紙の本
ビートニク文学の代表的存在の二人、ウィリアム・バロウズ氏とアレン・ギンズバーグ氏の書簡から構成された一冊です!
2020/07/02 11:24
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、1900年代のアメリカの作家であり、詩人であったビートニク文学の代表的存在であるウィリアム・バロウズ氏とアレン・ギンズバーグ氏のお二人の書簡集です。ビートニク文学とは、あまり聞きなれない言葉かと思いますが、これは第一次世界大戦から狂騒の1920年代までに生まれた世代に受けた文学です。バロウズ氏は激しい麻薬中毒の時期に発表した『ジャンキー』や錯綜する悪夢的なイメージをコラージュした小説『裸のランチ』が非常に有名です。また、ギンズバーグ氏は衝撃的な長篇詩『吠える』で一躍有名になった人物です。同書では、ヤーヘと呼ばれる究極のドラッグを求めて南米へ二度にわたって旅だったバロウズ氏と、やはり南米を旅したギンズバーグ氏の手紙から構成され、どこまでが実際の手紙で、どこからが後の創作なのかという非常に難しい判断を読者に課してくれます!ただ、なかなか興味深い内容ではあります。
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「税関で見つかりたくない5冊の本のうちの1冊」。ヤーヘという麻薬植物を探しに南米を旅する同性愛者バロウズ・・・。なんだかなぁ、と思いながら、読んでしまいました。そんな大変な思いまでして、そのドラッグ、試したいんですかー。バロウズに対して、ギンズバーグの落ち着いた文章(日本語訳だけど)が印象的。
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ゲロって痙攣しても最高!ってなれるとこが理解不能。内容自体がすでに、だけど。でもこの狂った感じすきよ
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Yage may be the final fix
Yage may be the final fix
Yage may be the final fix
麻薬の原料となる幻の植物ヤーヘを求めてメキシコを彷徨うバロウズと、アレン・ギンズバーグの生真面目な手紙が楽しい。
ケルアックの『路上』は読むのに苦労したけど、こちらの『麻薬書簡』は、もっとずっと読みやすかったし、この2人の生活や考え方が直接的に響いてきて、とても楽しかった。
表紙のデザインが強烈にカッコ良い。
ジャケ買いだよ。
いつもオレの本棚に並んでる。
それにしても、危険な2人だ。
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2022.09.18.
日曜日の朝、本書を再読した。
9年ぶりの再読。
2022年9月26日、京都地裁にて、青井硝子氏の判決が出る。
延期に次ぐ延期で、不当に引き伸ばされてきた判決がいよいよ出る。
その前に、改めて、
the yage letters を読みたい!
と思い立ち、イッキに読んだ。
苦悩するバロウズが、切実にヤーヘを求めて、メキシコへ向かった思いがナマナマしく伝わってきた。
当時のアメリカ合衆国の中で、バロウズが生きていくには、あまりにも息苦しかったのだ。
それはきっと、青井硝子氏も、同じ気持ちだったろうし、アヤワスカ・アナログのお茶を飲んで救急車で運ばれた自殺志願の哲学青年も、ペルーのジャングルの奥地まで行ってアヤワスカを使って生き直そうとした青汁王子も、そして、オレも、同じ気持ちなんだと思う。
この日本で、もし、公正な裁判が行われるなら
青井硝子氏は、無罪だ。
彼のような、求道者を、処罰してはならない。
そしてもし、彼が無罪確定したら
どエラいことになる!
バロウズが、メキシコの奥地まで行ってキメたヤーヘが
この日本で!合法的に!やれるようになる!
わおおおーーーーーーーー!
アヤワスカ・アナログがオッケーになったら、硝子氏のお茶会に行こっと♪
11
1953年1月15日
パナマ市ホテルコロン
バロウズ→ギンズバーグ
12
ヤク切れで苦しくて入院して4日過ごした
14
Cを買ったが、地獄まで往復出るくらい混ぜものまみれ。高揚するまでこのクソを鼻から吸おうとしてほとんど窒息しかけた。
32
1953年2月28日
ボゴタへの帰途だが何の成果もなし。呪術師にはだまされ(村で最悪の飲んだくれ、うそつき、のらくら野郎は必ず呪術師だ)、警察には小突き回され、地元のポン引きにはカモられ、ダメ押しでマラリアにもノックアウトされて。
60
5月5日
いまはリマで、ここはメキシコシティとずいぶん似ていて、ホームシックになりそうだ。
ペルーのジャングルにでかけて、追加のヤーヘ素材を手に入れようと計画。何週間かリマを探検するつもり。
エクアドルはなるべくさっさと通過。なんともひどい場所。
63
いまだにエクアドルでは少年をハメてないし、ヤクはどんなものでも買えない。
66
南米は人をムリに逸脱���に仕立て上げない。
おかまや麻薬中毒であっても社会的な地位が保てる。
オッペンハイマーのような人物ですら、役に立つから大目に見られているだけの逸脱者だ。
広大なチャイナタウン。たぶんここでは麻薬が手に入ると思う。
83
7月10日 リマ
昨夜、プカルパから持って帰ったヤーヘ混合物の残りを飲み干した。
今朝、まだハイだった。
ヤーへは空間時間の旅だ。部屋は動きとともに揺れて震えるようだ。
アレン・ギンズバーグ → バロウズ
91
1960年6月10日 ペルー プカルパ市 エスタフェタ・コレオ
まだプカルパです。
93
ペヨーテとLSDの話をしました。
96
それからこのろくでもない宇宙全体が身の回りで湧き上げってほとんどこれまで体験した最強で最悪じゃないかと
最初、蚊だの蛇だの嘔吐だのについての心配がくだらない気がついて、というのも、壮大な生と死がかかっているんだから
死に直面した気がして、ひげに包まれたぼくの頭蓋骨がパレットに乗ってポーチに置かれて前後に転がって、ついに本当の死に陥る前の最後の肉体運動を再現するかのように落ち着いたーーー嘔吐感が出て、外に駆け出して吐き始め、一面ヘビに覆われて、ヘビ天使いで、後光つきの彩色ヘビが体中にいて、宇宙を吐き出すヘビのような気分で
102
本当に発狂するのがこわいし、変化した宇宙がそのまま変化したままだったら
一方でここでもう一週間プカルパで待って同じグループとまた何回か飲むことにする
ここにはずいぶん長居するはずだから手紙も届くと思うーーー手紙をください。
アレン・ギンズバーグ
103
自分が発狂しかけてるのかどうかもわからないしこれ以上のことに直面するのはむずかしい
でも直面するだろうしあの意識を一時的な幻覚として扱って効果が薄れた時に一時的な正常意識に戻るように扱えば自分は守れるはずだし
106
時間ーーーー
どんなドラッグ、あるいは空気が、かれらを
かくも深く考えさせたり
あるいはかくも単純に過ぎ去った
ものを聞かせるのか
いにしえのブッダが、街路で
響きわたる騒音をたてるなにやら
機械と
110
ぼくが書き殴るのは
無で
何ページも何ページもきわめて深遠な
無が鋭く
・・・・
1960年6月21日
貨物アメリカンエキスプレス
ロンドン イギリス
111
バロウズ → アレン・ギンズバーグ
恐れるものはなにもない。
すすめ。見ろ。聞け。耳を澄ませ。きみのアユアスカ意識が「通常の意識」より価値がある?だれの「通常の意識」?なぜ、戻ろうとする?なぜ私に会って驚く?きみは私の足跡をたどっている。私は汝の道を知っている。
114
いつ戻ってくる?
カットアップ・メソッドは「出発まであと数分」に説明してある。
117
サンフランシスコ
1963年8月28日
・・・・・介護天使たちのビジョンはわが同胞たる男女よ初めて全貌をのぞかせたのが呪医の優しく呪える人間がアヤフアスカのタランス状態1960年に予言的だった自意識の転生が家なき精神永遠の恐怖の感覚から宿る肉体が感じる現在の至福がいまや実現された1963年。
アレン・ギンズバーグ
127 補遺
実際にはヤーへはヤーヘであり、ヤーヘのツルさえ十分にあればだれでも一時間かそこらで調整できる。一人分をつくるのに驚くほど大量のツルがいる。ツルまるごとだと2キロくらい、あるいは樹皮を削ぎ落としたものだと2つかみほど。
128 補遺
ヤーへの効き目は大麻と同じだ。・・・でもヤーヘには特色がある。効果は摂取量に応じて変質する。
・・・・・他人といっしょに使ったドラッグは何であれ相互の共感を引き起こす。
完全な耐性がすぐに身につく。気分が悪くなったりしない。
157 補遺6
ギンズバーグの1960年6月 南米日誌より
1960年6月6日
アヤフアスカーーー
月明かりの夜
竹製屋根の小屋に入り
ロープ姿で地面に寝る
ーーー偉大な存在に入った
再び
ーーーわれわれみんな一つの偉大な存在
その存在はおなじみ
ーーーそれになること、ならねばならなぬ
そしてぼくを刺す
蚊にも
ーーーぼくもまた偉大な存在にたかる
蚊なのだ
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◆南米は混合物。生産性のない苦しい闇。生と死と狭間の性。不純物の混じった粗悪な混沌。陰陽魚。陰と陽の縺れ合い。不可能に近い生みの苦しみ。魔術師は鍋をかき混ぜ、詩人はまじないを唱える。試せ。試せ。◆陶酔・酩酊・悪酔の混乱の中にも揺るぎない言葉への飢えと信頼。あらゆる感覚から、あらゆる差異から、取り零すことのないよう、妥協なく力強く、自由とその制御を希求する。俗語の多用をしても下品に堕ちないのは、目指す先にまごうことなき〈自由〉が見えるから。激しく求めなくてはならない理由が、バロウズにはある。◆筋が通っているよ、バロウズ。
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最強(?)の麻薬、ヤーへを求めての旅。
時々少年を求めて、時々ラリってみて。
そのあれこれを書簡で交わすバロウズとギンズバーグ。
トランス状態の脳内をそのまま文字に起こしたような文章は、不思議なドライブ感がある。
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読んで初っ端の文章が「ここには痔を切るために立ち寄った」で読もうと決めた。
手紙という形式で進行するので最初はとても読みづらいような気がしたが、読みすすめるうちに場面が浮かぶようになり楽しめた気がする。
ウィリアム・バロウズとアレン・ギンズバーグって結構仲良いんだなと思った。
かなり尖りまくっていた気配が至るところから香っている。