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ヘッセの前半の作品よりも、デミアン以降が基本的に合う(好き)。
第一次世界大戦のさなかで、戦争への批判、平和への希求、
自己への内部への探究がより深くなっていく気がする。
社会や人生、そして自分自身が自分自身の生をまっとうすることに関しての
洞察が鋭い。
特にデミアンは私をハマらせたきっかけの本かもしれない。
車輪の下では、なんだか詩的な世界で青年の苦悩を描いた作品、、、としてしか
印象に残らず、この作品で、自分の道を探究していく生のあり方、
そして孤独、苦しみを描いてくれる彼と高橋健二に感銘を受けた。
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ヘルマンヘッセは中学校の時から読んでいます。デミアンは何度も読んでいますが、読む度に自分が変わっているような気がします。
文中に出てくるアプラクサス、まさにその渦中だったときもあり、まだその渦中だと思うときもあり。
いい本です。
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ヘッセは中学生の頃教科書で学んだ「少年の日の思い出」以来。その時思春期の微妙な息苦しさを感じてから、敬遠していたが、「デミアン」はいつか読まなければと思っていた。
ユングの影響を受けた作品というだけあって、自己の内面と向き合う哲学的な内容。
デミアンの存在そのものが「導き手」として完璧すぎて、現実感が希薄だ。どこから届けたのか分からない手紙や、作品の最後での彼の登場など謎が多く、そもそも彼は本当に存在した友人なのかと思ってしまう。
シンクレール自身の内面にいる友人なのではないか、などと考えてみたり。
最近は「物語」ばかり手に取っていたので、久々にこういう本を読んだ。
残念ながら貧弱な頭では感想としてここに書き出せるほど思考がまとまらない。もっと若い頃に読んでいれば強い影響を受けただろうと思う。
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エロいシーンは一切無いのにエロスを感じる。上品エロス。
誤解を与えないように言っておくけどそういう話ではなく、深い精神世界の話。
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田口ランディの小説でこの本が取り上げられていたので。
戦争という事項がこの本の背景にあったということは知らなかった。
与えられた運命を精一杯生きること、それ以上もそれ以下もない。
っていうことなのかなーって思った。
問題意識と共通していて興味深く読みました。
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今更ながらヘッセってすごいね!!
と思いました。本当に今更。
デミアンという少年の存在の大きさ。宗教とかは難しいので詳しく知らないのですが、カインとアベルのデミアンの解釈とかちょっと驚きました。
ヘッセもシンクレールのように善と悪の世界に苦しんだね。
09’10’2
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シンクレールが表題のデミアンという少年に出会うことによって、変化していくシンクレールの心と、彼らふたりの友情の話。
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慣れるまでめちゃくちゃ読みにくい「THE・訳書」って感じだけど、
深~い内容だった気がする。
読んだ直後はパーッと天上から光が差し込んで、
何もかもがわかった気になるんだけど、
その光も日々の生活の中で埋もれていく。
そんな話だった。
アプラクサス出てきた。
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デミアンという存在が印象深い。
最後の方の語らいの時、彼の持つ恐怖を彼自身が口にした時は、彼も人間なのだと知った気がした。
反面、それでもしるしを持つ人として貫いたとも思う。
文章が最初こそ違和感を感じた(話し言葉の丁寧さなど)が、すんなりと受け入れることができた。美しいと思う。
個人的にこういう話は好みなので、もっと早く読みたかった。
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「私は、自分の中からひとりでに出てこようとしたところのものを生きてみようと欲したにすぎない。なぜそれがそんなに困難だったのか」
中二病をこじらせて突き詰めたような話。って片付けちゃいけないか。
答えは自分自身の中にしかない。考えて考えて考え抜いた先に見つけた、唯一の答えに従い生きていくしかない。
随所から漂ってくる宗教色が、後期ヘッセが受けた仏教の影響とやらなのかしら。
「鳥は卵の中からぬけ出ようと戦う。卵は世界だ。生まれようと欲するものは、一つの世界を破壊しなければならない」
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ヘッセの作品の苦しくて奥深きところが好きだ。
究極の内向的とはこのことか。
生きたい、生きたい、生きたい。
そんなストレートで純粋で悩ましい高次な欲求が彼の作品から伝わってくる。
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高校生の頃から何回も読んでます。
デミアンという人間の存在って、なんだろう?
こどものころってこんなことが重要で、
大きなことだったな。
何回読んでも「うーん」と考えてしまいます。
これからも、何回も読むと思います。
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グノーシスの影響下に書かれたという情報を得て再読した。思春期に読んで変な小説と思ったのは確かな過たない見方だった。ナンとも気持ちの悪い小説だった。
ただ、デミアンを媒体として思想の展開が本格的に始まるまでの悪童との関係などはみずみずしい、微に入り細をうがった描き方で秀逸だった。
ヘッセはなるほどグノーシスをかじった節があるが、体系の一部分を拡大解釈した間違った捉え方で、危険きわまりない。
ヘッセは平和主義者で通っているようだが、『デミアン』の後半部などはヒトラーの登場を用意したとしか思えないし(それが自覚できるほど、知的だったとは思えない)、知識人としてきちんと分析すべきところで酔っていたり、夢想していたりする。
ヘッセは東洋哲学に親昵した作家かと思っていたが、彼にはキリスト教的定型思考法が叩き込まれていて、東洋哲学……その核心といえる神秘主義を理解することは難しかったのではないだろうか。案外サリンジャー的に似た捉え方だ。
西洋人にも、バルザック、ホフマン、ラーゲンレーヴ、ジョージ・マクドナルドのように神秘主義が血肉となっていた人はいくらでもいるのだから、西洋人としての限界というわけではない。あくまで個人としての限界なのだろう。
デミアンとエヴァ夫人からは、グノーシスよりもニーチェの影響のほうが濃厚に感じとれる。
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ヘッセ好きですわ。
ニヒリズムにも繋がる内容。
主人公シンクレールが自己を追い求める物語。
デミアンとの出会いにより、自我が芽生え始め、デミアンとの再会、戦争を経て、自己に出合う。
人間は真に自己自身になるべきである。自己に忠実でないと不幸が降ってくる。
古い世界の終わりが新しい世界の始まりと文末で語っていて、納得しましたが、なかなか想像は出来ないものです。
まだまだ噛み砕ききれてないので、何度もヘッセについて反芻していこうと思います。
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主人公が言動が優れていると感じるデミアンとの交流を描く。内面の掘り下げを通して実は自己の鏡であることに気づく。ヘッセは短文に深い洞察をきつきつにこめており一読しただけではつかめない部分もある。