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敗戦国ニッポンの記録 昭和20年〜27年 米国国立公文書館所蔵写真集 上巻 みんなのレビュー
- 半藤 一利 (編著)
- 税込価格:3,080円(28pt)
- 出版社:アーカイブス出版
- 発行年月:2007.9
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写真集
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紙の本
「敗戦」ビッグバンによる新生ニッポンの歴史を眺めるだけで学べる
2021/05/08 16:15
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投稿者:永遠のチャレンジャー - この投稿者のレビュー一覧を見る
NHK特集「映像の世紀」などの歴史番組を視聴して、占領下ニッポン(Occupied Japan)を撮った写真やニュース映画などの記録映像を目にすることがある。珍しい、貴重なカラー映像が披露されたりもする。
当り前だが、戦前の繁華街であれ、戦後の焼け野原であれ、余所行きの着物姿やお洒落な洋服、国民服やもんぺ姿の相違はあっても、ちゃんと色彩がある。現実は、白黒映画や山水画の墨絵みたいなモノトーン世界にあらずと、安心できる。
偶々出逢った本書はアメリカ公文書館が所蔵する記録写真で構成された写真集で、掲載写真の一枚一枚に表題と簡潔なコメントを「歴史探偵」半藤一利が付している。巻末の「掲載写真一覧」が掲載頁と表題名を提供し、索引代わりにもなる。掲載写真は五つの章立てで、編集、整理されている。
上巻は、第1章「焦土と化した我が祖国・ニッポン」、第2章「再生への出発点―復員・引き揚げ―」、第3章「昭和天皇とマッカーサー」、第4章「進駐軍が出会った戦後ニッポン」、第5章「降伏調印式と軍事裁判」。
今は亡き「歴史探偵」が遺した眺めるだけで理解できるビジュアル版『昭和史』の占領期特別編だ。「見た」「読んだ」「判った」―。何を一体理解したか。一番身近な歴史を学ぶ必要性を切実に感じたのだ。
私たちは「敗戦」という謂わば“ビッグバン”により誕生した民主国家ニッポンに生を享け生きているから、現今(いま)に繋がる最寄りの時代、昭和の歴史を真っ先に学ぶべきではないのか。
邪馬台国の位置、応天門放火の真犯人、将門の祟り、清盛の死因、義経や光秀の生存伝説、龍馬暗殺の黒幕捜しなどの謎解きも好いけれど、「敗戦」にめげずにしぶとく生き延びた先人の足跡を辿ることこそ、それ以上に大きな影響や恩恵を私たちにもたらした、ちゃんとそこにある大事な歴史なのだ、と。
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