紙の本
マル暴担当刑事の日常
2007/11/11 18:16
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:katu - この投稿者のレビュー一覧を見る
大阪今里署のマル暴担当刑事である堀内と相棒の伊達の日常が超リアルに描かれている。と言っても、マル暴担当刑事の日常なんて知らないから本当にリアルかどうかは知りようがないんだけど、描写が真に迫っているのは間違いない。
前半の山場は賭場のガサ入れだが、このガサ入れの段取りが微に入り細を穿って書かれていて臨場感たっぷりだ。小説というのは非日常を味わえる最も手軽な娯楽だ。小説の中でなら、空飛ぶヒーローになることもできるし、悲恋のヒロインになることもできる。それがこの本の場合はマル暴担当刑事になってヤクザと渡り合うことができるのだ。実生活ではマル暴担当刑事ともヤクザとも関わり合いを持ちたくないが、小説の中でマル暴担当刑事になってみるのは意外と悪くない。「ガタガタ抜かしてると、いわすぞこら」とか言ったりしてね。
中背中肉の堀内に対して、柔道をやっている伊達はガタイが良くて二分刈りなので、刑事よりもむしろヤクザに近い。この二人の掛け合いも本書の魅力の一つだ。仕事の上ではお互いに助け合うが、相手がどんなシノギをして副収入を得ているかには立ち入らない。この辺の距離感もリアルだ。
後半は謎解きの要素も強くなり、さすがにサントリーミステリー大賞出身と思わせてくれる。黒川博行は久し振りに読んだけど、やっぱり大阪弁の会話が素晴らしいね。
k@tu hatena blog
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大阪弁のテンポ良いやり取りが面白い。悪徳刑事と極道達の探り合い、バラバラのパズルが段々と埋まっていくと見えてくるのは何か?最後までドキドキの展開。
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伊達、堀内は暴犯の刑事。花札賭博の摘発。常に何かシノギを得ようと情報収集に励む。大きなアップダウンのストーリーではないが、刑事の事件を捜査する日常のなかでどうなっていくか気になり読み進む。'08.2.11
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黒川博行得意の警察もの。警察組織のなんともいえない「腐敗」が背景にはある。ここまで極端とは思えないがありそうにも思える。必要悪の部分もあるかもしれない。
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黒川博行の作品を読んだのは、今回が初めてだったが、なんと私好みの作品なんだろう!!!
もう、単純に筆者の筆力に感動
関西の情景描写といい、関西人の気質をうまく捕らえた表現といい。
と、関西が懐かしい私の思いはコレくらいにして・・・
この作品は、日本のピカレスク小説としては今まで使われてきた暴力団対策課の二人を主人公にしながら、今までに無いリアリズムで切り込んでいる。
また、時勢的な流れから暴力団の資金源の変成を考えながらも、賭博という古典的なやくざ資金をもキーに組み込んでいる。
なんとも難しく書いたが、何はともあれ私好みの一冊だ!
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【内容紹介】
癒着、横領、隠蔽、暴力・・・日本の警察の暗部を描き出すノワールの傑作!
大阪今里署のマル暴担当刑事・堀内は淇道会が賭場を開いているという情報を掴み、
金曜日深夜、賭場に突入し二十八名を現行犯逮捕する。
堀内は、賭場に参加していた学校経営者を経済誌編集・坂辺を使いゆすり始める…
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関西を舞台とした話。
暴担の堀内と相棒の伊達が主人公になっていて
このコンビの関西弁でのやり取りは面白くて
本を読みながら笑ってしまったほど!
最後の方では、この2人はどうなるのか
気になって一気に読んでしまった感じです。
これは読みやすく面白かった!
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直木賞候補にもなったということで、面白そうなので読んでみたのですが、
警察小説大好きな私にとっては、充分過ぎるほど楽しめる作品でした。
マル暴の刑事・堀川は、正義の味方の刑事ではなく、
ネタ元から得た情報を利用したり、ヤクザなどとかかわり、
ゆすりなどをして、小遣い稼ぎをしている。
悪い奴なんだけど、なんだか魅力的で。。。
同僚の刑事との掛け合いも、面白いし、
フィクションだとはわかっていても、
警察の裏側って、こんな感じもアリかも。。。なんて思わせる、
シリアスな感じに、どんどん引き込まれていきます。
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大阪府警所轄のマル暴担当刑事・堀内。情報を横流しし恐喝の片棒を担いで小遣いを稼ぎもする。あるひネタ元からある組が胴元の博打の話が入り、一斉検挙に到るが、博打の客の中においしいネタを見つけ、いつものように恐喝へと持っていこうとするが。
後半は展開が速く面白かったけど、最後がちょっとなんか物足りない。
2008.6.5
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黒川 博行初読本。警官の汚職等を悪として書いているんだと思うけど、ままありがちな話かも。日本ではあまり感じないが洋画などでは良くみる感覚。最後にはその報いがある、ような所は日本的か。でも、ずいぶん長い本で読み終えるのに手こずった。
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私は図書館派。借りるに6ヶ月かかりました。とにかく面白い!! 読み始めたら止められなくて一気に読みました。大阪府警の防犯係(マル暴担当)の刑事ときたらエゲツナイはず あくどいはず!小遣い稼ぎのためなら何でも悪用して悪人、弱い者から金を巻き上げる。警察内部の裏金作りや 暴力団の賭博のディーテルを詳しく教えてくれる。その賭博で学校法人の理事長が捕まるが.. これが大悪人でわざっと捕まるのである。その真相を突き詰めていくのが最大の山場である。それがそう簡単にいかず そこの悪刑事と大悪人との駆け引きが最高に面白く、ウーンこういう訳でわざわざ捕まったのか.....その真相を突きつけて悪人から最高の“シノギ”を巻き上げるのである。ハードボイルドの傑作である。
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大阪を舞台にした刑事もの
なんだかドラマを見てるような典型的な展開
読みやすいです
結局「悪果」は誰なんだろう。。。
もしかして警察全体?!
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マル暴担当の刑事、堀内と伊達。暴力団に情報を流し、バックを受け取る先輩。依願退職させられ生活安全課。賭場開催の情報つかみ全員逮捕。
逮捕者を脅す記事に情報を流し、広告料の分け前を受け取っていた。その金はクラブの女につぎ込む。引越し代として70万円せびられ払う。
元を取るために寝込みを訪ねてFUCK。記者が車でひき殺される。自分もヤクザに待ち伏せされ、警察手帳と引き換えにメモを要求される。
メモの内容は、学校法人の土地をマンション用の土地として売ることの期限を示していた。ゆすっていた男は沖縄の磯釣り事故を装い殺されていた。
3000万円の要求から、1億円にあげる。コピーを作成するがばれる。受け渡し場所、デパート屋上でヤクザに切られる。血痕と指紋を残し
監察にばれ、依願退職。警官として最後の日に理事長に発砲して脅し、5000万、2500万、2500万の小切手を得る。
相棒の伊達には5000万円受け取ったと嘘をつき、半分の2500円わたす。
マルチにはまる妻を残し、女と済む。1年後、上京。銀座に店を出すが赤字。伊達が三角関係のもつれでヤクザに刺された記事が出る。
自分の女にも他の男がいるのは確実。いつ、刺されるのだろうか?
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関西マル暴犯係の話。
最初は映画や漫画によくある、ステレオタイプの暴犯刑事がはちゃめちゃな生活してるだけの話かと思って、
な〜んだと思いながら読んでたんですが、ミステリーとしていつのまにか成立していたことに驚きました。
もう本を開いたところから、布石、布石の連続だったことを読み終わってから気づかされるんです。
でも、なぜか全然悔しくない。たぶん、小説として十分面白かったからだと思います。
とくに、後半主人公がずるずると堕ちていくさまは、スピード感とあいまって痛快です。
「隠蔽捜査」とは真逆の位置にある警察小説だと思いました。
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これは楽しめた。第138回直木賞候補作。受賞作『私の男』をつい先日読んだばかりだが、個人的にはこっちの方が大衆作品として楽しめました。まぁ、あくまで素人の主観なんですが。あ、この回って『警官の血』も候補に挙がってたんだ。うーむ、激戦って感じですね。
大阪府警今里署のマル暴担当刑事が主人公のハードボイルド小説。主人公の堀内は暴力団とは持ちつ持たれつ、悪徳業界紙と組んで強請(ゆす)りをしたり、とにかく悪徳刑事だ。いや堀内だけでなく暴犯係のほとんどの刑事が何かしらの悪徳商売(シノギ)で稼いでいるし、警察幹部のための組織的な裏金作りなど、警察自体が悪の巣窟として描かれている。
そんな現実とは思えない設定にも関わらず、大阪弁の小気味いい会話や緊張感溢れる捜査状況の描写にリアリティがありすぎて、え?これマジ?と思ってしまう。いや、でもこれが仮に本当だとしたら警察がゆるさんだろ。悪徳警察に筆者が消されちゃうよなぁ。。。あ、ちなみに大阪府警には今里警察署ってのはないです。架空の警察署です。
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内容
癒着、横領、隠蔽、暴力・・・日本の警察の暗部を描き出すノワールの傑作! 大阪今里署のマル暴担当刑事・堀内は淇道会が賭場を開いているという情報を掴み、金曜日深夜、賭場に突入し二十八名を現行犯逮捕する。堀内は、賭場に参加していた学校経営者を経済誌編集・坂辺を使いゆすり始める…
(借)