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紙の本
今日、十一月七日は立冬です。
2008/11/07 21:12
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:サムシングブルー - この投稿者のレビュー一覧を見る
十月の初旬に安芸の宮島を訪れ、私の俳句の第一歩が始まりました。俳句の約束事のひとつは、「季語」を入れることです。『歳時記』を持っていなかったのでさっそく購入しました。たくさんあるなかで角川文庫『俳句歳時記第四版』を選びました。新年、春、夏、秋、冬と五冊の文庫本でした。最初に手にとったのは『歳時記 秋』です。『序』のはじめに「季語には、日本文化のエッセンスが詰まっている。」、終わりに「二十一世紀に長く使用され、読者諸氏の句作の助けとなるならば、これに勝る喜びはない。」と、書かれていました。『序』を読んだだけで編集者の熱い思いが感じられ、胸が高鳴りました。次に『凡例』、『目次』となり、時候・天文・地理・生活・行事・動物・植物の順に季語が並び、最後に総索引が載っています。
最初の季語は
【秋あき】 三秋 九秋 金秋 白秋 素秋 白帝
季語の解説があり、例句が載っています。
最初の例句は
此秋は何で年よる雲に鳥 芭 蕉
『歳時記』は玉手箱です。どこを頁を開いても美しい日本語が並んでいます。その美しさに魅了されます。
時候の季語「冬近し(ふゆちかし)」の傍題の「冬隣(ふゆどなり)」
秋の天気は気まぐれです。しかし一歩ずつ確実に立冬に向かっていきます。冬に近づいていく、寄り添っていくさまが感じられます。
生活の季語「火恋し(ひこひし)」
なんて美しい日本語でしょう。先人たちの声が聞こえてくるようです。
安部元気・辻桃子著『俳句入門・再入門』の本のなかで「季語」の「本意」をしっかり知り、短い言葉でできるだけ深く、広く、大きなものを伝えることが重要であると書かれています。まずは季語の本意を知ることが私の俳句の第二歩の始まりです。
今日、十一月七日は立冬です。
歳時記をめくるとそこに霜の花
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