紙の本
東京壊滅Xデー
2009/03/26 09:53
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ひろし - この投稿者のレビュー一覧を見る
確実に起きると言われている、関東巨大地震。そんなの知らない、って人はほとんどいないのではなかろうか。少なくとも「阪神・淡路大震災」を知らぬ者はいないはず。いずれやってくる関東巨大地震は、その阪神・淡路大震災をはるかに凌駕する規模だというのだからそら恐ろしい。しかしその関東巨大地震までカウントダウン!と言われていても、備えは万全です!と言える人間は、そうそういないのではなかろうか。いや地方自治・国家レベルでさえ、万全であると、高い意識を持っているとは言えないのではないか。その甘い認識の先にある悲劇。一体何が起きてしまうのか、東京はどうなってしまうのか。それを描いたのが本作、M8(マグニチュードエイト)である。
自ら阪神・淡路大震災を経験した地震研究者瀬戸口の地震シミュレーションが、大変な計算結果を導き出す。近日中に、東京を巨大地震が襲うと言うのだ。その結果を、個人の力で出来る限りの流布をするのだが。丁度東海地震が警戒されていた時期だけに、世の中そして政府は受け入れるどころか、瀬戸口は犯罪者扱いされてしまうのだ。それでもその話を受け止め、瀬戸口の話しを聞き入れた東京都知事。その判断が、結果として多くの東京都民の命を救うのだが。やはり地震は、やってきてしまう。そして東京の街と多くの命を、奪ってしまうのだ。
この物語の一つの特徴に、途中主人公がくるくると変わる事があると思う。地震発生そして物語の終盤こそ瀬戸口が主に活躍するが、クライマックスの地震災害を描く場面では、自衛隊員や消防士にガスタンクの設計者、そして娘を案じる母親と次々に視点が変わっていく。視点を切り替え多角的に大災害を描き上げる事で、大災害の実際をリアルに浮き上がらせていたのが印象的。一人の主人公が大災害をいかにして乗り越えるか!?といったハリウッド映画的デザスター物ではなく、色んな視点を切り替える事によって、逆に災害の実際と恐ろしさを感じることが出来た。
関東巨大地震は、必ずやってくる。それをまた再認識させられると同時に、二つの事を考えさせられた。一つは、今ある人生を楽しんでおくこと。地震に限らず災厄はいつ降りかかるか分からない。いつ全てを、命を失う事になるかもしれない。それには今日ある人生を、しっかり楽しんでおく事。そしてもう一つは、可能な限りの備えをする事。これは家族で対処法を話し合う、等と言うのも含まれる。あまりに能天気な実情に、愕然とさせられてしまった。
この作品が鳴らす警鐘は、そういった事が必要不可欠なのだと教えてくれる。それを感じる事が出来た事でも、この作品を高く評価したい。
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いい出来。
きわめて映像的なオープニング。
最後までクールに描いた点も評価できる。
早速たんすを壁に固定した。
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これの続編を先に読んだ気がします。
厚いけど、内容がリアルすぎて引き込まれて一気に読んだ。
地震こわいなあ(´;ω;`)
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東京直下型のM8の地震が起こるストーリー。
前半は、コンピュータ・シミュレーションによって
地震予知をしてもナカナカ真剣に取り合ってくれないという状況にジレンマの研究者・・・
地震発生後の内容を読んでいくと
阪神大震災の事が思い出され
読んでいくと、たまらなくなりました。
本を読みあげて改めて地震への備えの気持ちを再認識させられました。
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啓蒙作品としてはいいかもしれないが、強引な展開が目に
付き過ぎる。非常事態の中、そんなに綺麗ごとばかり
じゃないでしょう。
震災が来てからの描写が二日で切り上げられてる所に
丸投げにも似た印象を覚えてしまった。
震災が起こるまでのどこかのデータをそのまま貼り
付けたような情報の羅列もちょっと頂けない。
主人公が関西大震災の被災者であり、彼の成長物語でも
あるから仕方がないのだろうが、最後の最後、トラウマを
乗り切った後まで神戸を引っ張り出していた事にも違和感が
芽生えた。そこは神戸を出さなくていいでしょう。
東京でも通じるでしょ…という一言が思わずもれた。
冒頭にも書いたが啓蒙作品としては、悪くはないと思う。
でもそれ以上のものを得られる事はなかった。
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今、東京に巨大地震が起こったら
私達はいったいどうなるのか。
この書籍は自然の脅威に対し対策と心構えを持つ刺激的な作品だ。
2007年10月1日
気象庁より緊急地震速報が一般へ提供開始となり民間の自然災害に対する関心は高まりつつある今。
阪神・淡路大震災、新潟県中越地震。
一度はブラウン管を通して観た事があるだろう。
「その時になったら考える」
という安易な考えは捨てて欲しい。
「その時に」どうにか出来るのであれば、震災被害者死亡者数は統計されないのだ。
誰もが日々、危険な可能性の上に立っている事を忘れないでもらいたい。
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おかげで直下型地震が来たときの
心構えができた、というと大げさか。
用語には詳しくなった気がする。
先日、防災訓練で地震のビデオを見たが、
すべて、この本で知ったことの復習だった(笑)。
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地震はいつか来るわけだし備えなきゃね
でも、そんなこといったって実感わかないね
それがだめなんだって書いてあったわけだけど
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2009年2月10日に読み終わった本
http://hydrocul.seesaa.net/article/114244755.html
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もう少し大地震が来た時のアドバイス的なものを取り込めばもっと部数が増えたのかもしれない。
内容は普通の小説で、なのにページ数は多く・・・という感じでした。
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シリーズ一作目。
地震で被災したことがある人にはつらいかも。
何となく一気に読み終わってしまった。
小説ではあるけど、震災に対する注意喚起の意味合いが強いように感じた。
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ちょっと現実的過ぎるってか、小説っぽくなかったかな。
地震とかの仕組みがよく分からないと難しいような。
阪神大震災を踏まえて、東京で大地震が起こることを予知した男と政府や都知事とのやりとり。
実際地震は起きてしまうが、その惨事や収拾まで描かれている。
地震の身近さ、忘れてしまったらいけないこと、気付かせてくれる作品
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久しぶりに、本を読んでいて電車を乗り過ごす、
ということをしました。
正確にはホームで電車を乗り逃したのですが。
M8はマグニチュード8の意味。
小説の中では、それなりに備えられて、災害程度が押さえられていますが、
今、もしも直下が襲ったらと想像してみると、
本当に恐ろしいことです。
そんなことを考えながら一気に読みました。
神戸から随分と時がたち、ハイチの惨状は遠くてあまり伝わってこなくて、
でも、今一度、備えなおしてみようと思わされる一冊でした。
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ずいぶん前に読んだ本。
先週、著者が日経新聞の文化欄で、本書に触れていた。
翌日、ちょっと揺れたときに、棚の上から、目の前に落ちてきた。また読めという啓示か?
近いうちに再読してレビューを更新します。
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この作品も平成関東大震災と同じで単にパニック小説とは違う。阪神大震災をベースにして予知がどれだけ可能なのかシミュレーション小説にもなっている。28歳の大学院に通う助手クラスの研究者を主人公に大地震とはを問うている。
* 地震と震災は違う。
* 予知は非科学的なものではない。
* 地震発生から災害発生3日間をどう生き抜くか。
主人公を中心にくどいように上記三点が繰り返される。これに地震雲や動植物の変異などの要素も若干加えている。そのことが真実みを帯びさせている。また阪神大震災をベースにしていることで10年前に起こった地震でさえも風化するという事実を突きつけている。
地震は備えがあれば災害は大きくは広がらない。そのための予知であり防災運動である。地震は地球上の自然現象であり人災は地震の結果論でしかないとよくわかった。なんでこんなに力説しているのかと言うぐらい繰り返し言っている。
でも勉強になった!
富士山噴火と東海地震とか源は同じなのかと思っていた。一緒くたに考えていた。噴火の方が予知がしやすいようだ。しかしどちらも防災意識がないと被害がいたずらに大きくなる事実だ。
我が家の防災は・・・。寒い限りだ。