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紙の本
ラカン派の著者・クレマンが、かなり辛辣に書いた「フロイトの伝記」。面白いです。
2010/03/01 19:59
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:反形而上学者 - この投稿者のレビュー一覧を見る
実は、2007年10月に本書が発売されてから、私は他の本と一緒に買ったのだが、そのままわすれており、つい最近まで本書を持っていることすら忘れていた。
ブックカバーがかかっていたせいもあるのだが、比較的薄い本なので余計に目につかなかったということも原因していたようだ。
本書を執筆したカトリーヌ・クレマン女史は『ジャック・ラカンの生涯と伝説』で、有名な哲学者・伝記作家であり、かつてジャック・ラカンが率いていた「パリ・フロイト派」に所属し、現在の正統的ラカン派集団と言われているジャック=アラン・ミレールが引き継いでいる「フロイトの大義派」とも親しい関係にある「分析家」なのだが、分析活動は一切してはいない。
そういうことで、親ラカン派でもあるクレマンは本書でも独特の書き方をしている。
世に「フロイトの伝記」というものは、ピーター・ゲイの『フロイト1・2』を頂点として、非常に沢山あるのだが、本書はそれらと比較してもその存在価値が損なわれることはないと、私には思われる。
クレマンはフロイトと同じ「ユダヤ人」であるという共通点があるのだが、そういうことも本書の執筆には非常にいい効果をあげているようだ。
女性ならではの、フロイトに対する「感情の起伏」を隠さずに、むしろそれを効果的入れることで、メリハリの効いた「フロイト伝」になっている。だらだらとした伝記ほど退屈なものはないが、そういう欠点が本書にはない。
本書の外装の帯には、「(・・・)フロイトと20世紀に関心あるすべての人に贈る、読んで楽しい入門書。」とあるが、確かにフロイトを知らないような人が読んでも十分に楽しめるが、軽くでもフロイトの精神分析についての「入門書」を読んでおいた方が、さらに多くのことを得られると言えるだろう。
それから、こうした本では非常に珍しく、写真・図版が綺麗ではっきりしている上に、数も多いというのは極めて貴重な資料にもなり得ていると思う。
私としては本書をおすすめします。
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