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悪果 みんなのレビュー

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みんなのレビュー38件

みんなの評価3.9

評価内訳

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36 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

前回の直木賞選考で二つの「本格警察小説」がノミネートされた。この作品と佐々木譲『警官の血』だったが受賞できなかった。両作品とも警察組織の暗部を鋭く突いたものだけに受賞して話題性がでれば、苦々しく思う向きもあったのだろう

2008/05/02 12:16

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:よっちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

全国の都道府県警は組織ぐるみで何十年間にもわたって裏金を作ってきた。この警察の腐敗体質が発覚して何年になるだろうか。今でもときどきマスコミ沙汰になっている。事実として裏金は捜査費、捜査報償費(捜査協力者や情報提供者に対するお礼)の架空領収書、「カラ出張」、警備員の水増しなどで作られている。

それがなにに使われているか。この『悪果』によれば、「幹部のヤミ給与、彼等の異動の際の餞別」「署長経費は月百万と噂され、飲み代からゴルフ代、官舎の家具、電気製品、カーテンから味噌、醤油にいたる」のだそうだが、市民としては腹立たしい限りだ。
上が上なら下は下である。サラ金、ヤミ金に個人情報を流す。税務署、ヤクザ対策の口利き役を風俗営業者などから引き受ける。マンションころがしにつきものの居座りヤクザを追い払う。飲食業、風俗業に対する許認可権、取締権をバックにした過剰供応。などなどこれらをヤクザ並みにシノギというらしいが、腹立たしいというより、むしろ恐ろしい。この作品は警察の腐敗体質を暴く一種の告発小説である。

ただし単なる暴露小説ではない。
大阪今里署、暴力団犯罪係の刑事・堀内、38歳、妻帯。ブランドもののスーツと靴で南のクラブ通い、女もいる。帰りはいつもタクシー。持ち家あり、車はBMW。相棒の伊達、37歳、家族持ち。ものいい、服装、目つき、体形、歩き方、すべてが極道以上に極道らしい。マル暴担は情報源と付き合うために金が要る。しかし正規の捜査手当は裏金として上層部に吸い上げられてしまう。だから堀内のような働きのある刑事ほど自由になる金が必要になり、ひいてはぬかるみにはまって必要以上に贅沢がしたくなる。堀内の場合、得意のシノギは金のありそうな奴の弱みにつけこむ、やくざ顔負けの強請りである。警察組織に残る闇の末端に居直った男たちのこの暗い欲望とふてぶてしさを強烈なタッチで描き出している。そしてこんな悪徳刑事が本当にいるのだろうかと思わせつつ、優秀な警察官として情報をつかみ内偵し証拠を固め検挙する。実に丹念な捜査活動で犯罪を追う。よくあるご都合主義のアクション捜査ではない。手順を踏んだ、まさに地に足のついた捜査のリアルな描写は読み応えがある。地道な捜査活動と期待を裏切らないバイオレンスシーンとが絶妙に調和しているあたり、この作品のユニークな魅力があると言えよう。

なかなかサスペンスフルで、読者はいつこのシノギがばれるのかとハラハラしながら読み続けることになる。

堀内が得た賭博開帳の情報から、二人は丹念な内偵の末、組員や参加者を一網打尽にする。だが堀内の目的は別にあった。客の中には賭博をしていたことを隠しておきたい身分のものがいる。この機密をいつものようにブラックジャーナリストの坂部に流し、坂部が強請りにかけるその分け前にありつく寸法だ。ところが坂辺がひき逃げされて死亡するあたりから事件に奥行きが加わる。巧妙な地上げ、脱税、マネーロンダリング、不正経理、内部告発、殺人と暴力団。この種の企業犯罪は昔からあって特に目新しい手口ではないが、構想がしっかりしているから劇的に、そして現実性ある全貌が浮かび上がってくるところ、経済事件小説としても完成度は高い。


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2007/10/11 08:30

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2008/02/21 18:51

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2008/03/16 10:08

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2008/08/23 14:18

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2008/11/17 01:17

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2009/07/08 17:45

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2009/10/27 22:34

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2009/12/11 17:25

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