語を習得し、世界の多くの政治的な団体の会員となり、世界に人脈を築く。ある日、ニューヨークのダンサーの祖母からトルコとギリシャが1922年に戦争したときに村全体の金貨を全て自宅の玄関下に埋めたという話を聞く。タナーはトルコに行くがイスタンブールの税関で危険人物と思われたのか、逮捕される。米国に送り返されるところを脱出し、アイルランド独立運動の会員を頼ってアイルランドへ逃げる。そこからいろんな団体会員の助けで警察の手を逃れながら、各地でさまざまな事件を引き起こし、最後にまたトルコに戻ってくる。さて金貨の財宝は得られるのか??本書は、007のようなアクションスパイでも、本格的な推理小説でもない。各国で事件を起こしながら逃げ惑う主人公の、おかしな楽しい冒険物語、「快盗」物語といえる。
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非常に醒めた目線で、しかしユーモアを交えつつ語るローレンス・ブロックの手法は既に発揮され、これはタナーというバカな設定を背負った主人公には不釣り合いなものである。しかし、そこがいい。設定、あらすじだけ聞いたらバカなんだけど、そう思わせないように慎重に描かれてる気がした。なんにしろ、上手い。
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1960年代的作品、美国。我羡他(Turner) 他是见异思迁也?有没有受欢迎? The Thief Who Couldn't Sleep
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敬愛するローレンス・ブロック初期のスパイ?もの。
ちょっとコメディ的で、面白い。シリーズがかなり出ていて、今後翻訳されていくということなので期待。
朝鮮戦争へ従事したエヴァン・マイクル・タナーは、戦争で銃撃された際、脳に損傷を受けて睡眠が必要なくなってしまった。その特性を生かし、除隊後は書籍を読み、言語を習得していく。
今回はそんな彼が、初めて国外へ出るという設定のお話。
アルメニア人のキティと知り合ったタナーは、彼女の祖母からアルメニアの隠し財産の話を聞く。トルコにとられていなければ、大量の金貨が祖母が昔住んでいた家に埋められているという。
その大量のソブリン金貨を目指して、タナーはトルコへ向かうのだが、トルコに降り立ったとたん、不穏分子として取り押さえられてしまう。
結局、トルコからアメリカへ強制送還されることになるのだが、その途中のアイルランドで、タナーは脱走を企て……。
さてタナーは金貨を無事に持ち出せるのか? という物語。
いわゆる「スパイもの」を皮肉った物語仕立てになっていて、とても面白い。
でもわたしは最後に出てきた人物と組織が、いったいなんだったのかはわからないままだ(笑)
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1966年の作品にしては面白い
設定も突飛だし道中のキャラも濃い
なぜか革命に巻き込まれるのはおかしみを感じた
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アメリカの作家ローレンス・ブロックの長篇ミステリ作品『快盗タナーは眠らない(原題:The Thief Who Couldn't Sleep)』を読みました。
『獣たちの墓』に続きローレンス・ブロックの作品… ここのところ、ローレンス・ブロックの作品が続いています。
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脳に銃弾を受けて眠りを失ってしまったが、その代わりに語学力と万巻の書からの知識を得たエヴァン・タナー。
ギリシア・トルコ戦争のさいに集められた300万ドル分の金貨が、今もまだ埋もれているとの情報を得た彼は、そっくり手にいれようと旅立つが、トルコで秘密警察に逮捕されてしまった!
決死の脱出に始まり、ヨーロッパを股にかける大冒険。
異能ヒーローが活躍するブロック初期の痛快シリーズ、ここに開幕!
解説=尾之上浩司
*第9位「第1回PLAYBOYミステリー大賞」海外部門(『PLAYBOY日本版』2008年1月号)
*第9位『IN★POCKET』文庫翻訳ミステリーベスト10/翻訳家・評論家部門
*第10位CSミステリチャンネル「闘うベストテン2007」/海外部門
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1966年(昭和41年)に刊行された快盗タナー・シリーズの第1作… 18歳のときに朝鮮戦争に従軍し、脳に損傷を受けたため睡眠障害に陥り、全く眠れなくなり、余分にできた時間を独学にあて、さまざまな専門知識を蓄積し、数多くの言語に通じることができるようになった男エヴァン・タナーを主人公としたシリーズです。
私はエヴァン・タナー、戦争で脳に受けた銃弾のため、眠りを失ってしまったが、それを利用してあらゆる言語を習得、さまざまな組織と人間をつなぎ、万巻の書から膨大な知識を蓄えている… ある日、ニューヨークで出会ったアルメニア人ダンサーから、私は驚くべき情報を得る、、、
1922年、ギリシアとトルコの交戦中、ギリシア軍を支援していたというのだ… 眠れないハンディキャップを逆手に取り、博学と語学力を武器に、私は金貨を手中にすべくトルコを目指す。
しかし入国するや、秘密警察による投獄の憂き目に! 奇抜なヒーローの胸のすく大活躍… ブロック初期の痛快シリーズ、ここに開幕!
スパイ物の常道をなぞると見せかけて、思い切りスパイ物をおちょくる展開が印象的で面白かったー ローレンス・ブロックの多彩さや多芸さに驚かされますね! 冷戦真っ只中の時代を背景に各国の諜報機関や秘密結社の対立・抗争に巻き込まれながらも、度胸と機転で窮地を切り抜け展開が抜群でした、、、
他のシリーズと同様にキャラクター設定が魅力的… ルパン三世的な軽妙さが加わり良いキャラクターに仕上がっていましたね。
次も快盗タナー・シリーズを読んでみたいと思います。