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出井伸之多様性への挑戦 みんなのレビュー
- 出井 伸之 (著), 五百旗頭 真 (編), 伊藤 元重 (編), 薬師寺 克行 (編)
- 税込価格:1,650円(15pt)
- 出版社:朝日新聞社
- 発行年月:2007.6
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紙の本
やっぱり出井は退場すべき経営者だったのだ!
2007/07/26 18:02
6人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:塩津計 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書では繰り返し聞き手の伊藤氏が「この本は出井氏の経営責任を追及することが目的ではない。ソニーという世界的巨大企業の経営に携わった本人の生の声を聞きだすのが、その目的だ」と断り書きが書いてある。それはそうだろう。オーラルヒストリーとは本来そういうものである。しかし、である。あの世界のソニー、技術のソニーが、いまや見る影も無く零落してしまった。少なくとも世界をリードする夢と希望を与える企業ではなくなってしまった。そのかなりの責任は、本書の主人公・出井伸之にあるというのが大方の見方であろう。ところが、まあ、予想されたことではあるのだが、この出井という男は、話題がソニーの経営悪化や業績不振、経営責任に及ぼうとするとそれこそ口角泡を飛ばして猛反論するのである。幾ら出井が反論してもソニーの業績が急回復するわけでもなければ、ソニーの株価が急反転するわけでもないのにである。今後に及んで未練たらしく「俺は間違っていなかった」と抗弁する敗軍の将の姿は、はっきり言って見苦しい。それにソニーの経営悪化について出井が「結構良いことをやっているんだが、会計ルール上、それがソニーの財務諸表に反映されていないんだ」みたいな、わけのわからんことをわめいているのを読んだときには「こいつは本当に経営者か?」と目を疑った。出井が言っているのは連結子会社でない持分法適用会社のことで、その会社の売上がソニーの売上には計上されていないことを愚痴っているのだが、そんなことは世界中の経営者の常識であって、この世界共通の会計ルールを前提に世界中の経営者はしのぎを削っているのである。出井の言っていることを野球に例えるなら、「球場が広すぎるからホームランにならなかっただけで、本当はいまのはセンターフライでなくホームランだ」というに等しい。これでは経営者失格であろう。出井は本書で繰り返し「これからの日本は何時までもモノづくりにしがみついていてはいけないのだ」と自説を展開する。本当にそうか。では出井はモノづくりを越える収益源を構築するのに成功したのか。違うだろう。PS2のマグレヒットに逆上せ上がって、結局はゲームも中途半端、モノづくりはガタガタで、薄型テレビでは有機ELなどというアサっての方向に猪突猛進してプラズマでも液晶でも他社に水をあけられる大失敗をしでかしている。いま、一時は経営危機に陥ったアップルがiPodとiPhoneで一世を風靡しつつあるが、iPodにしろiPhoneにしろ、「あれは本来、ソニーが出すべき製品だろ」と思っている日本人は多いはずだ。己の失敗を最後まで認めようとしない敗軍の将・出井伸之。こういう経営者を一刻も早く退場させ、世界のソニーを復活させるには、やはりアングロサクソン流の市場原理、市場という暴力装置の力を借りての経営刷新が必要なのであろう。幸い、ソニーの液晶テレビBRAVIAは徐々にそのシェアを上げ始めている。やはり井深・盛田の二人が作った世界のブランド・ソニーは「腐っても鯛」であったのである。出井というデジタルドリームキッドに滅茶苦茶にされたソニーの一日も早い復活を願いつつ、私は息子のためにソニーの株を100株買った。
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