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電子書籍
怖い
2022/01/01 16:59
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たま - この投稿者のレビュー一覧を見る
するっと読めてしまうホラー。読めているのか、山に読まされているのか……これ本当にあった話って嘘だよね!誰か嘘だと言って!怖ぇよぉ…お化けや異形が出てくる訳ではないけれど、日常が、人が少しずつ壊されていくのが怖くて怖くて怖くて。心霊スポットとか絶対行かないって心に誓う一冊
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山から物は持ってきちゃいけないよ
2020/10/28 18:32
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:KeiM - この投稿者のレビュー一覧を見る
山にあるものは山に置いておきましょうね。
山から物を持ってきちゃいけないよ。
それが怖い山だとしたら。
祝いの文字がついているから、山に救われる話だと思うでしょう。
加門七海さんで怪談をいくつか読んだことがあるけれど、これなら大丈夫かもしれない、と思うでしょう。
思いこんだ自分を見返りましょう。
自己責任です。
肝試しの話を執筆中の女性作家の一人称話。
友人からネットで話題のミステリィスポットに行った、という話が来る。
その話がしたいから一度会いたい、一緒に会った人も作家の本を読んだことがあるし、興味津々です。会おう、といったノリ。
記は進まないのだけれど、事の成り行きで会いに行ってしまう。
そして、ずぶずぶと訪れた廃墟の背景に、引きずり込まれている。
変わってしまった友達、
ノリばかりよい男性。
心霊写真が撮れたことに舞い上がり、廃墟にリピーターとなるバイク乗り、
霊感ありの自覚のない、みんなと違うものを見ている女のコ。
そして筆者まがいの作家女性。
実話?
作り話?
どことどこがホントなの?
ひきずりこまれるように読み進める。
真夜中の山の中、エスニックな店の風景、登場人物たちの肉感。
どもれ本物の作家の筆力を感じながら世界に入りこみ、列車の駅の雰囲気も実体験さながらに味わえる。
そして最後に作者の註がはいる。場所も登場人物の名前も性別も、すべて変えてあります。
やっぱり作者の実話が入ってる? 店長は女? 霊感人間は男性?女性? 話を持ち込んできたのは本当は誰で、どんな経緯だったの?
知らなくていいところまで想像力が炸裂し、脳内再読してしまう。
本を閉じてつくふく思う。神社は厳かに参りましょう。
電子書籍
少しずつ日常が崩れていく恐怖
2019/07/28 23:15
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ワシ - この投稿者のレビュー一覧を見る
最近では小野不由美等も書くようになったモキュメンタリーの形式である。
地図に当たることで、大まかな地理は特定が可能だ。
埼玉・東京の一地方で生まれ育った方には「位牌山」なる名をお聞きになったことのある方もおられるかもしれない。
きっかけは、誰かが言い出した肝試し。その後も関係した人が徐々に狂い始めていく。
どの出来事も特段説明するほどではなく、むしろ怪異だの心霊だのを結びつけて説明する方が難しい。だが事象同士をつなげて俯瞰すれば明らかに「おかしい」。
この変遷の過程と移り変わりを実に丁寧に書いている。日常が壊れていく、しかしそのおかしさが一言では表現できない、その様が実に怖い。
最後の旅の朝、彼らとその勤務先の荒廃ぶりが描写されている。
その荒み方もそうだが、荒んでいることすら自覚できない当事者の摩耗ぶりには、戦慄を覚えるばかり。